税金を払うだけの経営者と、制度を読む経営者。AI時代に生まれる決定的な差

5年後、売上は同じでも自由な時間がまったく違う二つの会社があったら、何が差を生んだのでしょうか。AIと制度の変化を読み、経営資産を積み上げた会社。制度の意味を知らず、社長が働き続けた会社。黒田周兵(くろだ しゅうべい)さんが経営の実践と劇場版しほかれの物語を通して、「ルールをつくる側の視点」について考えます。
5年後、同じ業界に二つの会社があったとします。
一方は、社長が営業、見積もり、採用、顧客対応を抱え、税金や社会保険料の通知が来るたびに「また負担が増えた」と感じている。
もう一方は、繰り返す仕事をAIや業務システムで減らしながら、税制、雇用、政策、AIの進歩を確認し、数年先を見据えて会社の仕組みを変えている。
現在の売上が同じでも、5年後の忙しさや選択肢には差が生まれているかもしれません。
僕は株式会社Black Trickで、AI、BtoBブランディング、GEO・AI検索対策、アプリ開発などを実践しながら、人が動き続けなくても価値を生み出せる会社のあり方を研究しています。
その中で感じるのは、経営者の未来を変えるのは、働く時間の長さだけではないということです。何を知り、何を残し、次の変化にどう備えるか。その違いが、徐々に会社の強さへつながっていきます。
税金を払う側だけで、社会を見ていないか
税金や社会保険料は、会社にとって身近な負担です。しかし、税制が何のために設けられ、どのような議論を経て変わるのかまで調べる機会は、案外少ないのではないでしょうか。
政府や自治体には、公共サービスや社会保障の維持、経済の安定、産業の育成など、さまざまな政策目的があります。税や法律も、ひとりの思惑だけで決まるものではありません。だからこそ、納める側と設計する側、両方の視点を持つことに意味があります。
たとえば、人口減少と人手不足が進むなら、採用を増やす以外に仕事を減らす方法を考える。制度が変わるなら、どんな業種や働き方が影響を受けるのか確認する。利用可能な支援制度があれば、条件を調べて適切に活用する。
もちろん、制度を知ったからといって、納税義務がなくなるわけではありません。僕が大切にしているのは、ルールを正しく理解し、合法的に活用しながら、自分の人生や会社の未来を計算することです。
知らなければ、変更されたルールの中で従来の働き方を繰り返すだけになるかもしれない。知っていれば、事業計画やお金の使い方を変える準備ができます。
売上を増やすだけでなく、会社に資産を残す
僕は、自分が動き続けなければ売上が生まれない状態を「労働型経営」と呼んでいます。これに対して、社員やAIが利用できる仕組み、検索から見つけてもらえる記事、顧客に伝わる事例、繰り返し使えるアプリなどを残し事業価値を作る考え方が「資産型経営」です。
毎回同じ商品説明をするならFAQに残す。営業資料をつくるなら次回も使えるテンプレートにする。商談で聞かれた質問を動画や記事にする。AIを使えば、一度の仕事を複数のコンテンツへ展開しやすくなります。
作業時間が減っただけでは、その効果は今日で終わるかもしれません。一方、仕事の結果が会社に残れば、次の一回はもっと楽になる可能性があります。
たとえば毎週10時間かかっていた仕事が、仕組み化によって1時間で済むようになれば、その分を新しい事業や、やりたかった創作に使えます。すべての仕事が10分の1になるわけではありませんが、目指す方向はそこにあります。
「制度をつくる側」を描いた映画が生まれた理由
この視点を、経営の話だけではなく、物語としても伝えたい。そうして制作しているのが、しほかれ劇場版『正直者は化皮を見る』です。

物語に登場するのは、税収拡大を目指す架空の国家プロジェクトを進める政治家・天河凌。AI税務調査ツールを開発する久瀬強は、その国家事業に関わります。さらに、劇中の法律「自殺関与殺人罪」の改定を成し遂げた御迎恵かごめや、特殊詐欺法人、犯罪組織「ハイエナ」の存在が、社会を複雑に動かしていきます。
彼らにとっては、法律も技術も権力も、社会を動かすための手段。一方、起業家の黒金花蓮と親友の星編美は、日々の生活と仕事に向き合いながら、その変化の意味を知っていきます。
これは現実の政治家や政府の秘密の計画を描いたものではありません。登場する国家事業や法改定は架空の設定です。けれども、ルールを「守る側」だけでなく「つくる側」から見てみるという想像力は、経営にも役立つはずです。
「この社会にしたのは、誰なんだ?」。この問いを、12月21日に特別上映予定の劇場版では、サスペンスとして楽しんでほしいと思っています。
そして翌朝、ニュースを開いたときに「この制度は何のためにあるのだろう」と一つ考えてみる。それが、僕がこの物語をつくる理由のひとつです。
著者プロフィール
黒田周兵(くろだ・しゅうべい)
資産型経営・AI資産型経営の提唱者。株式会社Black Trick会長兼相談役、作家、マーケター。AI、BtoBブランディング、GEO・AI検索対策、アプリ開発を通じて、企業の知識、コンテンツ、顧客データ、営業導線、業務の仕組みを経営資産へ変える事業に取り組む。小説『資本主義に疲れて、姉がいなくなりました。』を原作とする物語IP「しほかれ」を、映像、音楽、劇場、イベントへ展開している。
関連情報
劇場版しほかれ公式サイト:https://movie.shihokare.com
黒田周兵のプロフィール:https://prociel.pro/author/kuro-shihokare
しほかれ公式サイト:https://shihokare.com/
劇場版イベント詳細・参加申込:https://peatix.com/event/5235633
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