新進気鋭の映像ディレクターが語る「ユーザーと一体になってつくる」居心地のいい空間とは

大橋 泰成

大橋 泰成

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映像や画像、デザインで人や物などを表現する大橋泰成さん。海外留学やファッションなど異業種にふれて、映像ディレクターの道を歩み、現在は空間づくりをテーマに取り組んでいます。大橋さんにとって空間づくりとはどういうものなのか。これまでの経緯や今後のビジョンを伺いました。

原点に戻って気がついた、自分が好きなこと

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僕は現在、映像ディレクターやカメラマンの仕事をしています。実家が写真屋でしたが、今のような仕事をしようと最初から思っていたわけではありません。学生時代は野球に没頭し、大学ではマレーシアへ海外留学。そこではいろんな人に会って、貴重な経験をしました。

海外から戻ってきたときは、ファッション関係のことをやろうとしていました。次はフランスに留学をしようと計画を立てていました。東京でフランス留学に向けて言語の勉強をしながら、ファッションの勉強をする計画でしたが、いろんなことをやっているうちにカメラに携わることも増えてきました。

原点に立ち返ったときに、写真を撮ったり、動画をつくったりすることが一番しっくりきました。きっと昔から父親の写真を見てきたからだと思います。インターンで動画の撮影や編集の実績を積みながら、プロのカメラマンだった父親に技術について色々と教えてもらっていました。そこから段々とコネクションができてきて、今の映像ディレクションの仕事につながっています。

デザインのコツは「ひと晩寝かせること」

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1年前にデザイン学校に通っていて、以前から興味があったブランディングデザインを学びました。ブランディングデザインとは、ブランドをどんな風にしていくかデザインの方向性を考えるというもの。クライアントにヒアリングするときには、クライアントの組織、ブランドの持つ色や雰囲気をしっかりと読み取り、それをうまく表現するように心掛けています。

ロゴを考えるときは、アイデアを出すためにスケッチなどをして50個くらい考えます。その過程でアイデアを組み合わせて新しいものができることもあります。頭のなかで整理してアウトプットをたくさんすることは重要な行程です。

良いデザインがひらめいたり、良いものができたと思ったとしても、すぐに決定することはありません。自分で良いものが思いついたときは、世の中で1番良いものなんじゃないかと思ったりしますが、一日置くと「何だこれ?」と自分で思うことが多々あります。

時間をおいて冷静になると、デザインを客観的にみることができます。「ひと晩寝かせた方が良い」というのは、料理と似ているかもしれませんね。

「信念を持たない」ことが信念

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_大橋泰成さん_空間撮影

今、僕がやりたいと思っている『空間づくり』は、ブランディングデザインにとても似ています。たとえば化粧品ブランドであれば、お店に行ったときに感じる匂い・色・雰囲気はそれぞれのブランドで違います。

その空間が好きな人や馴染める人だけが集まって、ブランドとユーザーが一体になることで空間が出来上がると思っています。すべて含めて表現している感じが僕はすごく好きです。

何かやろうとしたときに不安は襲ってきますが、自分にとってそれはとても大事なことだと思っています。僕は野球を10年以上やってきましたが、周りからの期待や圧力に押され、最終的にボールが投げられなくなるくらい、精神的に弱くなっていました。

でも何かに集中して、自分で良いと感覚的に思うことがあったとき、不安やプレッシャーを忘れられます。その感覚がぼくのやりたい「空間づくり」につながってくるのだと思います。

今後は、美術館をつくりたいと考えています。有名な絵画を置くのではなく、誰の絵画でも載せられるような場所にしたいです。まだ構想中ですが、先ほどお話ししたように、その空間が好きな人や、馴染める人だけが集まってできる空間にできたらと思っています。

こういう話をすると強い信念を持っていると思われがちですが、信念はない方が良いと僕は思います。何かを意識してやるのではなく、夢中になっていることが大事だと感じています。

「頑張らなきゃいけない」「やらないといけない」ではなく、「気づいたらやっていた」というのが理想です。言い換えれば「信念を持たない」ことが信念ですね。そんな風に空間づくりなど、夢中になれることをどんどんやっていこうと思っています。