男装くん
Tiktoker
イベント企画
シンガーソングライター
育児系エンターテイメントパフォーマー

SNSの総フォロワー数が約85万人のコスプレイヤー『男装くん』の連載コラム第6弾です。体が思うように動かない日、私はただベッドの上でアニメを見続けていました。これまでの人生でほとんど触れてこなかった世界。けれどその物語は、想像以上に深く、強く、私の心を揺さぶりました。そしてその流れで出会ったのが、TikTokという新しい表現の場でした。

体が思うように動かない日は、
ただベッドの上でアニメを見て過ごしていました。
実は私は、生まれてからこれまで、
ほとんどアニメというものを見たことがありませんでした。
最後に見た記憶があるのは、20年以上前。
『セーラームーン』や『キューティーハニー』くらい。
それ以降、30歳を過ぎるまで、
アニメや漫画にはまったく興味がありませんでした。
有名な『ドラゴンボール』や『ワンピース』ですら、
内容をほとんど知らない状態。
どちらかと言えば、外で友達と遊んだり、
みんなで集まってワイワイする方が好きな、
いわゆる“陽キャ”タイプの人間でした。
そんな私が、入院して初めて気づきます。
「日本が誇るこの文化に、
私は一度も触れてこなかったんだ」
今さらながら、少し後悔しました。

そこから、いろんな作品を見始めました。
『鬼滅の刃』
『約束のネバーランド』
『進撃の巨人』
『呪術廻戦』
見れば見るほど、止まらなくなっていきました。
「え、こんなに面白いの?」
「こんなに深いの?」
気づけば、
涙を流している自分がいました。
キャラクターの生き方や選択に、
心を揺さぶられる。
絶望の中でも前に進もうとする姿に、
自分を重ねる。
「私、今まで何を見て生きてきたんだろう」
そう思うほど、
アニメは私の感情を大きく動かしました。
それはただの娯楽ではなく、
心を支えてくれる“物語”でした。

そしてその流れで、
私はTikTokを見るようになりました。
当時のTikTokは、
踊る動画が多い印象でしたが、
よく見ていくと、
そこにはまったく別の世界が広がっていました。
短い動画の中で、
世界観を作り、
自分を表現し、
誰かの心を動かしている人たち。
一人ひとりが、
クリエイターでした。
「え、これ個人でやってるの?」
「すご…」
気づけば私は、
その世界にどっぷりハマっていました。
毎日、毎日、
ひたすら動画を見続ける。
スクロールする指が止まらない。
そして――
その中で私は、
ある存在に強く惹かれていきます。
それが、
“コスプレイヤー”でした。