経営者対談

江田 可愛 星田 暁 やまかな
ワクセル

今回のトークセッションでは、ソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」のコラボレーターとして多方面で目覚ましい活躍を続けていらっしゃる江田可愛さん、やまかなさん、星田暁さんの3名をお迎えしました。

言葉と映像の力で人の想いを届ける動画ブランディング事業を展開し、ママ向けコミュニティ「ママレ」を主宰する江田可愛さん。長年のSNS発信をきっかけに多くの読者の共感を集め、念願の書籍出版を実現された子育てインフルエンサーのやまかなさん。そして一般社団法人ユニオンの代表として高齢者コミュニティの創出や、デフリンピック関連企画、インクルーシブイベント「つながるーしぶ」などを牽引する星田暁さん。

それぞれの現場で社会的な価値を創造し続ける3名に、活動の原点やコミュニティ運営の裏側、情報発信がもたらすビジネスと信頼の好循環、そしてワクセルを通じたこれからの未来の展望について、余すところなく語り合っていただきました。

活動の原点と共感を生み出すコンテンツづくり

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住谷:本日は、皆様がこれまで歩んでこられた活動の原点や、ワクセルとのコラボレーションを通じてどのように事業やプロジェクトが発展してきたのか、そのリアルなプロセスをぜひ深掘りしてお聞きできればと思います。まずは江田さん、やまかなさん、星田さんそれぞれの活動内容と、現在の取り組みやコンテンツづくりに至るまでの経緯をお話しいただけますでしょうか?

江田:私は現在「伝えたい想いを言葉と映像で届ける」というコンセプトを掲げ、ブランディング専門家として動画制作事業を展開しています。この動画制作事業は現在チーム体制で運営しており、制作に関わるクリエイティブチームには約20名のメンバーが在籍しています。特徴的なのは、そのメンバーの約7割が女性であり、さらにその7割が子育て中のママたちで構成されているという点です。

私自身、子どもを出産してから事業を展開していく中で直面したのが、「ママには本当に時間がない」という圧倒的な現実でした。家事や育児に追われる中で、ビジネスに割ける時間は限られています。しかし、そこで「時間がないからできない」と諦めてしまうのではなく、「この限られた時間の中で最大の成果を出すにはどうすればよいか」という問いを立てました。

そこで実践したのが、徹底した役割分担とチームビルディングです。自分自身がやるべきコア業務と、自分がやらなくてもよい業務を明確に線引きし、自分がやらないと決めた領域は得意な仲間にどんどん任せていく。そうした仕組みを作った結果、自然と同じような境遇にあるママたちや女性クリエイターが集まる強いチームが出来上がりました。時間という制約があるからこそ、お互いの状況を理解し合い、無理な抱え込みをせず、それぞれの得意分野を活かして補い合える関係性が生まれます。この「ママとしての経済圏」をもっと社会全体に広げていきたい、同じ想いを持つ女性たちが活躍できるフィールドを作りたいと強く思うようになり、住谷さんに相談させていただきました。

住谷さんから「それなら、江田さんと同じ想いを持つママたちが集まり、共感し合えるコミュニティを作ってみてはどうか」と具体的なアドバイスをいただいたことがきっかけとなり、立ち上げたのがママ向けコミュニティ「ママレ」です。スタートしてから約半年が経ちますが、定期的な交流会や学びの場を通じて、多くのママたちの新たな挑戦を後押しするコミュニティへと成長しています。

やまかな:私はInstagramを活用した情報発信を5?6年ほど継続してまいりました。発信のテーマは、小学生のお子さんを持つママたちに向けた「子育てあるあるネタ」です。日々の育児に追われて心がすり減ってしまいがちなママたちに、クスッと笑って肩の力を抜いてもらいたい、ちょっとした息抜きの時間を届けたいという想いから投稿を続けてきました。

小学生の子育てというのは、幼児期とはまた違った独特の悩みや葛藤がお母さんたちに生じやすい時期でもあります。私の投稿に対して、フォロワーの方々から「今日の投稿を見て思わず声を出して笑いました」「イライラしていたけれど気持ちがすごく楽になりました」といった温かい感想を日常的にいただけるようになり、次第に「投稿をいつでも手元に置いて見返せるように、一冊の本にしてほしい」というご要望をいただくようになりました。

私自身も書籍化という夢を強く抱くようになったのですが、一般的な個人の発信者が商業出版を実現するというのは非常に高いハードルが存在します。どのようにアプローチすればよいのか模索していた時期に、夫と嶋村さんのご縁をきっかけにワクセルさんと繋がり、そこからトントン拍子で出版のプロジェクトが進み、夢であった書籍の出版を実現することができました。

特に大きな反響を呼んだのが「小学生取扱説明書」という投稿企画でした。単一の投稿で200万回以上の再生を記録し、保存数も桁違いの数字となりました。書籍化にあたっても、読者がどのページを開いても直感的に笑えて共感できるよう、「男子のページ」「女子のページ」「新一年生のページ」と章立てを工夫しました。例えば男子の「防犯ブザーをやたらと鳴らしがち」「消しゴムが穴だらけ」といった日常や、女子の「とにかくおませにできており、親より大人、母より女」といったリアルな生態を切り取っています。表紙に掲げた「共感力No.1子育てあるある発信者」という言葉の通り、忙しいママがパラパラとめくるだけで心が軽くなる本を目指しました。

星田:私は現在、一般社団法人ユニオンの代表を務めておりまして、地域社会における高齢者コミュニティの形成と、シニア世代が孤立せず社会と自然に繋がり続けられる居場所づくりに注力しています。企業様と連携しながら日常的な活動拠点を整えたり、地域住民の皆様と一緒にさまざまな体験型イベントを企画・運営したりすることで、多世代が笑顔で交流できる場を広げています。

ワクセルさんとは非常に多くのプロジェクトをご一緒させていただいており、毎週のように定例ミーティングに参加してアイデアをブラッシュアップしています。代表的な取り組みとしては、新宿で開催した「つながるーしぶ」をはじめとするユニバーサルイベントや、聴覚障害者のための国際スポーツの祭典であるデフリンピックの報告会・体験会イベントなどがあります。

イベントの企画や運営においては、参加者が自分のこととして楽しめる体験価値の創出を何よりも大切にしています。例えばデフリンピックの取り組みでは、大会当初は約30%程度だった国内認知度に対し、体験イベントや報告会を通じてデフスポーツの魅力と奥深さを粘り強く発信し続けたことで、最終的には60%を超える方々に知っていただけるようになりました。耳が聞こえない環境で行われるデフスポーツは視覚情報を駆使した独自の工夫があり、実際に体験してみると誰もがその面白さに引き込まれます。

また、新宿で開催した「つながるーしぶ」では1,500名を超える来場者を記録し、マルシェに出店された方が単日で20万円以上の売上を立てるなど、参加者が楽しみ、出店者もビジネスとして潤い、社会的な理解も深まるという"三方良し"の構造を実現することができました。ワクセルのコラボレーターの皆様が多数協賛や運営に入ってくださり、関わる全員でひとつの大きなプロジェクトを作り上げるダイナミックな共創を実感しています。

コミュニティを育み、価値を最大化する発信の力

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住谷:イベントやコミュニティを立ち上げ、それを単発で終わらせずに継続して育てていくこと、そしてそのプロセスをコラムやWebなどの情報発信に落とし込んで価値を最大化していくことについて、皆様は日頃どのような工夫や実感をお持ちでしょうか?

江田:コミュニティを立ち上げて運営していくプロセスには、特有のリズムや乗り越えるべきハードルが存在します。最初の立ち上げ時は関わる全員の熱量が高く一気に盛り上がるのですが、2回目や3回目の開催を迎える頃に、少し参加人数が落ち着いたり、運営上の課題が見えてきたりする時期が必ず訪れます。

私自身もママレの運営初期にそうした壁を感じたことがありましたが、そこで歩みを止めずに継続していくことが何よりも重要だと学びました。試行錯誤を繰り返しながら回数を重ねていくうちに、参加者同士の信頼関係が深まり、口コミで新たな参加者が増え、先日の開催ではいつもお借りしている住谷さんのお店に入りきらないほど、約40名もの方々にお集まりいただける規模へと成長しました。

また、日頃からワクセルのプラットフォームで活動レポートやコラムを執筆しているのですが、ただ「書かなければならないから書く」という義務感で取り組むと、どうしても目的を見失ってしまいます。しかし、ワクセル会議のような場で仲間と対話を重ねることで、「なぜ自分はこの活動を言語化して発信しているのか」「この発信の先にどんな未来を作りたいのか」という本来の目的を再確認することができます。

現在、ママレのイベント構成は前半を「学びのミニ講座」、後半を交流会という二部構成にしています。開催レポートを執筆する際には、前半のミニ講座に登壇してくださったママ講師の方のお名前や専門性、講義内容のエッセンスを丁寧に盛り込むようにしています。そうすることで、記事を読んだ外部の方が登壇者の活動を知るきっかけになり、登壇者自身のブランディングやビジネス獲得にも繋がっていきます。コミュニティに関わってくれた仲間全員がWebを通じて世の中に知られ、活躍の場を広げていくための架け橋になる。そう考えると、コラムやレポートを書く作業が本当に楽しく有意義な時間に変わっていくのを実感しています。

今後は、昼間の交流会だけでなく「夜ママレ」と銘打った番外編も企画しており、ママを応援したい方であれば誰でも参加できる場を作ることで、さらに多様なコラボレーションを生み出していきたいと考えています。

やまかな:発信という観点では、日々のSNS発信をただの思いつきで終わらせず、どのような読者にどんな価値を届けるのかを常に意識し、形に残るコンテンツへと昇華させていくことの大切さを実感しています。WebやSNSの手軽さや拡散力も素晴らしいですが、物理的に形として手元に残る書籍や、こうして文章として丁寧にまとめられたコラム記事は、受け手に対する信頼感や安心感が格段に異なります。本というひとつの形になったことで、読者の方々との心の繋がりがより強固なものになりました。

また、発信を継続していく中では、自分自身の等身大の姿やリアルな日常を偽らずに表現することが最も読者の共感を呼びます。子育ての悩みやクスッと笑える失敗談をありのままに発信し続けることで、「私だけじゃないんだ」と安心してもらえる。そうした日々の積み重ねがコミュニティのような温かい読者層を形成し、次のステップへと背中を押してくれる原動力になると感じています。

星田:江田さんややまかなさんのお話には非常に深く共感します。私自身もイベントの開催レポートや日々の活動実績をワクセルのコラムとして定期的に執筆していますが、事業を運営していると日々の実務に追われ、情報発信や振り返りがどうしても後回しになりがちです。しかし、ワクセルという環境があることで、「しっかりと活動を言語化し、世の中に届ける」という発信のサイクルを習慣化することができています。

実際に、私たちがWeb上で発信しているイベントのレポートやコラム記事をご覧になった地方自治体や大手企業様から、「地域活性化のイベントを一緒に企画できないか」、「高齢者コミュニティのノウハウを共有してほしい」といったお問い合わせをいただく機会が格段に増えました。Web上の情報は、団体の信頼性や実績を証明する名刺代わりになります。ただやみくもに活動を散発的に行うのではなく、現場で確かな実体を作り上げ、それを集中してWeb上で発信して認知を獲得していくという「選択と集中」の戦略が、事業の成長には不可欠であると痛感しています。

また、現在私は大田区をはじめとする地域に深く入り込んでコミュニティを形成していますが、それぞれの地域で築き上げた信頼関係やセグメントを、ワクセルの他のコラボレーターの皆様とシェアし合うことで、お互いの販路や活動領域を掛け算で広げていくことができる点も、このコミュニティならではの大きな強みだと感じています。

広がる共感の輪と、未来に向けたビジョン

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住谷:お話を聞けば聞くほど、一人ひとりの挑戦が点から線へ、そして面へと広がり、社会に確かな変化を生み出していることが伝わってきます。ワクセルというプラットフォームや仲間との繋がりを通じて、今後実現していきたい夢や将来のビジョンについて、それぞれの熱い想いをお聞かせいただけますでしょうか?

江田:私はワクセルが掲げている「ワクワクの種をまき続ける」という理念が心から大好きです。何か新しい事業を立ち上げたい、社会に貢献したいという強い想いがあっても、一人だけで抱え込んでいると不安になったり、途中で立ち止まってしまったりすることがあります。しかし、ここには真剣に相談に乗ってくださる住谷さんをはじめ、互いを応援し合える素晴らしい仲間がたくさんいます。 今自分がやりたいと思っているビジョンを言葉にして発信し、周囲に伝えていくことで、思いがけないアドバイスや協力が得られ、夢が現実のものへと加速していく環境が整っています。

映画『フラガール』のように、一人ひとりが自分の持ち場で輝きながら、全員でひとつの大きな物語を紡ぎ出し、社会に感動や活力を届けていくような事業やプロジェクトを、これからもこの仲間たちと一緒に立ち上げていきたいです。動画制作チームやママコミュニティを通じて培ったクリエイティブ力や発信力を、星田さんの地域福祉の現場や、やまかなさんの書籍プロモーションなどにもどんどん掛け合わせていきたいと考えています。ママたちが自分らしく輝き、経済的にも精神的にも自立できる社会を目指して、これからも全力で走り続けます。

やまかな:私自身、夫と嶋村さんの偶然の出会いから始まり、ワクセルさんとのご縁を通じて、長年の夢であった書籍の出版という素晴らしい機会をいただくことができました。人生において、人との出会いがいかに大きな奇跡をもたらすかということを身をもって体感しています。

出版が決定した当初は、本を出すこと自体がゴールのように感じていましたが、実際に形になった今、ここからが本当のスタートだと感じています。新宿の紀伊國屋書店様での出版記念対談イベントをはじめ、全国の書店様を巡りながら、より多くのお母さんたちに直接本と笑顔を届けていきたいです。

そして、子育て世代のリアルな声を代弁する発信者として、2冊目、3冊目の書籍化にも挑戦していきたいと思っています。子どもの成長に合わせて、思春期の関わり方や家族の絆をテーマにした作品など、常に読者の心に寄り添い、ホッと息抜きができる温かい居場所を発信を通じて提供し続けてまいります。また、私の発信を通じて、星田さんのユニバーサルイベントや江田さんのママコミュニティの素晴らしい取り組みを子育て世代のママたちにも届け、笑顔や共感の輪がコミュニティの枠を超えて連鎖していくような温かい関わりをこれからも大切にしていきたいです。

星田:私たちは今後、東京や大田区で培ってきたコミュニティ形成のモデルや、インクルーシブなイベントの仕組みを、日本全国のさまざまな地域へと展開していきたいと考えています。 以前、大阪で開催された障害当事者の方々を中心とするユニバーサルイベントに参加させていただいた際、車椅子の方もおしゃれを楽しみ、障害のあるなしに関係なく全員が温かい笑顔で繋がっている素晴らしい空間を目の当たりにしました。このような誰もが自然体で受け入れられ、人と人とが温もりをもって繋がれる場所を、日本全国にひとつでも多く作っていくことが私の使命だと感じています。

地域の現場で活動していると、どうしても福祉や地域活動という枠組みの中に閉じてしまいがちですが、江田さんのようなクリエイティブやブランディングの力、やまかなさんのような圧倒的な共感発信の力をお借りすることで、より多くの一般の方々に届くポジティブなムーブメントに育てていくことができます。地域コミュニティの活性化を通じて元気なシニアを増やし、健康寿命を延伸させていくこと。そして、ワクセルという強力な発信力とコラボレーションの基盤を活用させていただきながら、宮崎や大阪、そして全国各地のリーダーたちと手を携えて、社会課題の解決に直結するプロジェクトを次々と形にしていきたいです。関わるすべての人が生きがいを感じられる豊かな社会を目指して、一歩一歩着実に前進していきます。




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