日本におけるクラシック音楽文化について~Vol.4 取り組んでいる活動~
現在、神奈川フィルをはじめとしたプロのオーケストラや吹奏楽で活躍中の興津諒(おきつりょう)さん。音楽と、行政や他業種大手企業との連携による業界の市場拡大と新規顧客の拡大、文化の定着に向け、全国を巻き込んだプロジェクトに企画やアドバイザーとして多数関わっています。前回のコラムで挙げた問題点について働きかけるために、取り組んでいる活動のなかから一部をご紹介していただきます。
取組のスタートライン
〜お笑いコンビ「メンバー」×前編オーケストラ単独ライブ〜
まず、ワクセル様にもあまたに渡り告知のご協力をしていただいておりました『広島よしもとお笑いコンビ「メンバー」全編オーケストラで単独ライブを成功させたい』というクラウドファンディングの企画が本当に多くの皆様のご支援、ご協力、ご声援により無事に達成し、その後も大変多くのご支援をいただきました。この場を借りまして、心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
この企画も一見、新しいエンタメがぽっと生まれたように見えますが、裏には長い時間秘めてきた熱い想いがあります。自分が元々「メンバー」さんの大ファンでありますので「メンバー」さんを日本全国に知れ渡らせたい、15周年で大きなことを成功させさらに躍進をして欲しいという想いが発端ではありましたが、確たるものはそれ以外の部分でもあります。
お笑い界はエンタメとして認知度が高く、事務所のシステムからファンのシステム、メディア露出までの一連がしっかりと確立された業界のひとつです。つまり発信力と支持率が格段にある業界のひとつだと思っています。(今回のクラウドファンディングの結果が物語っていると思います)
全国の方に、今回お笑い業界とクラシック業界が組む意味について興味を持っていただくきっかけになれば、ここがとりあえず2つの業界の新しいスタートラインになってくれれば、少しでも認識が変わってくれれば、そういう想いでこの企画の実現に向け背中を押させていただきました。
その先にクラシック業界も団体として見られるのではなく、一人ひとりに目が向けられファンが付くようなシステムが作れるようにと考えております。
また、企業との音楽フェスプロジェクトでは従来の静かにホールで聴くという当たり前を壊し、広大な半屋外施設で寝転がりながらやお酒や料理を嗜みながら、生演奏をBGMに自由に過ごすということに重点におき企画しており、今までの客層以外の客層への窓口の開放に取り組んでおります。
もっと身近なところでいえば、後輩たちや若い個人事業主の方をスタートラインに「自己プロデュース力の追求」が如何に武器や盾になるか、ホームページ作成についてや自己の顔を広げるための活動、ビジネス面の可能性と動くことの大切さ等について発信し、伝える活動も行っております。
最終的な目標
最終的には、日本においてクラシック音楽が文化として定着・発展し、日常に根付きレジャーとして当たり前となること。そして大前提に、この業界で仕事をしていく方の技術と労力に見合った給料が支払われ、行く末は末端の方々までしっかりと支えられること、後輩達の活躍の場が広がり守られることです。
そのために、正しい認識で個人を捉えて業界のシステムを再構築すると共に、対価の引き上げを目指して頑張りたいと思っています。
次回がこのコラムの最終回になります!ここまで読んで下さり本当にありがとうございます!最終回も是非ご一読いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします!