〜廣道純のMoving Foward〜
廣道純(ひろみちじゅん)さんは、日本初のプロ車いすランナーであり、48歳の現在も現役選手として戦い続けながら、テレビコメンテーターやラジオパーソナリティとして活躍中です。本コラムでは、廣道さんの自己紹介に始まり、プロ車いすランナーという第二の人生で得た宝物の話を語ってくださっています。
プロ車いすランナーとして世界で活躍
皆さん、こんにちは。ワクセルコラボレーター、プロ車いすランナーの廣道純です。コラムを担当させていただく事になりました。よろしくお願いします。
まずは、簡単に自己紹介させてください。
私、廣道純は大阪府堺市出身で、高校一年の時にバイク事故により脊髄を損傷、以来車いすの生活となり、入院中の理学療法士の紹介により、車いすマラソンの世界を知り、退院後すぐに競技を始め、現在はプロ車いすランナーとしてEY Japanに所属し、複数のスポンサーとも契約し、世界各国のレースを転戦したり、講演活動やメディア出演などの日々を送ってます。
コラム初回は皆さんに、「これがプロ車いすランナーの世界だ!」というのを知っていただけたらと思います。
車の運転など日常生活もソツなくこなす
まず、脊髄損傷についてですが、首から尾てい骨まで繋がってる背骨の中を通る一番大事な神経、それが脊髄です。
脳からの指令を腕や脚に伝達して歩いたり、物を掴んだりしてるわけなんですが、私はちょうど真ん中あたりの胸椎6番を骨折した事により中の脊髄が完全に断裂してしまい「みぞおち」あたりから下が完全に麻痺し、動きもせず感覚もないという状況になってます。かれこれ33年になります。
車いすと聞くといろんな事が出来なくて不便で大変というイメージが強いと思いますが、幸い私の障がいレベルは腰から下だけの麻痺のため、腕の力で大抵のことはこなす事が出来ます。
車もアクセル、ブレーキを手で操作する簡単な装置をつけて自分で運転も、乗り降りも、車いすの積み込みも出来ますし、お風呂も床に降りたり、浴槽に浸かったりは腕の力で「ひょいっ」とこなします。
街中の移動なんて、歩く人をスイスイ追い越しますし、険しい山道とかでなければ登り坂も問題なく進めます。まぁ、この辺はアスリートとして日々トレーニングしてるからなのかもしれませんが。
そんな、車いすになった私が車いすランナーとして、めちゃくちゃ楽しい世界を知り、世界中を飛び回わって経験した事や、健常者の時には気付きもしなかった事など、この第二の人生で得た宝物の話を少しずつこのコラムで書いて行こうと思います。
皆さま、お付き合いの程、よろしくお願いします。