Claude Codeは秘書じゃない、社長の参謀だ

株式会社コミクス

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2026.08.15
column_ COMIXInc

「なんとなく良い」と感じても、なぜそう思うのか言葉にできない。株式会社コミクス代表の鈴木章裕(すずき あきひろ)さんが、言語化できなかった経営判断をClaude Codeとの対話で引き出し、「秘書」ではなく「参謀」として使うようになった経緯について綴っていただきました。

言語化できない「勘」の限界

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_言語化できない

株式会社コミクスを経営する中で、僕は自分が「なんとなく良い」と感じているものを言語化できないことに長年悩んでいた。「この顧客とは長く付き合えそうだ」「この候補者は合わない気がする」——そういう直感的な判断が、なぜそう感じるのかを説明できなかった。

経営歴が長くなると勘の精度は上がる。でも中身はブラックボックスのままだ。言語化できないまま年月が過ぎると、自分の経験知が組織に伝わらない資産のまま眠ってしまう。秘書は指示されたことを正確にこなす。参謀は、指示が生まれる前の「何を伝えたいか」「何に悩んでいるか」から対話を始めてくれる。Claude Codeが変えたのは、この暗黙知の扱い方だった。

採用面接の違和感を言葉にする

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_採用面接の違和感

2024年秋、ある採用面接の後に悩んでいた。候補者はスキルも人柄も問題ない。でも「一緒に仕事をするイメージが湧かない」という、うまく言語化できない違和感があった。以前なら「なんとなく」不採用にしていたが、採用会議で「なぜですか」と聞かれても答えられない。

Claude Codeに状況を説明してみた。「候補者は自分で答えを探す傾向があったか、指示を待つ傾向があったか」「曖昧な質問にどう返したか」——質問に答えていくうちに、断片的な記憶が判断の根拠として繋がっていった。「この候補者は指示を待つタイプに見える。うちの仕事は曖昧な状況で自分で判断する場面が多い。そこがミスマッチかもしれない」。対話がなければ言語化できなかった判断だ。

この判断は採用会議でスタッフの同意も得られ、「自律的な判断力」を評価項目に加えた。以降、入社後に「思ってたのと違った」という事例が減った。この対話をきっかけに、「コミクスで働くのに必要な姿勢」を一枚のドキュメントにまとめ、採用面接の前に読み直す習慣もできた。属人的だった判断が、少しずつ組織の基準になっていった。

同じ手法は毎年12月の経営計画書づくりにも使った。以前はコンサルタントの言葉になってしまい「社長らしくない」と言われていたが、Claude Codeが「今期、特に大切にしたいことは何ですか」「去年と何が変わりましたか」「5年後、この会社がどうなっていたらいいですか」と質問を重ねてくれることで、自分の言葉で書けるようになった。スタッフからは「今年の計画書、読みやすい。社長の言葉だ」と言われた。

暗黙知が組織の資産に変わる

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_暗黙知が組織の資産に変わる

以前は「社長の感覚」で動いていた採用基準や顧客優先度が言語化され、スタッフが「社長が何を見ているか」を理解しやすくなった。「なぜこうなったのか」という後追い確認は、月5〜6件から1〜2件に減った。顧客理解を深める対話を経て作った提案書は「的を射ている」と言われることが増え、体感の的中率は3件に1件から2件に1件近くまで上がった。

一番の変化は、社長の頭の中にあった判断基準が文書として残るようになったことだ。「社長に聞かないとわからない」という場面が減り、組織の自走力が高まった。小さな会社で社長への依存度が高いことはリスクだ。言語化された基準は、社長が会社を離れる場面でも組織が動き続けるための資産になる。

副次的だが、思考の解像度も上がった。「なんとなく」で済ませていた判断を言語化する習慣が、ものの見方を変えた。以前は「どうすればいいか」という問いを投げていたが、今は「なぜこうなっているか」を先に立てるようになった。参謀に答えを代わりに出してもらおうとすると、うまくいかない。「自分はこう考えているが、見落としている視点はないか」と問いかけるほど、対話は深くなる。道具として使えば道具にしかならないが、参謀として接すれば参謀になる。それがClaude Codeを手放せない理由だ。

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