喜ぶ姿がすべての原点。1億円の裏切りも、5億円の撤退も乗り越えてきた経営哲学

株式会社コミクス

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Column_AkihiroSuzuki

広告代理業やインターネット業界における複数の企業運営、役員、事業立ち上げを経て、現在は「ご縁を繋ぐことで企業の成長に貢献する」を掲げ、組織やプロジェクトの経営、若手起業家のサポートなど幅広く手掛ける株式会社コミクス代表の鈴木章裕(すずき あきひろ)さんにお話を伺いました。

原点は商店街の人助けと目の前のことに夢中になること

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_鈴木章裕_喜ばれることが原点

私の原点は、大阪の商店街にある紳士服店の息子として育った子供の頃にあります。小学生のときにはホルモン屋のおばちゃんから店番を頼まれ、中学生の頃には酒屋の配達を手伝うなど、日常的に地域の人々とお手伝いを通じて関わっていました。そうして何かをしてあげたときに、「ありがとなー」と喜ばれることがシンプルに嬉しかったのです。人が喜んでくれる姿を見ると自分も幸せな気持ちになる、その感覚が今でも自分の原体験として胸にあります。

社会人としてのキャリアは、前職の広告代理店の社長と大喧嘩して辞めたところから始まりました。半年ほど無職のような生活を送っていた頃、後輩がやっていたレポート作成を手伝う中で、インターネットの可能性に目覚め、ネット業界の求人を見つけてアイブリッジ株式会社に入社しました。最初から大きな野望を抱いていたわけではなく、なんか一生懸命目の前のことに向き合ってたら社長になっていましたというのが正直なところです。入社後は7年で売上30億、営業利益2億4000万、社員数120名規模へと急成長させましたが、その日々はゲームをしているような感覚で毎日夢中になって仕事をしていました。

億単位の痛手を乗り越えて得た事業の本質と学び

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_鈴木章裕_事業の本質

もちろん、順風満帆だったわけではなく、これまでに何度も大きな壁に直面しました。4期目には当時の常務と部長から約1億円を持ち逃げされ、上位5社中4社のクライアントを失うという最大の試練に直面しました。妻や幼い子供たちと川の字で寝ながら涙を流した夜もありましたが、「絶対負けんどこう」と奮起し、残された部下たちが一丸となって頑張ってくれたおかげで、3年で2億を取り返すことができました。

また、ビジネスの現場ではプロとして 「支払った思いに対してちゃんと対価を返さないとダメだよね」 という価値の返還を常に意識してきました。新しい挑戦として約2億5000万を投じた広告配信エンジンの事業では、不正クリックの問題に直面して8カ月で巨額を溶かし撤退を余儀なくされましたが、大量のクリエイティブ処理を支える技術基盤を自ら構築した経験が、のちのAIや大規模LLMの裏側の理解へと繋がっていきました。さらに直近でも、共創メディアというプラットフォームに約5億を投じてきましたが、AIの台頭による時代の変化を見据えて撤退を決断しました。大きな痛手を伴う失敗や撤退であっても、そこから最新の技術や市場の真理を学び取り、次の糧にすることがビジネスパーソンや経営者には求められます。

起業やビジネスで大切な4つの軸とタイミングの見極め

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_鈴木章裕_4つの視点

これから新しい事業や起業に挑戦する人たちによく伝えているのが、「自分が大好きなこと」「市場のニーズがあること」「儲かること」「社会性があること」という4つの円が重なる領域を見つけることです。自分が大好きなことだからこそ、たとえうまくいかなくても「冷飯が食える」という覚悟を持って続けられます。そして、儲かることやニーズを満たすだけでなく、社会的に素晴らしいこと、つまり社会性を持っていなければ長く生き残ることはできません。

事業を立ち上げる上では、タイミングの見極めも極めて重要です。世の中に必要とされていても、一歩も二歩も早すぎるサービスを展開してしまうと、かつての私が早い段階で挑んだマーケティングツールのようにお金だけが溶けてしまい、時代に受け入れられません。逆に遅すぎてもダメで、世の中の不合理や不条理を俯瞰して見つめ、「こういうことができたら助かる人がたくさんいる」という半歩先のサービスを捉えていくことが、挑戦を成功させる大きな秘訣となります。

10年先を鮮明に描き逆算して生きる挑戦の哲学

見出し4画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_鈴木章裕_10年後からの逆算

私は今57歳で、60歳になったときの自分の姿を具体的にイメージしています。ただ、それを語ってしまうと安っぽくなってしまう気がして、あえて詳細は言わないようにしています。私が大切にしているのは、常に10年先を見据えて逆算するという思考法です。10年先はこうで、そこから5年後はこう、3年後はこう、1年後はこう、半年後はこう、そして今はこう、という具合に逆算していく。10年先のイメージが強く、その中身が写真のように鮮明であればあるほど、実際の人生もそのイメージに近づいていくものだと思っています。だからこそ、これからも自分の描く未来をより濃く、より鮮明にし続けていきたいと考えています。

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