“絶対色感”を持つカラーアナリストが提唱。なりたい自分を表現する『カラーブランディング』

たなか みずき

たなか みずき

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_たなかみずきさん_プロフィール

カラーアナリストとして色彩解析サービスを使ったブランディング事業を展開するたなかみずきさん。小さいころから色に対して多感で、ご自身の強みを活かして、クライアントのなりたい姿や、表現したい姿を、色を使って提案されています。自分自身を“色オタク”と表現するたなかさんに、好きなことを仕事にするまでに至った経緯を伺いました。

幼少期から感じていた『絶対色感』

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私はファッションのなかでも特に“色”にこだわりがあります。子どものころから、絶対音感と感覚が似ている『絶対色感』があり、色の組み合わせに違和感を感じることが多々ありました。

幼稚園のときに親がハンカチを持たせてくれても、そのハンカチの色が着ている洋服の色と合わないと嫌でした。親が買ってくる流行りの洋服でも、「自分に似合わない」と感じるものもありました。中学生になってからはファッション雑誌をよく読んでいて、『POPEYE』や『Olive』などの雑誌はスクラップしていましたね。

自分でも少しおかしいと思っていましたが、学生のときから靴をたくさん持っていて、働いてお金を稼ぐようになってからは100足を越えました。振り返ってみると、物が欲しくて買うというよりは、線が赤なのか青なのかのちょっとした違いでも違和感を覚えてしまい、買ってしまっていたのです。

現在はフランスの女性の考え方や、自分に似合うものがようやくわかって、ミニマルになっています。一時期は300着以上の服を断捨離しました。今では10着のコーディネートで、何ヶ月も普通に過ごすことができています。

なりたい姿を表現するためのカラーブランディング

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私を表す言葉としては、“色オタク”という表現が合っていると思います。それを打ち出す方法として、『カラーイメージ』というものに出会いました。昔から洋服がとても好きだったので、ファッションを通してカラーコーディネートを提案することしか当時は考えていなくて、それが仕事として使えるとは思っていませんでした。

その人に似合う色がわかったとしても、どんな仕事をしているかによって表現したい服のイメージは変わります。ファッションで提案することの延長に、その人の仕事に対してベストなイメージを提案するとなると、カラー診断のイメージは分類分けでその先にまだ伝える必要がある要素があると感じています。

同じ分類になった人全員が同じパターンになるわけではありませんよね。似合うことは大前提ですが、色の組み合わせに加えて、その人の仕事のイメージや、打ち出していきたい表現方法をイメージとして乗せないといけません。そうするとパーソナルカラーの分類には限界があるという考えに至りました。

今の時代、zoomなどのオンライン上で画面越しに相手の人となりを感じるようになりました。人と会わずして好意を持つ、持たないを判断するようになったのです。zoomの背景も洋服と同じで、デザインや色、明るさで雰囲気が変わり、印象を変えることができます。

洋服でしか表現できないと思っていたことが、このようにオンライン上や、ウェブサイトでも表現できるとわかりました。そこから着想を得て、衣装とweb・SNSツールなどをトータルでコーディネートする『カラーブランディング』という仕事で、自分を表現することにしました。

大企業はPRやブランディングの部署があると思いますが、小さい会社だとそういう部署をつくることができません。私は社外CCOチーフカラーオフィサーという形で、どんどん社外にアウトソースするようになればいいと思っています。

夢中になれることに正直に生きる

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色は私たちの周りに当たり前にありますし、私たちは色の選択を自然としています。そこを意識することで、人の強みと同じようになります。ステキだと思うものを漠然と見るのではなく、どういう色で構成されているのかを意識するようになると、習慣的に色が目に飛び込むようになります。そうすると心がもっと豊かになっていくのではないかと考えています。

今、世の中では緑色がトレンドになっていますが、カラー業界的には、緑は流行しない、はやったとしても短期間だと言われている色です。それがここまで長く続いているのは、コロナの影響だと私は思っています。

緑は、自然・癒やし・スペースや空間というニュートラルな状態に近いものを表します。ご時世として多くのことが制約されているなかで、癒やしや自分の居場所を求めているというのが、緑の流行に表れているのではないでしょうか。この流行が続いているというのは、まだまだ社会的には緑が必要なのだと思います。

人にはどこかで「もうこんな年齢だしな」と思うことがありますよね。本当に自分が気になることや思っていることは、この先いくつになっても出てきます。私自身も諦めないでいたいと思っていますし、このオタクぶりも手放すことはないと思っています。

みなさんが、生活のために稼がないといけないと思っていても、食べることをやめても良いと思うほど「これをやりたい、気がついたら時間が経っていた」というものがあれば、そこに一生懸命になってください。それが夢の実現や成功につながっていくはずです。

これからの子どもたちには「こういうことも仕事にできるんだよ、私のようなオタクの子どもがいたとしても、それが個性で強みとして光る部分なんだよ」というのを伝えてあげたいですね。

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