起業でうまくいく人の考え方②

永松 茂久

永松 茂久

2022.04.23

本コラムは『人は話し方が9割』『喜ばれる人になりなさい』の著者・永松茂久さんによる連載となります。ビジネススタイルの変化や副業解禁により、起業のチャンスが増えています。『起業でうまくいく人の考え方』というテーマで2回にわたり公開する本コラム。後編となる今回は3つの「A」についてお話しいただきます。すでに起業している方はもちろん、これから起業を考えている方にとって未来を切り拓くヒントになれば幸いです。

起業でうまくいく人が大切にしている3つの「A」

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これまで、コンサルティングの仕事を通して、起業を志す人、新人経営者に伝えてきた、起業で大切な3つの「A」があります。

まず1つ目の「A」。それは、自分の「頭」で考えるということ。

2つ目が自分の「足」を使って学ぶということ。

そして3つ目が、自分の「汗」をかくことをいとわないということです。

「頭」「足」「汗」。この3つを覚えておくと、大変な起業期を乗り越えていくことができるようになります。

自分の頭で考える

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ひとつずつ説明していきます。まずは「自分の頭で考える」ということについて。

私の目から見て、今の20代、30代は本当に優秀です。可能性に溢れています。しかし、いくつか心配になることがあります。それは大きく分けて3つあります。

ひとつめが情報が多すぎるが故に、選択が難しくなっているということ。

ふたつめが、必要以上にまわりの目を気にし過ぎて、どこかで「いい子でいよう」「無難に生きよう」としてしまっていること。

そして3つ目が「失敗したらどうしよう」とチャレンジに対して用心深くなり過ぎてしまっているということです。

この3つを抱えたまま生きてしまうと、どうしても周りの意見ばかりを参考にするようになってしまいます。

しかし、大起業時代に大切なことは、「自分の頭で考える」という、これまでとまったく逆のスタイルなのです。

もっともっと尖っていいのです。

周りの人との協調はいったん脇に置いて、「自分はこう思う」「自分はこうしたい」ともっと自分を表現していいのです。

自分の足を使って学ぶ

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野生の王国をたくましく生き抜くためには武器が必要になります。起業に例えて言えば、それは「知識」であり、本当の意味での「情報」です。

その取得方法はたったひとつ。自分で探し、獲得するということです。これは他の誰かが丁寧に用意してくれるものではありません。

具体的にはどうすればいいのか?それは

「いいメンターを探す」「本から情報を取得する」「成功者の話を聞く」

などの方法があります。

正直、起業経験者として、いまの起業家をうらやましく思うことがあります。それは「その気になれば、必要な武器がすぐ手に入る」ということです。

私が起業した20年前は、いまのようにITを使ったテクノロジー、ブログやSNSなどはありませんでした。成功者がいまのように、YouTubeやSNSで自分のノウハウを発信したり、メッセージできたりなどは、まさに夢の世界でした。どんなに忙しくて予定が合わなくても、講演がオンラインで視聴できたり、アーカイブに残って何度も見れるなど、世の中は情報の取得にとても優しくなっています。その気になりさえすれば、そのチャンスは無限にあります。

しかしだからこそ起こり得るマイナス点。それは

「その恵まれた状況が当たり前になりすぎて、ありがたみを忘れてしまう人が増えている

ということです。なくても不便ですが、ありすぎてもまた違った意味での見落としが増えてしまうのです。ということは、行動する人にはチャンスがたくさん転がり込んでくることになるのです。

オンライン時代と呼ばれます。確かにそれは便利ではありますが、実際に足を運んでリアルで学ぶことには勝てません。多くの人が便利さに甘んじてしまいがちになるこんなときこそ、私は自分の足を運んで学ぶ人が大きなチャンスを手に入れると声を大にしてお伝えします。

自分の汗をかくことをいとわない

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「楽して成功」「誰にでも簡単にできる」。こうした広告が世の中に飛び交っています。その数は日に日に増え、同時にいろんな誘いに乗り、起業にとってとても大切なお金を無くしてしまう人も増えています。

これまでたくさんの経験をしてきた中で、

「自分の汗をかかずに成功した人などいない」

と断言します。

もちろんうまくいっている人を見て、「あの人を見ていると簡単に成功できそうだ」と錯覚してしまうこともあるかもしれません。しかし、その人たちはみな、自分で行動し、汗をかいてきた中から、自分自身の成功スタイルやうまくいく考え方を発見し、確立したが故にいまの位置にたどりついているのです。

そもそも楽して成功できる方法がそんなにたくさんあるのなら、もうとっくに成功するための本や広告はなくなっているはずです。

起業を助けてくれる人はいます。しかし、それはあくまで「その本人が自分の力を出し切っている」という条件がつきます。

自分の汗をかくことを嫌がっている人にいつまでも力を貸してくれるほど、成功者は優しくはありません。いくら助けたいと思っても、あくまで自力を出している上にしか、他力をのせることはできないのです。

営業を軸とした起業であれば、まずはがむしゃらに自分の商品をたくさんの人に伝えるために流す汗。

ショップ販売を軸とした起業であれば、「どんなレイアウトがお客様にとって見やすいのか、どんなポップならお客様が商品の良さを理解できるのか」と何度もレイアウト変更をするために流す汗。

飲食店を始めるのであれば、まずは徹底的にお客様の喜ぶ味をつくるために流す汗。

その流した汗と成功者の応援の数は必ず比例します。成功者は常に「自分の力で未来を切り拓こうとしている次世代」を探しているのです。

今回は起業家にとって3つの大切な「A」についてお伝えしました。ここからも少しでもあなたが未来を切り拓くためのお役立ちができるよう、私自身も「頭」「足」「汗」をかき続けていきたいと思います。

最後になりますが、この機会をくださった嶋村社長、およびスタッフの皆様に心から感謝いたします。ではまた次回!