Claude Codeは「経営の右腕」だと気づくまで

ワクセル編集部

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2026.07.25
column_SuzukiAkihiro

Claude Codeは「エンジニア用のツール」だと思い込んでいた。ある日、議事録や提案書、請求確認、メール返信を任せてみたら、1日2時間が手元に返ってきた。株式会社コミクス代表の鈴木章裕(すずき あきひろ)さんが、思い込みが崩れた経緯について綴っていただきました。

「Code」という名前への誤解

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_鈴木章裕さん_Codeという名前

僕は長い間、「Claude Codeはエンジニアが使うもの」と思い込んでいた。名前に「Code」が入っているし、ターミナルで動く。プログラミングの話が多い——そのイメージで止まっていた。ラベルを見て中身を確認しなかっただけだ。

2024年、ある商談後のことだった。17時に商談が終わり、18時までに議事録とネクストアクションを顧客に送りたかった。以前なら録音を聴きながらWordに打ち込み、要点を整理して1時間以上かかっていた作業だ。そのとき初めて、録音を文字起こししたテキストをClaude Codeに渡し、「決定事項・宿題・ネクストアクションを、顧客への送付用にまとめてください」と入力した。30秒で骨格の合った文章が出てきた。修正に5分、合計8分。1時間超が8分になった瞬間、「これは経営者のためのツールだ」という認識に変わった。

経営者の日常業務に刺さった

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_鈴木章裕さん_日常業務

それから使える場面を探し始めた。議事録処理では、ひとつの入力から「顧客向けフォローアップメール」「社内共有サマリー」「次回準備メモ」を同時に出力させ、処理時間が3分の1以下になった。提案書は、課題・サービス概要・意思決定者の関心事を渡すだけでアウトラインが返り、肉付けするだけで完成するようになった。

請求業務の照合も任せた。毎月2〜3時間かけていた未入金案件のリストアップと督促優先度づけを、CSVデータを渡すだけで5分で済ませられるようになり、以前は見落としていた「入金予定日未記載の案件」まで拾ってくれた。値下げ交渉への返信や社内通達など、感情が邪魔をして言葉が出づらい文章も、叩き台があることでかえって自分の意図を精度高く表現できることに気づいた。

意思決定に迷ったときの壁打ち相手にもなった。採用方針で複数案のメリット・デメリットを整理させると、自分では気づいていなかった視点が返ってくる。ただし判断は自分がする。Claude Codeは材料を整え、視点を増やす右腕であって、意思決定の代わりはしない。

社員向けの通達文や方針説明も、Claude Codeに任せるようになった。「業務時間外のメール確認について社員に裁量を持たせたい。硬くなく、でも明確に、社長の言葉で」と伝えると、10秒で叩き台が出る。言いにくいことを伝える文章は、感情が邪魔をして言葉が出づらいものだが、Claude Codeはそこに感情を持たないぶん整然と伝えてくれる。それを自分の言葉に変換する方が、ゼロから書くよりずっと楽だった。

月35時間、そして本質的な変化

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_鈴木章裕さん_時間削減

数字で見ると、議事録処理で月11時間、提案書アウトラインで月7時間、メール文案で月7時間など、合計で月35〜38時間の削減になった。1日8時間換算で月に丸4日以上が戻った計算だ。

時間以上に大きかったのは、品質が安定したこと。疲れているときの自分でも一定水準を保てるようになった。叩き台に「違う」「ここは変える」と反応する過程で思考が整理され、提案から受注までのサイクルも2〜3週間から1〜2週間に縮まった。「これは任せられる」という選択肢が増えたことで、「自分でやらなければ」という強迫感も薄れた。

最初の1週間は、正直「使えた」という手応えと「なんか違う」という感覚が交互にきた。原因はプロンプトの粗さだった。「議事録を作ってください」より「決定事項・宿題・ネクストアクションを箇条書きで整理してください」と具体的に指示するほど、精度が上がる。意図を言語化する力そのものが、使ううちに鍛えられていった。

「エンジニア用」という思い込みは、ラベルの読み間違いに過ぎなかった。1日2時間が返ってくることは手段であって、目的は、その時間で顧客との対話やスタッフの成長、事業の将来像など「自分にしかできないこと」に向き合うことだ。「いなくなったら困るかどうか」——右腕の定義に照らせば、Claude Codeはもうその側にいる。代表が代表の仕事に集中できるのは、この右腕のおかげだ。