メタバースの将来展望と障がい者雇用を掛け合わせていくことの秘められた可能性
こんにちは!杉山祥子(すぎやましょうこ)です。前回は、みみトモ。ランド代表の高野が、聴覚障がい者の雇用状況と雇用状況を改善することによる経済効果について解説してくれました。今回は、メタバースにおける障がい者が働く環境としての可能性について紹介します。
メタバースにおける聴覚障害者が働く環境としての可能性
①聞こえにくさによる生きづらさを感じているが、相談できる場所がない
②生きにくさは、仕事・人間関係全般が含まれている
これまで述べてきた通り、難聴の当事者が抱えている課題について、上記の2つが挙げられます。
上記の課題をメタバースの活用によって、どう解決できるのか述べていきます。
詳しくはこちらの記事
ワクセルHP コラム
「難聴や聴覚障がい者が実際に抱えている課題」
https://waccel.com/column/waccelwriter_20240202/
①聞こえにくさによる生きづらさを感じているが、相談できる場所がない
「職場で一緒に働いている聴覚障がいのある人は、自分しかいなくて…」
「聞こえにくいことによる悩みを、どこに相談したら良いのか分からない」
1,000人いる従業員のなかで、聴覚障がい者はひとりだけといった例は、珍しいことではないでしょう。
メタバースであれば、全国にいる聴覚障がいのある人とつながれます。
みみトモ。ランドでは20〜30代が中心ですが、さまざまな職種や年齢、背景を持ったユーザーが集まっています。やりとりはチャットを使用するため、聞こえる人、聞こえにくい人、聞こえない人も関係なく相談できる場所です。
②生きにくさは、仕事・人間関係全般が含まれている
「聴覚障がいのある人と、どうやってコミュニケーションを取ればいいのか分からない」
聴覚障がいのある人を雇用したい、雇用している企業側としても、コミュニケーション方法に悩んでいると考えられます。難聴者の立場からすると、リアルな会話であれば、苦手な音域や話し方の人がいた際に会話が聞き取れず、関係構築のきっかけを諦めてしまいがちです。
そのため、「生きづらい」「仕事がやりづらい」「理解してくれない」「孤独を感じる」といったストレスにつながってしまいます。
メタバース上ではそういった弊害がなく、仲良くなるきっかけづくりや、ろう・難聴者が苦手とする集団の会話もできるでしょう。なぜなら、チャットを使用することで、視覚情報による情報保障が得られるからです。
チャットではなく、音声のやりとりであっても、文字起こしによる字幕活用方法で話す内容が分かります。
また、アバターやギミックで自己表現をすることも可能なため、テキストチャットのように、ただ文字だけをやりとりするよりも、心理的距離は近くなると考えています。実際に、みみとも。ランドでは、ぴょんぴょん飛び跳ねたり、走り回ったりするユーザーも見られます。
そのほか、リアルタイムでやりとりを行うことで人物像が浮かびやすいこと、情報保証があることで内容を把握した聴覚障がいのある人が、自分の意見を伝えやすい環境づくりとして、メタバース活用は最適です。
みみトモ。ランドでは、講演会をメタバースで行ったことがあります。その際、質問が追えないほど多く寄せられました。
メタバースで他の障がい者が働く環境としての可能性
今まで、聴覚障がい者にスポットを当てて、メタバースの活用方法について紹介してきました。メタバースの可能性は、聴覚障がい者だけではありません。
・体が不自由で外出が困難な人が、メタバース内にあるオフィスに出社して仕事をする
・精神障がい者のリハビリとして、擬似体験をする
など、活用方法はさまざまで、可能性に満ちあふれています。
参考:メタバース相談室
「障がい者のメタバース就業戦略:社会との新しい繋がり」よりhttps://xrcloud.jp/blog/articles/business/16211/
まとめ
メタバースを活用することで、聴覚障がい者だけでなく、他の障がいのある人にとっても、就労の機会の向上や人間関係の改善など、さまざまな可能性を広げられます。
みみトモ。ランドでは、積極的にメタバースを活用し、聴覚障がいのある人の可能性をどんどん広げていきたいと考えております。