週8時間の資料作りが30分に変わった経営判断術

株式会社コミクス

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2026.09.07
column_COMIX Inc

毎週月曜、資料作りに8時間を溶かしていた経営者が、Claude Codeと出会い作業を30分に圧縮した。時間だけでなく意思決定のスピードと質そのものが変わった、株式会社コミクス代表・鈴木章裕の実践記。

週8時間、疲れて何も決まらない日

見出し1画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_疲れて何も決まらない日

株式会社コミクスを創業して7年、外国人技能実習生の受入企業をサポートする登録支援機関として、現在8〜10社と契約し約40名の実習生を支援している。書類仕事が多く、月に30〜40ファイルが動く。毎週月曜は週次経営レポート、取締役会向け資料、不定期の銀行・融資審査用資料の作成に追われていた。週次レポートだけで2〜3時間、取締役会資料は丸一日、融資資料も8時間かかることがあった。

ある月曜、朝8時から作業を始めて午後3時になっていた。7時間かけて資料を作り続け、終わったときに感じたのは「疲れたが、何も決まっていない」という感覚だった。資料を作りながら経営判断も同時にしようとしていたため、どちらも中途半端になっていた。取締役会の前日に資料が完成しても読み込む時間がなく、議論が浅くなる。この悪循環が経営の質をじわじわ下げていた。「これはまずい」と気づいたのが、この話の出発点だ。

Claude Codeに判断基準を教え込む

見出し2画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_Claude Codeに判断基準を教え込む

知人の経営者からClaude Codeで資料作成を自動化していると聞き、半信半疑で試した。最初にやったのは、週次レポートの「構造」を言語化することだった。必要な数字、並べる順番、コメントの視点を書き出してプロンプトにした。最初のバージョンは「今週は概ね順調でした」といった一般的な文体しか返ってこなかった。

そこでプロンプトに自分の判断基準を加えた。「売上前週比マイナス10%以上は即アラート」「未処理書類が10件を超えると入管提出に影響が出る」といった基準を明記し、該当項目に【要確認】マークをつけるよう指示した。これで一気に実用レベルになった。数字を貼るだけで、以前は自分の頭の中にしかなかった「危ない兆候の見分け方」がそのまま出力に反映されるようになったのが大きかった。3週目からはClaude Codeの「スキル」機能に保存し、毎週数字を投入するだけで30分以内にレポートが完成するようになった。

取締役会資料では前月資料を入力し、今月の数値をもとに更新させることで、効率的に資料を作成できることが分かった。前月の対策が効果を出したかの評価も含めるよう指示すると、継続性のある資料になった。融資資料は銀行ごとの特性をファイルにまとめ、参照させることでカスタマイズを短時間で実現した。4カ月目には週次レポートは平均28分、取締役会資料は45分、融資資料は1.5時間で完成するようになり、週8時間だった資料作りが1時間を切った。

資料作りを外部化し、判断に集中する

見出し3画像嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_株式会社コミクス_判断に集中する

変わったのは時間だけではなかった。空いた時間で契約企業への訪問が月4〜5回増え、数字だけでは見えない現場の肌感覚を得られるようになった。取締役会資料も数日前には完成するため、事前に数字や論点を読み込む余裕が生まれた。

一番大きな変化は、資料作りに使っていた思考エネルギーを、判断そのものに向けられるようになったことだ。Claude Codeは忖度せず数字をそのまま出し、判断基準に照らしてアラートを鳴らす。悪い数字を「来週また確認しよう」と先送りしにくくなり、気づいていながら放置していた問題にも、早い段階で向き合えるようになった。

取締役会でも、資料を作る場から、数字をもとに議論する場へと重心が移った。以前は資料を読み込む時間が十分になく、議論が浅くなりがちだった。今は当日までに数字や論点を把握した状態で臨めるため、本質的な議論に時間を割ける。役員から「議論が具体的になった」と言われることも増えた。

振り返れば、経営の鈍重さの大きな原因は資料作成にあった。そう気づくまでに2年かかったが、資料作りという「やらなければならないが、経営の本質ではない仕事」から自分を解放できたことが、この半年で得た一番大きな変化だ。

経営者の時間は、経営にこそ使うべきだ。

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