アメリカやニュージーランドでも活躍するクリエイターに聞く「アートやデザインは世界共通のコミュニケーション手段」

Ree. (Riho Komiya)

Ree. (Riho Komiya)

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_Ree.さん_本人

Ree.さんは、学生時代に独学でイラストを学び、現在はイラストレーター・デザイナー・アーティストとして独立して活躍しています。小さい頃から絵を描くことが大好きで、周りから依頼されてポスター、資料、横断幕などを手掛けてきました。“好き”を仕事にしながら活躍しているRee.さんに、独立に至るまでの背景や今後のビジョンについて伺いました。

アートと共に生きた半生

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_  Ree.  さん_本人

私は現在、イラストレーター・デザイナー・アーティストとして事業を展開しています。アニメや漫画が好きで、その影響もあって絵を描くことは好きでした。

昔から、お店で売っているものではなく、自分で作りたい意思が強く、普通であればおもちゃ屋で買うグッズを自作することはお手のもの。材料も販売されているものではなく、廃材や石を拾ってきたり、ビーズも取り寄せてのりを張り付けて工作をしていました。

小学生のときから、ワードソフトを使ってチラシを作っていました。中学校では、絵を描くことが好きなのは周りの人に広まっていて、生徒会や委員会のポスターを任され、一つひとつ手描きで作成していました。

高校生のときにある漫画に出会い、アナログで描かれた表紙に心動かされて、机にかじりついて絵を描く毎日。また、体育祭や文化祭の横断幕を手掛けたり、広報に関する資料も作成したりするほど依頼が頻繁にありました。

大学は国際系の学部に進学。イングランドにあるブライトン大学に1年間留学し、そこでは主に美術史とアートの実技を学びました。アートがより身近にあるヨーロッパでの生活は刺激的で、とても学びが多い留学でした。

振り返ると、昔からずっとアートやデザインに触れていました。根底には、「人が持っていないものを自分の手で作り出したい」という思いがあります。

コロナ禍を機にフリーランスとして独立

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_  Ree.  さん_絵と本人

アートに携わりながら過ごした学生生活を卒業した後、就職したのは広告代理店の企画営業。アートから離れたように見えますが、インバウンド向けの展示会の資料や、デザイナーに依頼する前に社内で作成するデザインを手掛けていたので、経験が活きました。また、ポスター作成や、資料のデザインに関する社内からの相談をしばしば受けていました。

インバウンドを狙った海外でのプロモーションを企画する部署で、欧州を中心とした展示会出展の企画運営を担当していましたが、新型コロナウイルスの影響をもろに受けて、現地開催の展示会が中止となったり、海外向けの事業も延期になりました。

大学時代にCDジャケットのイラストや団体のロゴをデザインする仕事を請け負っていたこともあり、コロナ禍を機に、最初はボランティアとして個人の制作活動を再開。その後、会社を退職して2022年にフリーランスのイラストレーター・デザイナーとして独立することを決意しました。

現在は、チラシ・ロゴ・ポスターなどのグラフィックデザインとイラスト制作でクライアントワークを請け負いつつ、ロサンゼルスの展示会に参加したり、大阪や東京のギャラリーに出展するなど国内外で個人のアーティスト活動も行っています。

2022年10月には、オークランド(ニュージーランド)で開催されたアニメ・マンガコンベンション『OVERLOAD2022』にも個人でブースを出展し、作品やグッズを展示・販売いたしました。

現地に赴きニュージーランドのアーティストや来場者と直接話すことができ、ジャパン・カルチャーは国を超えてさまざまな人に親しまれていることを改めて実感しました。日本人クリエイターとして、今後も国際交流や文化発信の一端を担うことができれば嬉しいです。

アートを地球規模で広げたい

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_  Ree.  さん_引き本人

今後は、アートやデザインで地域交流や国際交流のきっかけづくりとなる活動ができないかと考えています。私は、アートやビジュアルデザインは、言語や国境の壁を超えたコミュニケーション手段のひとつであり、さまざまな可能性を秘めていると信じています。だからこそ、日々の制作を行う際には作品のメッセージやお客様の想いを『伝え、届けること』を一番大切にしています。

作品やデザインを通じて世界中の人が想いを共有し、環境問題や社会課題に対して一緒に向き合っていける…そんな地球規模の活動に繋げていくことができれば素敵だなと思います。

“好き”を仕事にする選択をしたのは諦めの悪い性格だったからだと思います。不思議なことに、自分が心から「やりたい!」と思っていることに挑戦しているときは、思いもよらぬところで素敵なご縁があったり、突然新しい道が開けたりして、自然と物事が良い方向に進んでいることを実感できるんです。

逆に、物事がうまくいかないときは自分の心に嘘をついているとき。これからもアートやデザインなどで社会に貢献できる道を楽しみながら見つけていきたいです。

私の座右の銘は、「人生、無駄なことは何もない」です。今までやってきたことは、どんなに嫌なことでも、必ずどこかにつながると信じています。私自身はまだ若く経験も浅いですが、同年代の方々には、壁にぶつかることがあっても、「やって無駄なことはない」と伝えて、一緒にチャレンジしていけたらと思います。