ブランディングにおけるデザインの役割 – タッチポイントすべてをデザインする –

楠橋 未来

楠橋 未来

2026.04.28
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ブランディングデザイン会社、合同会社toria designの代表の楠橋未来(くすはし みらい)さんの連載コラム第6弾です。事業設計・ブランド戦略の構築からデザイン制作までを一貫して手がけ、多くの経営者の方と伴走しています。今回は、ブランディングのデザインの「タッチポイント」について綴っていただきました。

「なんだかこのお店、好きだな」
「また来たいな」

そんなふうに感じたことはありませんか?

料理が特別においしいとか、価格が安いとか、立地がいいとか、もちろんそれも理由の一つかもしれません。けれど、そういう分かりやすい理由だけではなく、

・なんとなく居心地がいい
・なんとなく安心する
・なんとなく好き

そんな“感覚”で選んでいるお店やサービスも多いのではないでしょうか。

実はこの「なんとなく好き」は、偶然ではありません。
その理由は、お客様が触れるすべての接点、つまりタッチポイントがデザインされているからです。

タッチポイントとは何か

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_楠橋未来_タッチポイント

タッチポイントとは、お客様がブランドと接するすべての瞬間のことを指します。

例えば店舗ビジネスであれば、

・お店の外観
・看板
・内装
・メニュー表
・食器
・接客
・スタッフの制服
・ホームページ
・SNS
・名刺
・ショップカード
・予約ページ
・電話対応
・メールの文章
・キャッチコピー
・オペレーション(待ち時間や案内の仕方)

これらすべてが、お客様にとっての「ブランドとの接点」です。

ロゴやホームページだけがデザインなのではなく、
お客様が体験するすべてがデザインの対象なのです。

あるカフェの話

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_楠橋未来_カフェの話

例えば、あるカフェに行ったとします。

扉を開けると、少し暗めの落ち着いた照明。
木のテーブル。静かな音楽。
店員さんは小さな声で「いらっしゃいませ」と言う。

メニューは手書きの文字。
コーヒーカップは少し重たい陶器。
注文してからコーヒーが出てくるまで、少し時間がかかる。

これはすべてバラバラに起きていることのようで、
実は全部つながっています。

・落ち着いた照明 → ゆっくり過ごしてほしい
・木の家具 → 温かみのある空間
・静かな接客 → 空間の静けさを守る
・手書きメニュー → 手仕事のような丁寧さ
・陶器のカップ → しっかり味わう時間
・少し長い待ち時間 → 早さよりも時間を楽しむ店

つまりこのカフェは、
「コーヒーを飲む場所」ではなく、「ゆっくり過ごす時間を提供する場所」なのです。

これが、タッチポイントがデザインされている状態です。

もしこれがバラバラだったら

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_楠橋未来_バラバラだったら

逆に、

・高級そうなロゴ

・高級そうなホームページ

・なのに接客がフランク

・料理の盛り付けが普通

・紙のメニューがラミネート

・店内では大きなテレビが流れている

こうなると、お客様の中でこういう疑問が生まれます。

「高級なお店なの?カジュアルなお店なの?どっち?」

お客様は無意識に、そのお店や会社の“らしさ”を感じ取っています。

だからこそ、タッチポイントごとに与える印象がバラバラだと、ブランドの印象もぼやけてしまうのです。

デザインの本当の役割

見出し4画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_楠橋未来_デザインの本当の役割

ブランディングにおけるデザインの役割は、ロゴを作ることでも、ホームページを作ることでもありません。

お客様が触れるすべての接点で、同じブランド体験をつくること。

・どんな空間で
・どんな言葉で
・どんな接客で
・どんな見た目で
・どんな流れでサービスを提供するのか

それらを一つひとつ設計していくこと。
それが、ブランディングにおけるデザインの役割です。

デザインとは、見た目を整えることではなく、
体験を設計することなのだと思います。

あなたの会社やお店では、
お客様が触れるタッチポイントはいくつあるでしょうか。

そしてそれらは、同じ方向を向いているでしょうか。

ブランドは、ロゴではなく、体験でできています。

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ここまで読んでくださった方の中には、

「うちのお店(会社)も、タッチポイントがバラバラになっているかもしれない」
「本当はちゃんと整えたいけど、何から手をつけたらいいかわからない」

そう感じた方もいらっしゃるかもしれません。

ブランディングは、センスがある人だけがやるものでも、
大きな会社だけがやるものでもありません。

自分たちの強みや想いを整理し、
それをきちんと伝わる形にしていくこと。

そのお手伝いができるのが、私たちの仕事です。

もし少しでも気になる方は、いつでもご相談ください。
状況をお聞きしながら、今何をするべきか、一緒に整理できればと思います。

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