“遺伝子検査”で栄養面をサポート。27歳ママ社長が支えるアスリートの未来

中村 亜利沙

中村 亜利沙

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アスリート専門の栄養サポートをする会社を経営している中村亜利沙さん。最先端技術の遺伝子検査を用いたオーダーメイドの栄養サポートで、JリーガーやWEリーガー、プロ野球選手など、数多くのアスリートからの信頼を得ています。「ワールドカップやオリンピックなど日本を代表する選手を輩出したい」と語る中村さんに、これまでの経緯や今後のビジョンを伺いました。

挫折を味わった学生時代

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私は現在アスリートフードマイスターとして、遺伝子検査を用いた栄養サポートの事業を行っています。自分自身の経験としては元々、学生時代にダンサーをやっていました。

海外にダンスと語学留学を兼ねて行く予定でしたが、前十字じん帯を損傷してしまい留学は断念。リハビリも順調に終えてけがの具合が回復してきたところで、またダンスをやろうと考えていました。しかし、周りの人が活躍している姿をみて、自分もそこまで行けるのかと不安や焦りを抱くようになり、前みたいに情熱をもってダンスをすることができなくなったんです。

違うことをして気持ちを切り替えようとしましたが、その頃はダンス以外にやりたいことがありませんでした。ちょうど大学を卒業するタイミングで、周りはどんどん就職しましたが、私は一般企業に就職したいと思えなかったんです。そこから自分のペースでやりたいことを見つけていこうと、行動を起こしました。

まずは芸能事務所に所属。そこではダンス・ボーカルユニットとして活動したり、モデルをしたり、恋愛リアリティ番組に出演したり、幅広くやらせていただきました。芸能活動をするなかでやりたいことを見つけようと思っていましたが、一方で、芸能界でやっていくのは難しいと感じていました。

WEリーガーの選手もサポート

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私はサッカーが好きで、いろんなチームの選手を応援しています。いわゆる個サポ(選手単体のサポーター)というやつです。頑張っている選手の姿を見ると、自分も頑張ろうと思わせてくれます。そんな選手たちのけがやコンディションが悪いときのサポートができたらと思い、スポーツに携わる仕事をしたいと考えるようになりました。

トレーナーという道も考えましたが、食事や栄養面のサポートがやりたいと思っていました。食事は一生するものですし、食べたもので体はつくられるので、とても大事なことです。そこで得た知識は自分の生活にも活かせると思い、アスリートフードマイスターの資格を取りました。

その当時は社会経験がまったくなかったので、保険会社に就職してお金の勉強もしました。無事に資格が取れたので、そのタイミングで保険会社を退職。やりたかった栄養関係のことに専念することを決めました。

資格と言っても国家資格ではなく民間のものですし、最初は実績もないところからのスタート。周りの方の協力でアスリートを紹介してもらい、つなげてもらっていました。取り組んでいくなかで、自分のやり方や方向性が定まってきたので、1年前に会社として登記をしました。

この会社では遺伝子検査を取り入れて、遺伝子分析を用いたアスリートのサポートをしています。人間ひとりひとり体のつくりは違いますが、遺伝子検査をすることでその人の体質が分かります。骨やじん帯、関節の損傷のリスクから、太りやすい、ストレスを感じやすい、睡眠の質など、さまざまなことが調べられます。

最初に生活環境(一人暮らし、寮生活、家庭を持っているなど)や、競技の内容(持久力/瞬発力を使うかなど)など全部お聞きして、遺伝子検査のデータと合体させます。その人の目的・目標を確認したうえで、食事を摂るタイミング、食事内容などアドバイスをします。

遺伝子検査を受けたいという方はどちらかというと大学生に多く見られます。大学生で部活に入っている子たちはみんなプロを目指しているので、今後のことを考えて学生のときから体づくりをしていきたいという方が大半です。

大学生以外では、プロのアスリートの栄養サポートをすることもあります。J1、J2に所属している選手やWEリーガー、最近ではプロ野球選手も担当させていただいています。

ワールドカップやオリンピック選手を輩出したい

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この仕事はとてもやりがいがあります。サポートさせてもらっている選手から、「食生活を変えて良くなった」「最近コンディションが良い」「毎試合スタメンに入っている」とか、嬉しい報告をたくさんいただきます。そういうお話を聞くとやりがいを感じますし、活力になります。

私には子供がいるので、限られた時間のなかで自分のやるべきことをやっています。朝5時に起きて走って、朝ごはんと子供のお弁当をつくるといった、毎日のルーティーンがあります。昼間は子供を保育園に預けているので、自分のことはその時間に集中してやっていますね。

ルーティーンが崩れるとモチベーションが下がってしまうので、決めた時間にやるべきことをやることで、モチベーションを維持しています。時間がないというのは言い訳にしたくありません。できることを同じ時間に詰めて要領よくこなすようにしています。

子供にスポーツをやらせている家庭もたくさんあると思います。プロになりたいと思っている子や、プロを目指しているジュニアアスリートがいる家庭のサポートとして、今後はセミナーもやっていきたいと考えています。将来はワールドカップやオリンピックなど日本を代表する選手を輩出したいですね。

日本のスポーツ界で、栄養のことはまだまだ浸透していないと感じています。スポーツに限らず、食事や体の内側からのケアをもっと広めて、食の大切さを伝えたいです。今は遺伝子検査を取り入れて、アスリートを対象にサポートを行っていますが、アスリートの方から聞く話を参考にしながら、今後は食品開発にも関わっていきたいと考えています。