できない理由を捨てて本音で生きる――知識ゼロの主婦が情熱だけで巻き起こした奇跡

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「全員が代表」というフラットな共同体を掲げ、人生そのものをワークショップとして体験の場を創出する合同会社マンモスピーポーさん。今回は語り手の可絵さんに、専業主婦から未経験で挑んだ大規模コンサートの裏側や、内観を通じて仲間と可能性を切り拓く現在、そして一切の我慢を手放し喜びを循環させる未来への展望についてお話を伺いました。

専業主婦の枠を飛び越えた無謀な挑戦

見出し1画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_合同会社マンモスピーポー_無謀な挑戦

以前の私は、どこにでもいる専業主婦でした。当時の私は「平日の昼間しか自由になる時間はない」「失敗したら困る」という強い思い込みと制限の中で過ごし、何をするにも恐怖心が先立つ、いわば意気地なしだったのです。

そんな私が、習っていたプロのゴスペルアーティストを呼び、地元・宝塚でコンサートを主催しようと思い立ったきっかけは、ある友人の一言でした。ゴスペルを習っているだけの私に、「可絵ちゃんもここにゴスペル歌手を呼んで、コンサートしたらいいやん!」と、ふと軽く背中を押してくれたのです。

宝塚は専業主婦が多く暮らす街ですが、本格的な音楽公演の多くは土日や夜に開催され、主婦が足を運ぶにはハードルがあります。「平日の昼間に本格的なゴスペルを届けたら、同じ境遇の人たちが絶対に喜んでくれるはず」。そう信じて動き出そうとした私に、周囲からは「平日の昼間の宝塚で集客できるわけがない」「絶対に失敗する」と猛反対の声が上がりました。

それでも私には、満席の会場でみんなが感謝と感動の涙を流して抱き合っている光景が、はっきりと見えていたのです。

「絶対に実現する」という確信だけを胸に、当時79歳だった私の母、そして同じく主婦から一歩を踏み出そうとしていた仲間の「美和ちゃん」に声をかけ、知識ゼロからの挑戦をスタートさせました。

知識ゼロの熱意がプロを動かした瞬間

見出し2画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_合同会社マンモスピーポー_熱意がプロを動かした

いざ動き出したものの、私たちはイベント制作に関しては完全なド素人でした。当初は20人ほどが集まってくれたのですが、打ち合わせで「マイクは何本必要?」「ブタカン(舞台監督)さんは誰?」と聞かれても、「マイクって普通何本なんですか?」「ブタカンって何ですか?」と聞き返す始末。呆れた仲間たちは次々と去っていき、最終的には私とみわちゃん、そして母の3人だけが残されました。

そんな中、最初に「コンサートしたらいいやん!」と提案してくれた友人が、周りの人が離れていく姿を見て、自分の言葉にも責任を感じて「私にもできることをするわ!」と、主催者ではないにもかかわらず最後まで一緒に奔走してくれたのです。

目標は、380席の会場を昼夜2回満席にすること、そしてプロのバックで歌う100名の市民クワイアを集めること。 私たちは思いつくまま車を走らせては、「この病院の名前、よく見るから行ってみる?」という感覚で、休診時間に「ピンポーン」と飛び込み営業を重ねました。会う人会う人に「あそこに行ったらいいんじゃない?」「あの人に会ってみたら?」と教えていただいたら、「じゃあ、行ってみよう!」とその足で会いに行く。そんなふうに毎日動き回っていました。

すると、周囲の方々からも「協力したい!」「お金だけじゃなく、ほかにも協力したいわ!」「市のあの窓口に行ってみて!」と、温かいアドバイスや応援が次々と寄せられるようになったのです。人に会うたびにご縁がつながり、そこからまた次の出会いへと広がっていく。気がつけば、誰が主催で誰がお客様なのか、いい意味でわからなくなるくらい、関わる全員が一緒になって動いてくださっていました。

さらに、私たちの無謀とも言える愚直な熱量を見て、各分野のプロフェッショナルたちも立ち上がってくれました。 「あんたら気持ちだけは強いけど、もう見てられへん!貸して、やったるわ!」 そう言って、舞台制作の玄人や幼児教育の専門家、老人会のトップなど、一流の方々が自発的にサポートに入ってくださったのです。

迎えた当日。客席は380席から412席へと増席され、昼夜2公演とも満席になりました。

ステージに乗れる定員いっぱいの100名が集まったクワイアには、公募で集まった市民の方々だけでなく、東京でゴスペルを習っていた頃の先輩たち、そして準備の途中で一度は離れていった友人たちも駆けつけ、全員がひとつの歌声を響かせてくれました。終演後、「有言実行ってこういうことなんだね!見せてくれてありがとう」と、みんなが自分のことのように涙を流して喜んでくれた光景は、今でも忘れられません。

振り返ると、本当にたくさんの方々の愛と温かい協力に支えられて実現した奇跡でした。その熱気は街全体を包み込み、途絶えかけていた宝塚の温泉の泉質が蘇るという波及効果まで生み出したのです。

恐れに向き合い弱虫を捨てる仲間との歩み

見出し3画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_合同会社マンモスピーポー_仲間との歩み

この原体験を通じて、私は大切な真実に気づきました。

「できない理由」を並べて立ち止まる必要はどこにもありません。「怖い」と感じたときこそ逃げるのではなく、それは本当に怖いことなのかを確かめるために一歩踏み込んでみる。行動してみることで、恐れの正体のほとんどが単なる自分の思い込みに過ぎないと分かります。

現在、合同会社マンモスピーポーとして活動する中でも、私たちは互いに「弱虫を捨てる」パートナーシップを貫いています。お互いの弱点を補い合い、強みを発揮し合うフラットな関係性です。メンバーそれぞれが「自分にとっては当たり前」と思っていることの中にこそ、他者から見れば輝く宝(才能)が眠っています。その宝を発掘し合いながら、できることを一つひとつ増やしてきました。

そして何より、私たちの活動の根底には「徹底した内観」があります。

目の前に悪い人や悪い環境が存在するのではなく、すべては自分自身の内面が一瞬で作り出している現象に過ぎません。何かが起きたときは外側を責めるのではなく、「この現実を作り出している自分の意識は何だろう」と内観を共有する。重い執着を手放してパッと軽い意識に切り替わった瞬間、目の前の扉が開き、想像を超える嬉しい出来事が次々と連鎖していくのです。

この確信を胸に、私たちはインドのマニプールにも足を運びました。カースト制度という根強い固定観念が残る地でも、出会った現地の若者とともに、固定的なヒエラルキーを超えて一人ひとりの才能が輝く可能性を肌で実感しています。

一切の我慢を手放し自分を生きる覚悟

見出し4画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_合同会社マンモスピーポー_一切の我慢を手放す

私たちが目指しているのは、上下関係や序列のない、誰もが対等に本音で生きられるフラットな社会の実現です。宝塚の地で起きた奇跡を起点に、日本国内にとどまらず世界各地の土地と人々を潤し、魂を輝かせる場を広げていきたいと考えています。

そのために、私が生きる上で最も大切にしている約束があります。 それは、「もう一切の我慢をせず、自分のやりたいことをとことん楽しむ」ということです。

かつての私は、「人のため」と思って自己犠牲や我慢を重ねていました。しかし、自分をすり減らす我慢は、巡り巡って周囲の人をも苦しめる原因になっていたのだと気づいたのです。

自分が心から熱中し、魂を震わせて楽しんでいる姿こそが、周りを巻き込み、光を灯す最大の原動力になります。自分が心の底から楽しんでいれば、その喜びの波紋は必ず一周回って関わるすべての人へと届き、全員を幸せの渦へと巻き込んでいきます。これからも私は自分の本音を貫き、感謝と喜びを循環させながら、仲間とともに新しい世界を切り拓いていきます。