舌から始まる人体構造学③
陸上自衛隊を退職してから鍼灸大学に通い、卒業後に七星スパルタ鍼灸院を開業し、院長を務める平井幸祐(ひらいこうすけ)さん。全国各地での治療や健康セミナー、ワークショップ、歯科医院に呼ばれての講演会なども開催し、多方面で活躍中です。こちらのコラムでは、平井さんより「舌から始まる人体構造学」をご紹介いただきます。
突拍子もないようなお話しにお付き合いいただきありがとうございます!僕から皆様に提供したい健康法として3つ、是非とも身に付けていただきたい身体の使い方があります。
それは、「呼吸」「咀嚼嚥下」「寝姿」の3つです。
今回は、「呼吸」です‼️
コロナ禍にあって、これだけは本当にいち早く知ってほしいと思っています。
正しい「呼吸」を知る
正しい呼吸と言えば、「腹式呼吸!」……
「鼻呼吸の方がいいんですよね?」って即答されますが……
コレが全くダメなんですよ。
5歳から古武術道場に通い、15歳から陸上自衛隊に入ってしまった身としては、人一倍、「腹式呼吸」を頑張ってきた訳です。でも、同時に、より良い呼吸を求めて50歳を過ぎてしまったんです。
気分的にも生活のサイクルも学生時代とほぼ変わらないのですが……少しの違和感が、だんだんとハッキリとしてくるのです。ココが「変」と言われるところでしょうが、1〜2歳からの疑問でもずっと答えを探し求めるのです。
おとなだからと言って僕の質問に答えてくれる人はそうそう居なかったので、幼児期の疑問はずっと答えを追い求めていてやっと近頃、理解できてきていることがあります。
なので、僕のお話しは机上の空論ではなく、様々な教育を受けながら少なくとも数十年掛けた実験結果なのです。
ヒトの鼻は高性能な吸排気機構
車のマフラーで「ツインカムマフラー」と言うモノがあります。排出ガスが出る所が2つになった車です。名前や構造を知らなくても皆さん見たことはありますよね?
あれができ上がるのには100年程前からの研究があり、地上で最も排気率が高いのがツインカムマフラーとされています。その構造開発の元となったのがヒトの鼻です!ヒトの鼻は片鼻ずつ左右交互の吸排気するようになっています。
それを昔のエンジニアたちは切替弁を付けて実行しようとしました。そしてその切替弁の有効性を証明しようとすると…切替弁無しと全くデータが変わらなかったのです。それで、「どうして切替弁が無くとも、交互に吸排気するのか⁉️」を探る研究も散々行われました。
しかしながら結局、「マフラーを2つに分ければ自ずと左右交互の吸排気となる!何故か?という断定的な結論には至らなかったが、これは地球の引力の恩恵によるものであろう!」と締め括られています。
ですから、工業界では2つのマフラーは左右交互で吸排気するのは常識なんです!
鼻の詰まった方が「鼻呼吸は2時間おきに左右が入れ替わります!」なんて真しやかに言われましても、工科学校出身としましては非常に同意し難い訳です。
脳の真下にツインカムマフラーとしての鼻が在る!そして鼻にはキーゼルバッハを始めとする毛細血管の集まりがあるのです!
この構造が凄くて…片鼻からゆっくりと吸った吸気しか脳に到達しないんです!
何故なら、脳には安全な酸素しか届けられないから、片鼻からゆっくりと吸った外気はウイルスを感知しウイルスを除去し、温度・湿度を一定に保ち、ストレス無く脳へ1番に酸素を供給するようになっているのです!
基本、ウイルスを0に、温度は深部体温の38℃ぐらいの高温設定に、湿度は90%ぐらいで喉や肺まで潤うように、エアトリートメントとして常に調整されているのです。
そのため、このスーパー空気清浄機の仕事量を越える外気が入ろうとしたどきには、緊急事態として脳への供給がシャットダウンされて、喉へ肺へそして胃まで追いやられます。
鼻腔の加熱能力は非常に高性能で、気温ー2℃でも瞬時に38℃に上げ温度を深部体温に合わせます。湿度は、調整のために1日2Lの水が確保されているそうです。そのために、鼻炎などが起きた場合には、止め処もなく鼻水が出てくるようです。
ツインカムマフラーとしては、まだまだ機能があり、排気についても片鼻からだと夏の暑いときには脳の排熱も兼ねてとても高温の排気をします。反対に冬の寒い日には排熱しないように温度を下げて出すので、寒い所で口から吐いた排気は白くなっても、片鼻から吐いた排気は白くなりません。
これだけ高性能な吸排気機構は、ウイルスを体内に入れないように作られているのです!
体内にウイルスを入れないためには?
肺尖と言う肺の1番上の場所は、鎖骨の上にあるのですが、「左右交互片鼻からのゆっくりとした鼻呼吸」をしたときにだけ、肺尖に空気が入ります。その入り方も、吸った鼻側の肺側が満たされます。なので、左右交互の片鼻片肺呼吸が本来の正常な呼吸なのです。
両肺が拡がっているときは、鼻呼吸したつもりでも、全く口呼吸と変わらないウイルスを体内に入れる呼吸なのです。
それで、
腹を出してもいけない!
両方の肺を一緒に使うのも間違い! なのです。
また、「免疫力を上げろ‼️」と、これも真しやかに言われますが…免疫力が上がり過ぎるとリウマチや膠原病と言った自己免疫疾患をおこしかねないのです。最大の免疫は体内・皮内に菌やウイルスを入れないことです!
何故か?
「鼻毛やノド◯ンコでウイルスを退治する!」
なんて本気で思われてる方が医療関係者でも多いのですが…
山や農作業中には有効な鼻毛も、体内にウイルスを入れない唯一の方法が「左右交互片鼻からのゆっくりとした鼻呼吸」なのです。
「いつ、どのくらいやればいいですか?」と聞かれますが、寝ているときが呼吸数も減って脳への酸素供給量が減るのですから、寝ているときこそ、「左右交互片鼻からの ゆっくりとした鼻呼吸」が重要なのです。
寝ているときにできるようにするためには、指も使わず日中いつでもできていないといけないのです。本当に、寝ても仕事しているのは心臓だけでなく、舌も肺も肋間筋も起立筋群も、伸び伸びと伸びていないといけない。横臥(横寝)やうつ伏せ寝は、背骨が丸く捻れてるから、真っ直ぐ仰向けに寝れないのです。
ウイルスを体内に入れないために是非とも、左右交互片鼻片肺の呼吸を身に付けて下さい!