「Claude Codeを勉強する時間がない」への反論

株式会社コミクス

株式会社コミクス

2026.09.21
column_COMIX Inc

「AIは面白そうだけど、使いこなす時間がないよ」。経営者仲間のその一言に、2年前の自分を重ねた。株式会社コミクス代表・鈴木章裕が、「思考のレバレッジ」を後回しにした3カ月と、そこから抜け出した経緯を語る。

「会社が止まる」と感じた秋

見出し1画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_会社が止まる

2025年夏、勉強熱心で知られる経営者仲間が「AIは面白そうだけど使いこなす時間がない、社員に任せている」と言うのを聞いて、以前の自分を思い出した。2024年秋、受け入れ企業が一気に3社増え、管理する実習生が30名から42名に跳ね上がった時期、僕は初めて「このままでは会社が止まる」と感じた。

朝7時から夜10時まで働いても、増えた業務の多くを自分で引き取ってしまう。スタッフに「この案件どう対応すればいいですか」と聞かれても、別の案件に頭が入っていて「少し待って」と答える。10分後に思い出して答える間、スタッフの作業は止まる。受け入れ企業の担当者から「先週の件どうなりましたか」と聞かれ、何のことかすぐ思い出せないことも一日に何十回とあった。判断基準を共有できていないから、スタッフは社長に聞かざるを得ない。完全な悪循環だった。

「判断軸を言語化する」使い方への転換

見出し2画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_判断軸を言語化

限界を感じたある夜、経営者仲間に「コードを書くツールじゃない、頭の中を整理するツールだよ」と勧められてClaude Codeを試した。最初の1週間は「今日やることを整理して」と打ってそれっぽいリストが出るだけで、「むしろ時間がかかる」とすら感じた。

転機は、タスクを処理させるのをやめて「自分の判断軸を言語化するパートナー」として使い始めたときだった。ある受け入れ企業への対応方針に迷ったとき、状況を説明して選択肢と論点の整理を頼んだ。返ってきたのは3つの選択肢とそれぞれのリスク。頭の中で漠然と考えていたことが整理された形でそこにあり、その場で方針を決めて連絡文まで作成できた。判断は自分がしたが、判断までの時間が劇的に短くなった。これが「思考のレバレッジ」の正体だと気づいた瞬間だった。

思考のレバレッジが生んだ変化

見出し3画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_思考のレバレッジ

3カ月目からは業務別のスキルを作り始めた。契約継続の判断に迷った過去のケースを説明して判断軸を整理してもらうと、「売上貢献は判断軸の最下位とし、コンプライアンスリスクが高い場合はいかなる売上規模でも見送る」など、感覚でやっていたことが言葉になった。月次レポート作成は1件40分から8分に縮み、8社分で月4時間強が浮いた。

6カ月続けて、意思決定の速度は体感で2倍になり、「なぜそうするのか」を含むマニュアルが半年で20本以上できたことでスタッフへの説明時間も大きく減った。何より、以前は本やセミナーから知識を仕入れることが勉強だったが、今はClaude Codeとの対話そのものが勉強になっている。移動中の15分でもできる。「勉強するためにまとまった時間が必要」という思い込みが、そもそも間違いだった。

「時間がない」は優先順位の誤りであることが多い。思考のレバレッジへの投資を後回しにすることは、現状維持ではなく相対的な後退だ。最初の5分、今日迷っている判断をClaude Codeに話しかけることから始めてほしい。

著者をもっと知りたい方はこちら