バチェラーにも出演したフードコーディネーター柏原歩さんが『廃棄野菜ジェラート』をはじめた理由

柏原 歩

柏原 歩

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_WASTE様_空とWASTE

ABCクッキングの講師、フードコーディネーターなど食を通じた仕事をしながらも、アイドルとして活動したり、バチェラーシーズン1にも出演経験もある、HappyLifeフードコーディネーターの柏原歩さん。夢であったカフェをオープンした後、昔から疑問に思っていた廃棄野菜をなんとかしたいと、広告のクリエイティブディレクターであるナガヤマシゲキさんを誘い、WASTEを立ち上げます。本コラムでは、廃棄野菜についての熱い思いをWASTEの柏原さんに語っていただきました。

「廃棄野菜をなんとかしたい」という思いで立ち上げたWASTE

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_WASTE様_廃棄野菜

私たち『WASTE』は、廃棄野菜の有効利用を世の中に発信する活動をしています。具体的には廃棄野菜を使用したジェラートを販売をしています。WASTEは英語で「無駄」という意味で、「無駄を食べる」というキャッチコピーからナガヤマがつけた名前です。

「無駄にするな、無駄を食べろ!」
「Don’t WASTE , Eat WASTE !」

そこからWASTEとなりました。世界でも同様の問題は抱えているはずなので、世界的にも発信していきたいという思いを込めて、WASTEと英語表記にしました。

廃棄野菜については、柏原が小学生の頃から疑問に思っていたことなんです。長野県出身で食卓では曲がったきゅうりや形のいびつなトマトが普通に出されていました。味は一緒なのにスーパーで売っていないのはなぜだろうと疑問に感じていたんです。

市場に出せない理由があるということを大人になってから知り、その廃棄野菜をなんとかしたいという思いが強くなりました。ナガヤマにその思いを話したら共感してくれて、WASTEという形になりました。

ナガヤマは広告やブランディングの仕事をしていたので、課題を解決するためのアイデアとして、廃棄野菜をジェラートにすることを思いつきました。そうすることで賞味期限を延ばせますし、ただ単に野菜を売るよりも商品価値があがると思ったんです。アップサイクルのようなイメージに柏原も賛同して一緒にやることになりました。

柏原は発想の人間なので、あれやろうこれやろうとアイデアを出し、ナガヤマがすべてクリエイティブに昇華させます。お互いが良きパートナーとして、役割分担して任せるところは100%任せるような関係でいます。

アイドル活動とバチェラー出演を経て、『uki-uki cafe』をオープン

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_WASTE様_女の子とアイス

柏原は当時、名古屋のABCクッキングで料理教室の講師として働いていました。いつかは独立したいという思いがあり、ABCクッキングが募集していたアイドルグループに応募したことをきっかけに東京へ進出。

このアイドルグループのコンセプトは、グループの中にABCの先生が入って料理を教えるというものでした。歌やダンスができなくても「愛嬌があれば大丈夫」となり、オーディションにも受かってアイドル活動をスタートしました。

アイドル活動をするのは1年間だけと最初から決めていて、活動中にコネクションをつくることが目的でした。そんな時に、初代バチェラー・久保裕丈さんが出ていたバチェラージャパンシーズン1の募集がありました。せっかくのチャンスだと思い応募してみたら受かったので、番組に参加することになりました。

バチェラーが終わってからは、ずっと夢だったカフェを開きたいと思い、『uki-uki cafe(ウキウキカフェ)』をオープンさせました。instagramなどを使って女性へ発信するのが得意なので、同世代の子たちにハッピーやウキウキを届けるというのがコンセプトです。フードコーディネーターとしての経験からレシピも自分で考案していました。

4年ほど運営していましたが、コロナの影響もあってお店は一旦は閉めることに。ひと段落ついたので「廃棄野菜を何とかしたい」と、もうひとつの夢を叶えるためにWASTEをスタートさせました。

WASTEを通じて廃棄野菜や食について考えてもらいたい

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_WASTE様_WASTEのアイス

立ち上げたばかりのときは、思いだけがあって明確なゴールがなく、ゆったりと活動していました。2022年1月にワクセル総合プロデューサーの住谷さんに出会い、4月にイベントがあることを聞き、そこに出店するんだという使命感にかられたんです。

すぐに行動しなければと、翌週には2人で工場見学に行っていましたね。なんとか間に合わせるために、自分たちが持っているコネクションを総動員して、工場を調べたりしながら同時進行で走り回っていました。

それが1月の話だったんですが、どこに行っても4月に間に合わせるのは厳しいと言われました。だけど、間に合わなかったらこの取り組みが一気にスピードダウンしてしまうと感じていたので、やるしかありません。工場を決め、デザインを決め、野菜をもらうところも含め色々と大変でしたが、なんとか間に合わせることができました。

実際にジェラートを製造してみてわかったのですが、主役はもちろん廃棄野菜です。だけど、使いたい廃棄野菜が世に出るタイミングが合わないことも多々あります。4月のイベントに出店するときも、廃棄野菜を探すのは大変なことでした。自分たちのコネクションを使って、色々な農家さんに連絡をしてなんとか形にできました。

思いだけで立ち上げたものの活動を続けるなかで、私たちがどんなにがんばっても「廃棄野菜はこの世からなくなることはないだろう」と感じていました。だからこそ、私たちが解決するのではなくて、それを食べた人たちに考えてもらいたいと思っています。

「このアイスかわいいね、おいしいね」というところから入って、「実はこの野菜は廃棄野菜でつくっているんだって」という会話が広がっていくようになるのが理想ですね。

今はアイスやジェラートをつくっていますが、それだけにこだわらず、廃棄野菜を活用した加工品や、スープなどにしても面白いかと思っています。アイディア次第で可能性が広がっていくので、農家さんもハッピーになるし、社会貢献にもなると思って、これからも活動を続けていきます。

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