男装くん
Tiktoker
イベント企画
シンガーソングライター
育児系エンターテイメントパフォーマー

SNSの総フォロワー数が約90万人のコスプレイヤー『男装くん』の連載コラム第8弾です。病室で「SNSをやってみよう」と決意した私が、最初に選んだのはTikTokでした。しかし、現実は想像していたものとはまるで違います。再生数は2桁、コメントはゼロ。アカウントを何度も作っては消し、試行錯誤を繰り返す毎日。それでも諦めなかったからこそ、後に90万人以上のフォロワーへと繋がる”最初の気づき”を得ることができました。

SNSを始めると決めた私は、最初の発信場所にTikTokを選びました。
理由はシンプルです。
当時いろいろリサーチした結果、まだ駆け出しだったTikTokは拡散力が高く、一番バズりやすいSNSだという情報がたくさん出ていました。
「まずはここで勢いをつけよう。」
そう決めて、最初の動画を投稿しました。
最初は女性の姿のまま発信していました。
「きっとすぐにバズるだろう。」
正直、そのくらい軽く考えていました。
ところが現実は甘くありません。
再生数は100回前後。
ひどい時は、10本投稿してもすべて0〜2桁。
スマホを何度更新しても数字はほとんど変わりません。
「……全然伸びない。」
病室のベッドの上で、その現実だけが静かに突きつけられていました。

「何が違うんだろう。」
私は毎日、人気動画を何時間も見続けました。
すると、ある共通点が見えてきました。
当時のTikTokでは、いわゆる”狸顔”のかわいらしい女の子の動画が圧倒的に伸びていました。
それを見ながら、鏡に映る自分を見て思わず笑ってしまいました。
「30代のおばさんが、いくら若作りしたところで、さすがに無理あるな。」
そんなある日。
ショートカットのウィッグをかぶって病院を歩いていると、先生や看護師さん、患者さんから何度も男の子に間違われました。
その瞬間、ふと思ったのです。
「だったら、男の子として発信したらどうだろう?」
そうして新しく作ったアカウントが、「れいくん」でした。
当時のTikTokは、流行りの音源に合わせて口パクをしたり、踊ったりする動画がほとんど。
私も見よう見まねで、同じような動画を10本ほど投稿しました。
結果は……
再生数300回前後。
女性アカウントよりは少し伸びたものの、コメントはゼロ。
フォロワーもほとんど増えませんでした。
「これも違う。」
そう思った私は、またアカウントを削除しました。
次に作ったのは「あおくん」。
でも結果はほとんど変わりませんでした。
300回前後の再生数。
コメントもつかない。
まるで誰にも存在を知られていないようでした。

「どうしたらバズるんだろう。」
そのことばかり考えていました。
ハッシュタグを変える。
投稿時間を変える。
流行りの音源を変える。
動画の最初の見せ方を変える。
真面目にやってみる。
ふざけてみる。
思いつくことは全部試しました。
伸びなければアカウントを削除する。
そしてまた最初からやり直す。
気づけば5回以上、同じことを繰り返していました。
正直、心は半分折れかけていました。
それでも、この挑戦だけは絶対に諦めたくありませんでした。
余命宣告を受けた私には、「いつか成功すればいい」という時間はありません。
自分の中で決めた期限は、一カ月。
だから毎日が本気でした。
病室で一人、スマホと向き合い続ける日々。
そして何度も失敗を繰り返す中で、私は一つの答えにたどり着きます。
「きっと、みんな何者でもない私には興味がない。」
この気づきが、後に87万人以上のフォロワーへと繋がる、大きな転機になっていきます。