川合 彰
代表取締役社長

音楽家が安定収益を得られるビジネスモデルを構築し、『音楽家向けビジネス講座』を提供する株式会社音楽ビジネスアカデミー代表取締役社長・川合彰(かわいあきら)さん。音楽家×ビジネスの事業にたどり着いた経緯や実績、今後の展望などを伺いました。

音楽家に音楽ビジネスを教えるという事業を行っています。私はプロのジャズピアニストであると同時にMBA(経営学修士)を取得しており、さまざまなビジネスモデルを研究する中で音楽家用のビジネスモデルを作り上げました。音楽家はプロとして活動するだけでは生活していくのが厳しいという現状があります。結局やりたい音楽が自由にできないんですよ。腕が良くても稼げないと音楽の道を諦めていく人もたくさんいて、非常にもったいないことです。
私のビジネスモデルで音楽活動をしていくと月収50万円ほど稼げるようになるので、お金の心配をせずに好きな音楽に全力で取り組めるようになります。
小さい頃に親からピアノを習わされたのが私の音楽人生の始まりです。いやいやで習い始めたので、2年ほどで辞めてしまいました。ただ、ピアノを弾くのは好きだったので家でピアノは弾いていたんです。中学・高校とブラスバンド部に所属しながら、バンド活動をしており、大学ではジャズ研に所属してジャズピアノを始めることになります。理系の大学だったのですが、ジャズピアノにハマってピアノ漬けの生活になってプロを目指していました。
いざ大学卒業となったときにプロのジャズピアニストになることを両親に大反対され、製薬会社に就職します。40歳のときに、会社からの指令でMBAを取得するように言われました。MBAを取得するとニューヨークにある本社へ転勤に。ニューヨークのマンハッタンはジャズのメッカです。日本では絶対に観られないような凄腕のミュージシャンがリーズナブルなチャージでコンサートをやっています。本物のジャズコンサートを観て心底感動しながら、大学時代にジャズピアニストになりたかったことを思い出しました。
製薬会社のニューヨーク本社に栄転できたのですが、自分が本当にやりたいことはこの仕事ではないということが確信に変わったんです。ただ、仕事を急に辞めてジャズピアニストになるわけにもいかないなと考えていたら、音楽家でMBAを取得している私にしか音楽家向けのビジネスモデルを作ることができないのではないかという使命感に駆られました。私がいた製薬会社は副業が禁止だったので、こっそり音楽家用のビジネスモデルを作ることになります。時間はかかりましたが、私自身が50万円ほど稼げるようになったので、長年勤めた製薬会社を辞めて独立し、音楽ビジネスの会社を立ち上げました。

音楽教室を運営している方だとレッスン料が安いので1日に10レッスンくらい入れないとお金にならなかったり、お子様や初心者向けのレッスンだと高い技術を持っていても必要がなかったりして、やりがいが持てなくなってしまうんですよ。好きだった音楽が辛い仕事になってしまうという厳しい状況を目の当たりにして、この現状を打破するためのビジネスモデルを構築しました。
私の生徒さんの例ですと、自宅でピアノ教室をやっていましたが少子化や習い事の多様化によってなかなか生徒さんが集まらないので辞めようと思っていた方がいます。私のところで学んで実践したところ月収68万円ほどに収入が上がりました。
また別の生徒さんは音楽大学時代にクラリネット奏者として精力的に活動していた方です。大学卒業後にプロのクラリネット奏者だと生活が難しいということで一般企業に就職されました。その一方でクラリネットが忘れられず副業でクラリネットを教えたり、演奏会を開催したりしていたんです。副業で生徒さんも演奏会に来てくれる人も集まらないので辞めようとしていたのですが、私のところに来て初月で37万円の売り上げを作ることができて、会社員のお給料をいきなり抜いてしまう実績となりました。現在は会社を辞めてクラリネットにまつわる仕事だけで独立しています。楽しそうに大好きなクラリネットで生計を立てている姿を見るのはとても嬉しいですね。その方が私のところに相談に来た時はまさに死んだ魚のような目をしていましたし、翌日にクラリネットを売る段取りをしていたそうです。「そのときに楽器を売らなくて良かった。もし売っていたらこんなに楽しい音楽人生はなかった」と目を輝かせながら話してくれたことが印象的でした。

私の仕事のモットーは音楽で人生を創りたい人が心配なく思いっきり音楽活動ができるように支援することです。その方の音楽を聴いた方がまた幸せな気持ちになるという良い循環を生み出していけたら理想的ですね。音楽は性別も年齢も国境も関係なく人を結び付けることができます。音楽でつながる世界を作っていきたいと思います。
一会社員から独立して自分が創る側になって、自分という人間がやりたいことをどこまでできるのか『自分試し』をしている感覚で仕事をしています。会社員だとやりがいはありますが、やりたいことが制限されて、やりたくないこともやらなくてはいけません。やりたいことはたくさんあるのに我慢していた状態から自由に好きなだけできる今は本当に幸せです。時代の流れや技術の進歩に寄り添いながら新しいことにチャレンジしていきたいですね。チャレンジしないとおもしろくないですし、衰退してしまうと思っています。『成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと』。失敗から学びながら新しいことにトライする中で成長し続けていきたいです。