年商1億円社長は、年収700万円会社員より貧しい?私が「資産型経営」に切り替えた理由

黒田 周兵

黒田 周兵

2026.09.25
column_Kuroda Shyubei

資産型経営やAI資産型経営を提唱する黒田周兵(くろだ しゅうべい)さんの連載コラム第7弾です。「年商1億円」と聞くと、多くの人は豊かな経営者を想像するかもしれません。しかし、売上が増えても、借金や固定費が増え、社長自身はほとんど休まず働き続けている。そんな「社長のワーキングプア」ともいえる状態は珍しくありません。累計80億円規模の売上構築に携わってきた黒田さんも、売上を追うだけでは時間も富も残らない現実に気づき、「何を売ったか」ではなく「何を残したか」を重視する資産型経営へと考え方を変えました。本記事では、年商1億円の社長と年収700万円の会社員を一例として比較しながら、黒田さんが資産型経営にたどり着いた理由を紹介します。さらに、AIを単なる機械ではなく「人が育てる知能」と捉え、「書く時代」から「打つ時代」、そして「見る時代」へと変化するこれからの働き方について考えます。

年商1億円社長は、年収700万円会社員より貧しい?

見出し1画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_黒田周兵_会社員より貧しい

「年商1億円の会社を経営しています」

そう聞くと、多くの人は「かなり豊かな人」を想像すると思います。

でも、実際にはそうとは限りません。

たとえば、年商1億円の会社を経営していても、社長自身の年収は700万円ほど。貯金は300万円、借金は2,000万円、会社とは別に大きな資産はほとんど持っていない。

この場合、単純化すれば純資産はマイナス1,700万円です。

一方、年収700万円の会社員が、3,000万円の住宅ローンを抱えていても、同程度の価値がある不動産を持ち、貯金が300万円あれば、純資産はプラス300万円です。

もちろん、これは一つの比較例です。

でも僕が伝えたいのは、

「売上が大きいこと」と「豊かであること」は別だ

ということです。

社長には、時間さえ残っていないことがある

見出し2画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_黒田周兵_これしか残らない

お金だけではありません。

勤務時間を比べると、さらに違いが見えてきます。

会社員であれば、基本的には週5日勤務です。

もちろん忙しい時期はありますが、休日や有給、勤務時間といった境界があります。

仕事が終われば、家族と過ごす。
趣味を楽しむ。
何も考えずに休む。

少なくとも、「会社の経営責任」まで自宅へ持ち帰る必要はありません。

一方で、経営者は違います。

「仕事が趣味だから」
「好きなことをやっているから」

そう言いながら、ほぼ休みなく働いている社長は珍しくありません。

休日でも売上を考える。
採用を考える。
資金繰りを考える。
社員の問題を考える。
取引先のことを考える。

体は休んでいても、頭は休んでいない。

プライベートがあるように見えて、実際には仕事との境界がほとんどない。

売上は会社員より大きい。

でも、純資産は少ない。
借金は多い。
自由時間も少ない。
心が完全に休まる時間も少ない。

僕は、こういう状態を見て、

「これは本当に豊かな経営なのだろうか」

と考えるようになりました。

僕自身も、売上を追う側にいました

僕も以前は、売上を大きくすることを重視していました。

売上が増えれば成功。
会社が大きくなれば成功。
人が増えれば成功。

そう考えていた時期があります。

でも、いろいろな経営者を見て、自分自身も事業を続ける中で、少しずつ違和感が大きくなりました。

売上が増えれば、固定費も増える。

社員が増えれば、人件費も管理も増える。

事業が大きくなれば、責任も増える。

そして何より、

社長本人が止まった瞬間に、売上まで止まる。

これでは、会社をつくったはずなのに、会社に自分が縛られてしまいます。

そこで僕は、「売上を増やす経営」だけではなく、

「何を会社に残すのか」

を見るようになりました。

だから、資産型経営へ切り替えた

僕が現在提唱しているのが「資産型経営」です。

自分が働き続けなければ価値が生まれない状態ではなく、

自分がいなくても価値を生み続けるものを、経営資産として残していく。

この考え方です。

僕の中では、経営資産を10種類に定義しています。

その10種類については、小説
『資本主義に疲れて、姉がいなくなりました。』
の中でも詳しく書いています。

なぜ小説の中に経営論を書くのか。

それは、僕にとって資産型経営は単なる経営テクニックではなく、

「どう生きれば、時間と富の両方を残せるのか」

という人生のテーマだからです。

そして、この考え方に行き着いたことで、僕自身は「社長であり続けること」にこだわらなくなりました。

社長という肩書を守るよりも、

会社に何が残るのか。
自分がいなくても何が動くのか。
5年後、10年後も価値を生むものは何か。

そちらの方が重要になりました。

AIを「機械」だと思っていると、かなり損をする

そして、資産型経営を考えるうえで、今もっとも重要な存在の一つがAIです。

ただ、僕はAIを単なる機械だとは考えていません。

人工知能とは、文字通り、

人が育てることのできる「知能」

だと思っています。

会社に新しく社員が入ったら、仕事を教えますよね。

会社の考え方を教える。
商品を教える。
営業方法を教える。
文章の書き方を教える。
判断基準を教える。

時間をかけて、社員の知能を育てていきます。

では、最初から非常に高い処理能力を持ち、24時間使えて、膨大な情報を処理できる知能を育てられるとしたらどうでしょうか。

それが、今のAIです。

社員を育てることが不要になる、という意味ではありません。

ただ、

「人の知能だけを育てればいい時代」ではなくなった

ということです。

この変化を見て見ぬふりをするのは、経営者にとってかなり大きな損失だと思います。

「書く時代」から「打つ時代」、そして「見る時代」へ

文明は、ずっと人間の仕事を変えてきました。

昔、文章は手で書いていました。

一文字ずつ紙に書く。

それが、パソコンの普及によって、

「書く」から「打つ」

に変わりました。

手書きが上手な人より、パソコンで高速に文章を打てる人の方が、多くの仕事では生産性が高くなりました。

そして今、もう一度大きな変化が起きています。

AIによる自動書記です。

人間がすべてを入力する必要すらなくなってきました。

指示を出せば、AIが文章を書く。
企画をつくる。
コードを書く。
画像をつくる。
分析する。
資料をつくる。

人間の役割は、

「書く」から「打つ」へ。
「打つ」から「見る」へ。

変わり始めています。

これから価値が上がるのは「見る人」

もちろん、AIが出したものを何でも採用すればいいわけではありません。

むしろ逆です。

これから重要になるのは、

AIがつくったものを見て、良し悪しを判断できる人

です。

何が正しいのか。
何が間違っているのか。
何を直すべきなのか。
どちらを選ぶべきなのか。

この判断力が、人間側に必要になります。

昔は、たくさん書ける人が重宝されました。

次に、速く打てる人が重宝されるようになりました。

そしてこれからは、

速く、正確に「見ることができる人」

の価値が高くなっていくと思っています。

パソコンのモニターを複数並べ、複数のAIに同時に仕事をさせ、人間はそのアウトプットを確認し、修正し、意思決定する。

そんな働き方が、すでに現実になり始めています。

社長がAIを使わないコストは、これから大きくなる

特に経営者は、この変化を無視しない方がいいと思います。

社長自身が、

文章を書く。
資料をつくる。
企画を考える。
メールを考える。
調査する。
整理する。

こうした作業に何時間も使っているのであれば、その時間の一部はすでにAIへ移せます。

空いた時間で、

判断する。
方向性を決める。
人と会う。
仕組みをつくる。
資産を残す。

本来、経営者にしかできない仕事へ集中できます。

AIを使うかどうかは、便利か不便かという話ではありません。

僕は、

「経営者の時間を、どこへ使うのか」

という話だと思っています。

2030年、あなたには何が残っていますか?

見出し3画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_黒田周兵_2030年残っているもの

売上でしょうか。

借金でしょうか。

それとも、

自分が働いていなくても価値を生み続ける資産でしょうか。

僕自身、売上を追う経営から、何を残すかを考える資産型経営へ考え方を変えました。

そして今は、AIという新しい知能を使いながら、人間が働き続けなくても価値が残る仕組みをつくっています。

僕が考える「資産型経営」の10種類の経営資産や、その先にある世界については、

『資本主義に疲れて、姉がいなくなりました。』

そして「しほかれ」のYouTubeでも発信しています。

売上を増やすだけでは、自由になれない。

では、何を残せばいいのか。

その答えを、物語と実践の両方から発信していきます。

関連

▶黒田周兵の経歴と活動について
https://prociel.pro/author/kuro-shihokare

▶資産型経営の公式解説
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