余命宣告の病室でSNS発信を決意した日

男装くん

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2026.07.12
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SNSの総フォロワー数が約87万人のコスプレイヤー『男装くん』の連載コラム第7弾です。TikTokで出会ったコスプレイヤーたち。その世界に魅了された私は、気づけば「見る側」から「発信する側」へと興味を持ち始めていました。しかし、その理由は単なる憧れではありません。余命1か月を宣告された病室で、私には生きるために必要な目標がありました。SNSとの出会いは、後の人生を大きく変える転機になっていきます。

コスプレイヤーが教えてくれた可能性

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_男装くん_コスプレイヤー

コスプレイヤーたちの動画を見ているうちに、私は完全にその世界に魅了されていました。

アニメの中でしか存在しないと思っていたキャラクターたちが、まるで現実世界に飛び出してきたように感じたのです。

表情。

仕草。

立ち振る舞い。

そこには単なる仮装ではなく、一つの作品がありました。

「すごいなぁ」

「こんな世界があるんだ」

そう思いながら、私は毎日夢中で動画を見ていました。

ただ、この頃の私はまだ、自分がコスプレをしようとは思っていませんでした。

衣装をどこで買うのかも分からない。

メイクのやり方も分からない。

ウィッグのセット方法だって知らない。

だから、自分がやる側になるなんて考えたこともありませんでした。

けれど、コスプレイヤーたちを見続けるうちに、別の感情が芽生え始めていました。

それは、

「私も発信する側になりたい」

という気持ちでした。

TikTokの中では、普通の会社員も、学生も、主婦も、自分なりの世界観を表現していました。

テレビに出ている芸能人ではありません。

どこにでもいる普通の人たちです。

それなのに何万人、何十万人という人たちに動画が届いている。

その姿が、とても輝いて見えました。

そして私は思ったのです。

「これからはSNSの時代が来る」

誰かに選ばれるのを待つ時代ではなく、自分で発信し、自分で道を切り開く時代。

もし今から始めれば、将来きっと大きな武器になる。

そんな予感がありました。

病室で考えた未来の働き方

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_男装くん_病室での未来

私がSNSに惹かれた理由は、それだけではありませんでした。

白血病になったことで、私は人生が一瞬で変わることを知りました。

健康も。

仕事も。

当たり前の日常も。

ある日突然、失われることがある。

その現実を目の前で突きつけられました。

私は以前、ライブ配信をしたことがあります。

ですが、ライブ配信は自分がその場にいなければ収入になりません。

体調が悪ければできない。

入院したらできない。

休めば収入も止まる。

それは結局、自分の時間を切り売りする働き方でした。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

ですが私は病気になったことで、

「もしまた働けなくなったら?」

という不安を強く持つようになりました。

もし再発したら。

もし長期間入院することになったら。

もし私に何かあったら。

子どもたちはどうなるのだろう。

だから私は、自分が動けなくても価値が残る仕組みを作りたいと思いました。

そしてSNSには、その可能性があるように見えたのです。

さらにもう一つ。

私は白血病になったことで、献血や骨髄バンク、ドナー登録の大切さを初めて知りました。

病気になるまでは、正直深く考えたこともありませんでした。

でも、今こうして生きていられるのは、多くの人たちの善意のおかげです。

だからこそ、自分の経験を発信したい。

献血に行く人を増やしたい。

ドナー登録という選択肢を知る人を増やしたい。

そのためには、まず私自身の存在を知ってもらう必要がありました。

SNSは、そのための大きな可能性を秘めているように感じたのです。

生きるために作った無謀な目標

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_男装くん_生きるために

けれど、本当の理由はもっと別のところにありました。

私は無菌病棟で気づいていました。

子どもたちのことを考えれば考えるほど、心も体も弱っていくことに。

週に一度だけ許された面会。

娘の泣き顔。

息子の笑顔。

病室へ戻ると、その光景ばかりが頭の中を巡りました。

もし私が死んだら。

もし子どもたちが寂しい思いをしたら。

もし帰れなかったら。

考えれば考えるほど眠れなくなり、食べられなくなり、体の数値も悪くなっていきました。

このままでは、本当に助かる命も助からない。

そう感じていました。

だから私は考えました。

どうしたら未来を見られるだろう。

どうしたら希望を持ち続けられるだろう。

そして出した答えが、

「不可能なくらい大きな目標を作ること」

でした。

SNSでたくさんの人に自分の存在を知ってもらう。

献血やドナー登録の大切さを伝える。

子どもたちに胸を張って会える自分になる。

そして、自分の力で人生を切り開ける人間になる。

病室のベッドの上で立てたその目標は、当時の私から見れば無謀そのものでした。

余命1か月と言われた患者が考えるような目標ではなかったかもしれません。

それでも私は本気でした。

なぜなら、その目標を追いかけている間だけは、病気ではなく未来を見ることができたからです。

不安ではなく希望を見ることができたからです。

そして私は決めました。

人生で初めて、本気でSNS発信を始めようと。