メタバース聴覚障がいコミュニティ『みみトモ。ランド』で耳の悩みが気軽に話せる

ワクセル編集部

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2023.12.11
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_みみとも(杉山さん)さん_みみトモ。ランド

こんにちは。『みみトモ。ランド』運営メンバーの倉ヶ市です。この記事では、『みみトモ。ランド』に興味を持ってくださった方に向けて、『みみトモ。ランド』を分かりやすく紹介します。最後までお付き合いいただけるとうれしいです。

みみトモ。ランドとは

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_みみとも(杉山さん)さん_メタバースコミュニティ

『みみトモ。ランド』では、メタバース上で聴覚障がい者やその関係者の耳の聞こえに関する悩みを気軽に相談、応援し合うコミュニティづくりに取り組んでいます。

「メタバースからリアルを快適に」をミッションとして、『みみトモ。ランド』を居心地の良い場所にするにはどうしたら良いかを、日々試行錯誤しています。

ピアカウンセリング場所の提供やイベント開催、最新の医療・研究情報の発信などを通して、生きやすくなる最新情報や悩みを吐き出せる仲間、協力者を得られますように…。

「みみトモ。があってよかった」
「耳のことを気にしなくても良い」
「元気になれた」
「楽しい!」

そんな声が聞こえてくることを目指しています。

このコミュニティは、創設メンバー3人と運営メンバー1人の計4人が運営しています。聞こえ方も年齢も違いますが、みんな「耳が聞こえづらい」当事者メンバーです。

社会人になってから聴覚障がいになった人や、生まれつき聞こえにくいけど健聴者と同じ学校や社会で生きてきた人たちです。そのため、聞こえる立場の人の気持ちも想像しやすいです。だからこそ、ろう、難聴、聞こえる人、それぞれに寄り添うことができると思っています。

みみトモ。ランドの活動内容

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_みみとも(杉山さん)さん_みみトモ。ランドTシャツ

「匿名性を保ちながら、リアルに近い感覚でお話ができる」
「時間と場所に関係なく世界中の人とリアルタイムでつながれる」

というメタバースの良さをいかして、みみトモ。ランドでは、以下の5つの活動をしています。

①ピアカウンセリング場所の提供

ご存じですか?
聴覚障がい者はコミュニケーションエラーを重ねやすいことから、うつ病発症リスクが健聴者と比べて男性は3倍、女性は2倍も高いというデータがあります。

こうした現状を改善するため、ピアカウンセリングの場所を提供しています。

ピアカウンセリングとは、同じような立場や悩みを抱えた人たちが集まって、同じ仲間として相談し合い、仲間同士で支え合うことを目的としたカウンセリングのことです。

『みみトモ。ランド』では、精神科医や精神科看護師、カウンセラーなど専門職も参加することで、より適切にケアにつなげていける空間に取り組んでいきます。

②プライベートな友達つくりの場所の提供

聴覚障がい者は聞き取りにくい音域、話し方の人とは会話が成り立たず、相手のことをよく知る前に関係構築を諦めてしまうことがあります。

メタバースであれば、音声会話では字幕を活用し、主にチャットのやり取りでコミュニケーションを図ることで健聴者、難聴者、ろう者それぞれの壁をなくしています。

③最新情報(医療・研究・聴覚障がい者向けアプリ)の提供

日々、私たちの知らないところで「耳の聞こえ」に関する研究が進められています。もしかしたら、今悩んでいる悩みも医療の力で解決できる日が来るかもしれません。

そこで、みみトモ。ユーザーであればいつでも最新医療に触れられるよう、『みみトモ。ランド』の中やSNSなどで発信をしています。医療関係者とつながりがありますので、確かな情報を素早く届けます。

実は、難聴の研究は日本では3件しか取り組まれておらず、加えて難聴の治療法はずっと変わっていません。そのため、研究の進展を願って、創設メンバーの一人、耳鳴りこさんが署名活動を開始しています。現在、764人(2023年10/30時点)が協力中です。

また、聴覚障がい者向けアプリの情報についても発信しています。

④仲間と一緒に発信する場所の提供

一人ではできないことも仲間とならできる

多くの人に耳のことを知ってもらうために、当事者が安心して発信できる場所や環境を用意しています。

具体的には、メタバース空間でのイベントやリアルイベントの開催です。チャットだけでのやり取りで終わらない、メタバース空間だからこそできるイベントを是非、覗きにきてみてください。

⑤誰もが主役になれる居場所の提供

健聴者のコミュニティに運営側が参加しています。そうすることで、想像上ではなく肌感覚で聴覚障がいに触れていただきたいと考えています。

また、みみトモ。ユーザーも一緒に発表する場を設け、誰もが主役になれる場所を提供していく予定です。

『みみトモ。ランド』 今後の展開

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_みみとも(杉山さん)さん_メタバースチャット

以上の5つの活動に加えて、もっと聴覚障がい者が生きやすい社会にするために、私たちが取り組んでいきたいことをお話します。私たちが取り組んでいきたいことに「力になれるかも!」という方がいましたら、声をかけてくださると、とっても嬉しいです。

①Webスキル獲得の場の提供

聴覚障がい者だからこそ、できる仕事はなんでしょうか?

色々ありますが、それは、視覚的言語が多いWeb上でできる仕事だと私たちは考えています。ただ、学習しようにも世の中にあるサービスはほとんど聴者優位につくられています。

そこで私たちは、聴者優位ではなく、ろう・難聴者優位での仕組みをつくることで、学習へのハードルを下げ、Web上でのスキルを獲得してもらいたいと考えています。

②生活サービスの提供

私たちの身の回りには欠かせない生活サービス。時には人生の一大決心をすることも。

そんなときに少しでも安心して物事を進めたり、決めたりできるように聴覚障がいに理解のある会社とつなげていきたいと考えています。

③人材派遣及び雇用の提供

聴覚障がい者が仕事を探すとき、大きく分けて2つの問題があります。

1つは、採用される前のコミュニケーション。
2つ目は、採用された後のコミュニケーション。

・面接のとき、事前に伝えてあっても、理解がされず、自分の思うことが伝えられない
・採用されたあとも、電話対応やお客様対応をやらされる。
・もしくは同僚や上司とのコミュニケーションがうまくいかない。
・どんな補聴支援器具を使えばいいか分からない

採用される前も地獄、採用されてからも地獄。

そこで当事者である私たち運営メンバーが間に入ることで、採用側と雇用側とのコミュニケーションの壁やズレを無くすことを目指しています。

まとめ

見出し4画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_みみとも(杉山さん)さん_メタバース『みみトモ。ランド』

当事者だけでは私たちの生活するリアルの環境を変えることは難しい。だからこそ、健聴者も巻き込んでいきたいと私たちは考えています。

手帳があってもなくても聴覚障がい者が安定した収入を得られる仕組みをつくること。そして、プライベートの面からもサポートすること。

仕事やプライベートが充実すると、心に余裕ができ、人に優しくなる。
そして、経済も潤う。
これが『みみトモ。ランド』が目指しているものです。

『みみトモ。ランド』は、ろう・難聴に関わらず、健聴の人にとっても有意義なサービスとなるよう精進していきます。

この記事を読んで興味を持った方は、是非ご連絡をお待ちしています。