男装くん
Tiktoker
イベント企画
シンガーソングライター
育児系エンターテイメントパフォーマー

SNSの総フォロワー数が約90万人のコスプレイヤー『男装くん』の連載コラム第11弾です。初投稿で約3,000回再生され、初めて手応えを感じた私。そこから毎日2本の投稿を続け、少しずつフォロワーが増え始めました。体調と相談しながら何度も撮り直し、動画の反応を確かめる日々。そして、かつては誰かに見てもらうことすら難しかった私は、アンチコメントさえ嬉しいと思うようになっていたのです。

初めて投稿したマイキーの動画が、約3,000回再生された。
それまで何度アカウントを作り直しても、再生数は0回や100回程度。コメントもほとんどつかず、自分の存在が誰にも届いていないような感覚でした。
そんな私にとって、3,000回という数字は、単なる再生数以上の意味がありました。
「もしかしたら、私にもできるかもしれない」
それまで何を投稿しても反応がなかっただけに、初めて感じる手応えでした。
そして、変化したのは再生数だけではありませんでした。
少しずつコメントも増え始めたのです。
そこで私は、最初に反応があったマイキーの動画をきっかけに、さらに投稿を続けることにしました。
流行りの音源や、すでにバズっている音源を使いながら、口パクをしたり、踊ってみたり。
ただ、私が意識していたのは、流行りの音源に合わせることだけではありませんでした。
あくまでも、自分が演じているのは「マイキー」というキャラクター。
キャラクターの雰囲気を壊したくありませんでした。
表情や仕草、ちょっとした動きまで意識して、納得できるまで何度も撮り直しました。
一度撮影してみては確認し、気になるところがあればまた撮り直す。
自分が納得できるものになるまで、何度も繰り返していました。
もちろん、当時はまだ入院中。
好きなときに好きなだけ撮影できるわけではありませんでした。
抗がん剤治療を受けている身だったので、常に体調が万全というわけでもありません。
それでも、体調がいいタイミングを見計らって撮影を続けました。
今思えば、病室で治療を受けながら、何度も動画を撮り直していたのだから、我ながら相当な熱量だったと思います。
それだけ、初めて感じた手応えが嬉しかったのです。

投稿を続けるにあたって、私は毎日2本の動画を投稿することにしました。
当時、ほかのコスプレイヤーさんを見ていると、毎日1本ずつ投稿している人が多かったように思います。
そんな中で、なぜ私は毎日2本投稿していたのか。
理由は単純でした。
1本目が伸びなくても、2本目が伸びればいい。
そんな感覚だったのです。
せっかく時間をかけて撮影しても、投稿した動画が伸びなければ、その日のフォロワーの増加も期待できません。
当時はまだ、どんな動画が伸びるのかも分かりませんでした。
だからこそ、できるだけ多くの動画を投稿しながら、反応を確かめていこうと考えました。
再生数だけではなく、どの動画がフォロワーにつながりやすいのか。どんな動画にコメントが集まりやすいのか。
投稿するたびに、そうした違いを意識するようになっていきました。
もちろん、最初から明確な分析方法があったわけではありません。
実際に投稿して、数字や反応を見て、次の動画に生かす。その繰り返しでした。
そして、もう一つ正直な理由があります。
それは、渾身の1本が伸びなかったときの恥ずかしさを紛らわせたかったからです(笑)。
何度も撮り直して、ようやく納得のいく動画が完成する。
「これはいけるかもしれない!」
そんな自信を持って投稿したにもかかわらず、全然伸びなかったら、なんだか自分だけが盛り上がっていたようで恥ずかしい。
そんなとき、もう1本投稿しておけば、どちらかが伸びるかもしれない。
いわば、滑り止めのような感覚でした。
今思えば、かなり単純な理由かもしれません。
でも、当時の私にとっては、投稿を続けるための工夫でもありました。
そして、毎日投稿を続けるうちに、少しずつフォロワーにも変化が現れ始めたのです。
投稿を続けるうちに、少しずつコメントがつくようになりました。
「マイキー似すぎじゃね?」
「かっこいい!」
そんな肯定的なコメントが届く一方で、否定的なコメントも目立つようになりました。
「ブス」
「似てない」
「キャラを馬鹿にするな」
割合でいえば、肯定的なものと否定的なものが半々くらいだったと思います。
普通なら、そんなコメントを見れば落ち込んでもおかしくありません。
実際、否定的な言葉を向けられて、まったく何も感じなかったわけではありませんでした。
それでも、当時の私は、アンチコメントさえ嬉しかったのです。
なぜなら、それまでの私は、アンチコメントどころか、誰からも反応をもらえなかったからです。
再生数が0回だったり、100回程度だったり。
何度投稿しても、誰にも見られていない。
そのうち、アンチコメントでもいいから何か反応が欲しいと思うようになっていました。
炎上してもいい。批判されてもいい。
とにかく、誰かに気づいてほしかった。
それほどまでに、誰からも見向きもされないという状況は、私にとって絶望的でした。
だからこそ、否定的なコメントであっても、自分の動画を見て、わざわざ言葉を残してくれたこと自体が嬉しかったのです。
そして私は、届いたコメントの一つひとつに丁寧に返信していきました。
肯定的なコメントにも、否定的なコメントにも、できるだけ向き合うようにしました。
それまで、画面の向こう側に誰かがいることすら実感できなかった私にとって、コメントは初めて視聴者の存在を感じられるものでした。
自分の投稿を見てくれる人がいる。
自分に何かを伝えてくれる人がいる。
その事実が、何よりも嬉しかったのです。
そして、少しずつではありますが、フォロワーも増え始めました。
100人、200人と、1日に約100人ずつ増えていく。
これまで何度も挫折してきた私にとって、そんな変化は想像もしていなかったことでした。
ようやく、自分の発信が誰かに届き始めた。
そう実感できるようになっていました。
ただ、この時点では、まだ大きな成功を手にしたわけではありません。
ようやく小さな手応えをつかんだばかり。
それでも、あれほど絶望していた私が、もう一度SNSに夢中になれるきっかけをつかんだ瞬間でした。
毎日2本の投稿を続け、少しずつ増えていくフォロワー。初めて手応えを感じた私は、さらに多くの人に見てもらいたいと思うようになりました。
しかし、ただ投稿を続けるだけでは、思い描いたような結果が得られるわけではありません。
ここから私は、どうすればもっと多くの人に見てもらえるのか、さらに試行錯誤を重ねていくことになります。