難聴の程度と症状、会話における語音明瞭度とは

高野 恵利那

高野 恵利那

2024.10.12
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こんにちは!みみトモ。ランド代表の高野恵利那(たかのえりな)です。前回は以下2つのポイントについてお伝えしました。「難聴にはどんな種類があるのか」「それぞれの症状とは?」今回は「難聴の程度と症状、会話における語音明瞭度」について解説したいと思います!

難聴の程度と症状

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難聴と一言で表すことはできますが、聴力レベルは4つに分けられています。
1)軽度難聴
2)中等度難聴
3)高度難聴
4)重度難聴

よくドラマなどで取り上げられているのは、ほとんど聞こえていない重度難聴が中心です。他の程度の難聴者の聞こえ方は、取り上げられる機会も少ないので、イメージが湧きにくいのではと思います。

そこで、それぞれの聴力レベルがどのくらいの音を指すのか、実際にイメージしやすいように以下のグラフにまとめてみました!

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聴こえの程度のイメージはつきましたか?

私はずっと中等度難聴だったので、雪の降る音はよく「シンシン」と表現されますが、実際の聞こえ方はどうなのかとても気になっています(笑)

会話における語音明瞭度

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みなさんは、「語音明瞭度」という言葉を知っていますか?

語音明瞭度とは、言葉をどのくらい正確に聞き取れるかを表す指標です。

一般的に聴力検査というと、健康診断で「ピー」という感じで検査するものを想像すると思います。

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語音明瞭度は、医師が難聴について診断するためや補聴器の調整のために、必要な指標です。静かな環境または雑音下で、どのくらいの音量だと一番言葉が聞き取れるのか検査します。(もしかしたら、私のように存在自体を知らず、受けたことがない難聴者もいるかもしれません)

これだけでは、なぜこの検査が必要なのか、いまいち分かりにくいですよね。

難聴の中でも特に感音性難聴では、前回の記事でお伝えしたように、単に音を大きくすれば聞こえるわけではなく、逆に大きすぎても聞き取りが難しくなります。ちょうど良い塩梅にするために検査を行います。

ただ、そもそも聞こえる人からすると、音は聞こえるけど、言葉として聞き取れない状況ってどんな状況なのか、なかなかイメージがつきにくいのではないでしょうか。

具体例として、中学生1、2年生レベルの英語ができる人がいるとします。

その人がネイティブの英語を聞き取ろうとしたときに、難しい単語や現地のスピードで話しかけられてしまうと、すべては聞き取れないけど、なんとなく言ってることは分かる、でもしっかり理解できたか自信がない、そんな状態になりませんか?

内容を推測しながら聞いて、理解できたと思っていても、実は意味が異なっていたり、聞き取り間違えていたことに気づいていなかったり・・・

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難聴者はそういった状況で会話をしています。
なので常に聞き取ることに神経を全集中させています。

実際、難聴者は聞き取ることへの消費エネルギーが高く、記憶力や判断力が低下しやすい傾向にあるとも言われています。
(参照:https://www.soundpointburnsville.com/blog/hearing-memory-loss/)
ここまでの話から語音明瞭度の検査って、実際どんなものなのか受けてみたいと興味が出てきませんか?

実は以下のリンクから、聞こえる人も聞こえにくい人も、語音明瞭度について無料で検査をすることができます。イヤホンなどを活用して、音量は60dB程度(スマホの音量ボタンの60%程度)で聞くことをお勧めします。

見出し6画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_みみトモさん_オンライン聴覚検査.jpg

東京医療センターオンライン聴覚検査:https://nancho-db.com/pitch_check/
こちらの検査情報は、南修司郎先生よりご紹介頂きました!
先生のnoteもありますので、ぜひご覧ください。
ちなみに検査結果の指標として参考に、中等度難聴の私の聴力はこんな感じでした。

見出し7画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_みみトモさん_中等度難聴図

健聴者の方はノイズ強の語音検査でも正解率が概ね100%になります。
下回った方は、ぜひ耳鼻科受診など検討してみてください!

まとめ

・難聴の程度は軽度難聴、中等度難聴、高度難聴、重度難聴に分けられており、軽度難聴で もこそこそ話など聞き取れない会話がある。
・言葉の正確な聞き取り能力の指数である「語音明瞭度」は、補聴器の調整や難聴の診断に必要。

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