電気工事×YouTube!? 電気屋優tuberが発信する「電気工事のレシピ」

吉田 優

吉田 優

2023.02.24
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム _ 吉田優さん_

電気屋優tuberとして、電気工事業での経験を発信している吉田優さん。電気工事専門のYouTubeチャンネルは、ITを電気工事に取り入れようと開設しました。電気工事職人を増やすために発信した「第二種電気工事必勝動画」は13万回再生を突破。YouTubeチャンネルを始めたいきさつや、今後の展望についてお話を伺いました。

さまざまな職業を経験した後に電気業界へ

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僕は工業高校に通っていたので、就職率はほぼ100%で、周りはみんな就職するのが当たり前でした。しかし、父親が中卒であったことで「子どもは大学へ通わせたい」という思いと、「大学生は、遊んで飲んで過ごせそう」という不純な考えで大学に進学しました。

その後、思い描いた学生生活と違う日々に嫌気がさし、大学を中退。バーテンダーをしたり、収入を上げようとスカウトマンになったり、最終的に、友人と独立して自営業を始めるなど、数えきれないほどの職業を経験しました。

転機となったのは、友人と2年ほど自営業を続けている最中、不慮の事故で友人が亡くなった出来事でした。突然の訃報で悲しみに暮れていたところ、うそみたいな話ですが、夢の中で、友人の「しっかりしなさい」という声を聞くようになりました。

当時、両親からも「何をしているか分からない」と心配されていたのもあり、実家の家業である電気事業に携わることを決めました。

電気屋優tuberとしての挑戦

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現在は、電気工事の職人として働きながら、電気屋優tuberとしても活動しています。父が社長で、僕が営業・見積もり・職人をやりながら広報活動もし、次に僕が継ぐために奮闘しています。

電気工事業とYouTubeをコラボレートさせたのは、大きく3つの理由があります。

まずは、電気工事業を学ぶ場所を提供すること。この業界は、頑固な職人かたぎな方が多く、「仕事は見て盗め!」と、技術は教えないのが主流です。僕も電気工事業を始めた当初は、2代目ということもあり、現場に行けば無視され、ほっとかれたままということが良くありました。

これは僕だけでなく新人の多くが経験することで、メンタルの弱い人だと耐えられず辞めてしまう人もいます。料理のレシピを調べるように、電気工事業においても「自分で学べる場」があれば、職人の技術が継承され、もっと電気工事業が盛り上がるのではないかと考えました。

次に、広告・広報としての活用です。求人の広告を出すだけでも、月に50万円の費用がかかるのは大きな出費になります。将来的に、YouTubeのチャンネルを大きくするなかで、広告収入としての収益と、YouTubeチャンネルで広告を出せるようにしていこうと活動しています。

3つ目は、電気工事業とITを組み合わせ、技術力を向上させるというものです。僕は電気工事業界の同世代より技術力が遅れていると実感しています。遅れた技術をYouTubeに取り組むことでカバーしていこうと、日々YouTubeの活動も続けています。

僕のチャンネルでは、主に「コンセント付け方」や「第二種電気工事必勝動画」など、

電気工事のノウハウについてのコンテンツを新人の方向けに発信しているので、電気工事職人が増えるきっかけになれば幸いです。

「段取り」でチームの力を引き出す

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僕は仕事をするうえで、「段取り」を特に意識しています。たとえば、電気工事業で電線を100本入線させる作業をする場合、人によって作業の仕方はさまざま。電線の必要な長さが100mだとしても、材料として1000mの電線がくるので、うまく使っていかないと足らなくなります。なので、1本ずつ入れて測って切ってという工程を100回繰り返す方がほとんどです。

しかし、僕はリスクをとってでも、1回自分で何メートルか測り、先に100本切って一気に電線を入れるようにします。また、配線するなかでもカーブがあったりするので、そこに仕掛けをつけて入るように1日かけて作業したりと、前もって構成を練り、誰がどのポジションをやるかなどを決めています。

YouTubeの活動でも、僕だけにスポットが当たるのでなく、段取りを意識しながら撮影を手伝ってくれる仲間にもスポットライトが当たるようにしています。YouTubeの活動を続けていくなかで、共感してついてきてくれる仲間も増えてきました。

他の電気工事チャンネルをみていると一人でやっている方がほとんどです。なので、電気工事に関するメインコンテンツと共に、「仲間」「きずな」を大事にし発信しようと、仲間にも出演してもらうコンテンツをつくっています。

今後は、電気工事業の経験を積むと共に、YouTubeの活動にも注力し、電気工事業界がメディアにもっと取り上げられるように活動していきたいと考えています。

電気工事業界で働く人のなかには、電気工事の道具や作業服にこだわっていたり、仕事に意図を持っていたりする方も多くいます。どんどん発信力や影響力をもって僕自身がメディアに出演などして、電気工事業の魅力を伝えていけたらと思います。

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