なぜ今、大人の性教育が必要なのか?

もはや社会課題とも言われるセックスレスや、パートナーシップのすれ違い。そんな現代人の悩みに向き合っているのが、『大人の性教室』を主宰する藤井美和子(ふじい みわこ)さんです。性の知識を通して、自己肯定感や健康寿命、男女のコミュニケーション改善を伝える活動を続けています。活動を始めた経緯や、今感じている社会課題、そして今後の展望について伺いました。
すべての性の悩みは、男女の“知らなさ”から生まれている

藤井さんは、横浜でピラティスサロンを運営しながら、女性の健康寿命をサポートする活動をされています、現在では「フェムケア」という言葉も広がっていますが、まだ一般的ではなかった7年ほど前からその必要性に着目。5年前からは、膣ケアの必要性やセルフケア方法を伝える講座も行っています。
活動を続ける中で、多くの女性たちから寄せられたのが、「セックスレス」「性交痛」「オーガズムを感じられない」といった悩みでした。
お話を聞いていくなかで、多くの女性が“性は我慢するもの”、“相手に合わせるもの”と思い込んでいることに気づいたそう。本来、性は心や身体、パートナーシップにも深く関わる大切なコミュニケーションのひとつ。でも、日本では学ぶ機会がほとんどありません。
さらに藤井さんは、問題の根本には“男女双方がお互いの身体や価値観を知らないこと”があると感じたと言います。
「女性側も、自分の身体について知らない方がとても多いんです。そして男性も、“どうしたら女性を喜ばせられるのか”を一生懸命考えている。決してどちらかが悪いわけではなく、知らないことで、すれ違いが起きてしまっているんですよね」
そうした経験から、“男女がお互いを知る場所”として『大人の性教室』をスタートしました。
『大人の性教室』は、性を通して“人間関係”を学ぶ場所

『大人の性教室』では、男女の身体の違いや考え方の違いを学ぶだけでなく、参加者同士の対話やワークも取り入れています。
「性の悩みって、本当はコミュニケーションの悩みなんです。だからこそ、自分の価値観を押し付けるのではなく、相手を理解しようとすることが大切だと思っています」
と語る藤井さん。
一方で、日本では性の話題そのものがタブー視されやすく、真面目に発信していても誤解されることも少なくないと言います。
本来、性は恥ずかしいものではなく、人生や健康、自己肯定感にも深く関わる大切なテーマ。だからこそ、もっと安心して話せる場を増やしたいと思っています。
性を学ぶことは、人生後半の幸福度にもつながる

『大人の性教室』の参加者は40〜50代が中心ですが、近年は20〜30代の参加も増えています。参加者の方々からは、「もっと早く知りたかった」「学校で教えるべき内容だと思った」「パートナーとの関係性が変わった」といった声も多く届いています。
藤井さんは、
「私は“とにかくセックスをした方が良い”と言いたいわけではない」と話します。
「性に悩み、傷つき、自信を失っている人を減らしたいんです。性の知識は、健康寿命や自己肯定感、パートナーシップにも大きく関わっています。人生後半を、心も身体も満たされた状態で生きるために必要な学びのひとつだと思っています」
自身も幼少期に性被害を経験し、長年“性とは何か”を探求し続けてきた藤井さん。現在は結婚30年を迎え、夫婦関係についても学び続けていると言います。
「性に“正解”はありません。大切なのは、お互いを尊重し、安心して本音を話せること。私はこれからも、“知らないことで苦しむ人”を減らしたいと思っています」
現在、藤井さんはSNS発信や講座活動に加え、社会貢献する女性を発掘するコンテスト、「Beauty japan bay 2026」のファイナリストとしてチャレンジ中。性をタブー視せず、心と身体の健康について自然に語り合える社会を目指し、活動を続けています。