名前は覚えられなくていい!限界突破CEOが明かすネーミング戦略とご縁の力

竹田 嶺

竹田 嶺

Column_ReiTakeda

株式会社東京サプリメントラボの代表として健康・美容分野のサプリメント事業を展開し、家業であるスキー場の3代目経営者としての顔も持つ竹田嶺(たけだ れい)さん。サプリメント事業を通じた予防医学への挑戦や、人との「ご縁」を何よりも大切にする独自の経営哲学、そして故郷の観光産業を見据えた未来への展望についてお話を伺いました。

健康需要の高まりと家族の闘病経験で気づいた、健康の本当の価値

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サプリメント事業にたどり着いたのは、これからAI時代が本格化していく中でも必要となるのは健康や美容、アンチエイジングだと思ったからです。さまざまな仕事がAIに代替されると言われていて、仕事でも娯楽でも何をするにも健康でないと楽しめません

人生100年時代と言われている日本において、70歳から100歳までの生き方で幸福度が決まると思っています。さらに超高齢社会の日本では75歳まで働かないと労働人口が足りません。そうなると健康産業はより注目されていくはずです。

3年前、私が24歳の時に母を膵臓ガンで亡くしています。母は6年間闘病生活をしていましたが、膵臓ガンは5年生存率が5%だと言われました。母が元気であれば旅行に連れて行くことができましたし、孫が見たいという願いも叶えてあげることができたかもしれません。やはり、人生の最後はどうしても健康が必要だと痛感しました。

私自身はスキーをずっとやっていたので、サプリメントやプロテインを飲むのは日常的なことでしたね。予防医学で身近なものと言えばサプリメントです。自分と自分の大切な人たちが健康で豊かに暮らせるように、サプリメントの開発を行っています。サプリメントを通じて、みなさんの健康意識が高まったらいいなと思いますね。

黄金比を追い求めて生まれた、『LIPO PLUS(リポプラス)』と『限界突破』

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現在、主軸となる2つのサプリメントの販売をしています。1つはビタミンCたっぷりの『LIPO PLUS(リポプラス)』。もう1つの『限界突破』は二日酔いに効果的です。

『LIPO PLUS』の主要成分であるビタミンCは水溶性なので、たくさん摂取しても尿として排出されてしまいます。「ビタミンCを摂ってもあまり効果を感じない」「気休めじゃないか」とよく言われるのですが、実際は摂っていても体に吸収されていないことが原因なのです。

ビタミンC点滴が美容や健康の目的で使われてきたのも、しっかり吸収させて血中濃度を上げることが重要だからです。ただ点滴は病院に行く必要があり、1回2万円以上と高額なのでハードルが高くなってしまいます。それなら経口摂取で同じ効果を出せないかと生まれたのが、リポソームという技術です。

『LIPO PLUS』はビタミンCをリポソーム(リン脂質の膜)で包み込む設計が特長で、ビタミンCサプリの選び方が多様化する中で、続けやすさまで考えたい方におすすめの選択肢です。

『限界突破』はすっぽんの卵とニンニク凝縮エキスにオレイン酸をプラスしています。二日酔いのサプリメントの多くはウコンやしじみ由来のオルニチンが主要成分です。珍しい配合になっているのですが、オレイン酸という油がポイントです。

料理と似ていて、1つの調味料で味を決めないじゃないですか。サプリメントもある成分を入れたから効くというわけではなく、成分をいくつか組み合わせることで効果を発揮するもの。『限界突破』もたくさんの試作を重ねましたが、すっぽんの卵だけでも、すっぽんの卵とにんにくだけでもダメでした。この2つの成分を吸収しやすくするためにオレイン酸を配合しています。サプリメントの試作品は一度に100袋ほど作って、自分を含め仲間とともに人体実験しています(笑)。

サプリメントを飲んだ翌朝の感想をアンケートで集めて、成分の配合とサプリメントの形状を決めています。

泥臭さで積み重ねてきたファン作りのリアル

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在庫を抱えるサプリメント事業を始めてみて、経営の厳しさを痛感しました。最初はインフルエンサーマーケティングのような手法を甘く考えていましたが、そんなに甘い世界ではありませんでした。結局、確かなファンを作るためには、交流会で一人ひとりと泥臭く向き合っていく地道な活動の積み重ねしかありません。

大切なのは覚えてもらうこととファンを作ること。覚えてもらうために『限界突破』と書かれたTシャツを着ています。私の顔や名前は覚えてもらわなくても良いので「あー!限界突破の人ね」となればいいんですよね。

『限界突破』という商品名は発音しやすいネーミングから決めました。人間が発音しやすい言葉には条件がいくつかあります。「が行」「ざ行」が入っていること、促音の「っ(小さい「つ」)」が入っていること、「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」のいずれかが入っていることなどです。これらの文字が入っていると発音しやすいのでつい口に出したくなってしまいます。『限界突破』はこれらの条件がすべて当てはまるんです。インパクトのある名前じゃないと忘れられてしまい購入にはつながりません

パッケージのサイズ感にもこだわりました。1回分ずつ個包装になっていて、財布やポケットにすっと忍ばせておけるくらいコンパクトです。初めて見た方には、ちょっと意味深な反応をされることもあるのですが(笑)、それくらい強く印象に残るデザインを意識しています。

ひょんなご縁からつながった、仕事の広がり

見出し4画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_武田嶺_趣味からのご縁

私がビジネスで最も大切にしているのは「ご縁」です。私のビジネスは、工場から取引先まで、すべて人とのご縁でつながっています。出会った人とのご縁から、ひょんなことで仕事につながることは本当によくあります。だからこそ、いきなりビジネスの話をして構えられてしまわないよう、共通の趣味を通じて信頼関係を築くようにしています。

今、いちばんお世話になっている取引先は150店舗を展開するパーソナルジムです。このご縁は、たまたま船釣りをしていた時に隣にいた方との会話から始まりました。「何をやっているんですか」というたわいもない会話がきっかけで、今では大きな取引先になっています。今の工場とのつながりも、スキー仲間から生まれたものです。本来、工場に依頼するのは簡単なことではありませんが、それも人とのご縁があったからこそ実現できたと思っています。

もし独立を考えている人にアドバイスするなら、まずは人との繋がりやコミュニティを、事業を始める前からひたすら作っておくことだと伝えたいです。学生のうちにたくさん遊んでおいて本当によかったと、今つくづく思います。釣りやスキー、ダイビングをしながらの何気ない会話から、自然と仕事につながっていくことが多いんです。

約束を守る、お礼をきちんと伝える。そういう当たり前だけれど、みんながやらないことを大事にする。それが今につながっていると感じています。

健康産業の先に見据える、故郷への恩返し

見出し5画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_武田嶺_故郷へ

今、新しいサプリメントも3つほど仕込んでいます。早ければ9月末から10月頃には、その中の1つを発売できる予定です

サプリメント事業のさらに先には、もう一つ見据えている未来があります。

実は私の実家は、祖父の代からスキー場を経営する「銀嶺観光」という会社です。祖父と私は誕生日が同じで、いとこ5人の中で唯一の男の子として生まれたこともあり、会社名にちなんで自分の名前をもらいました。継ぎなさいと言われたことは一度もありませんが、小さい頃から自然と使命感のようなものがあったのかもしれません。

将来的には3代目としてスキー場を継ぐことになりますが、そのタイミングでは設備の入れ替えなど大きな資金が必要になります。実家に戻っただけでは資金調達は難しく、ファンドを連れてくるのも簡単ではありません。だからこそ今、サプリという事業を通じて経営とは何かを学び、人脈を作りながら、いずれは観光産業の再生にもつなげていきたいと考えています。

今、外資がどんどん日本の土地を買い進めています。戦争をしていないだけで、実質的には土地が奪われているようなものです。日本人の購買力が下がっている今だからこそ、しっかりと対等に渡り合える強い日本企業を作らなければ、私たちの故郷がなくなってしまうという危機感があります。それが今、私を突き動かしている一番の原動力なのかもしれません。

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