日本の食の力を世界へ〜料理人ふみおくんのエッセイより 「お食事コラム」グルテン編 第2話
料理人 山崎史雄さんによる『料理人ふみおくんのエッセイ』の第2弾。前回に続いて『グルテン』について深く掘り下げていきます。巷でよく耳にするけど実はよく知らない『グルテン』の正体とは!?プロがわかりやすく解説します。
そもそもグルテンてなによ?
こんにちはふみおです。
まん延防止等重点措置が明けて、町の活気や通勤ラッシュの風景も戻りつつありますね。普段はレストランで心を込めて料理をしている僕もだんだんとご予約のお客様が戻ってきていることに、心から嬉しさと感謝をもって日々一皿一皿と向き合っています。
ここ最近では、
毎日新聞社様の「MAINICHI STYLE」に掲載頂いたり、
5月17日(火)16:30~
テレ玉様、tvk様、チバテレ様の3局放送
「マチコミ」にてテレビ放送も決まり、
5月21日(土)21:00~
朝日放送ラジオ様のラジオ番組
「#リアルをぶつけろ!ハッシュタグZ」
【OAエリア】関西
【LINE LIVE】日本全国同時生配信放送
へのラジオの生出演が決まったり、
ワクセル様とのコラボレーションで、池袋東武百貨店様での
「SDGsライフスタイル展」へのポップアップショップ出店
クラウドファンディング
「グルテン不耐症・セリアック病等で悩む子供たちに、グルテンフリー料理を届けたい!」
を行い、ポップアップショップでは、玄米ティラミスや新玉ねぎの玄米ポタージュ等々、
ご用意させて頂いた「約400食を4日間で全て完売」となる経験をさせて頂き、
クラウドファンディングでは、「総額515,500円の御支援」を頂くことができました。
5月5日こどもの日は、「はじめて食べたお料理ばかりで世界が広がった!」と伝えてくれた男の子や僕が、麦、白砂糖、白米不使用の料理人となったきっかけをつくってくださったご家族から「日本のレストランはグルテンフリー対応、ベジタリアン対応等の明記がメニューに無いから、今日は安心して食事が出来た。」 と仰って頂いたり、「こんなに記憶に焼き付けられるレストランはない!」と仰って頂いたお母さま等々。
本当に自然と笑顔が沢山生まれてしまうほどステキで、僕は、ご挨拶の時から、皆様がお帰りになられた後のテレビ取材を頂いている時まで、感動と嬉しさの涙が抑えられなくて…感謝でいっぱいのイベントになりました。
この場をおかりして。
僕のことを長年ずっと変わらずいつも親しく支えてくださっている、大好きな、本当に沢山のお客様、敬愛する関係各位の皆様と仲間達に改めて心の底から感謝を申し上げます。
最近あった沢山の嬉しい事の中でも、
ポップアップ出店や、こどもの日イベント、普段のディナー営業の接客中に、
「コラムを読みました! めっちゃ良いっすね!」
「コラム連載頑張ってください!」等々、仰って頂ける機会があって……。
もう……めっちゃくちゃ嬉しいです!!!!!!!!!!!
前回のコラムでは「グルテンの依存性」についてお伝えしました。
今回は、
「じゃあ、そもそもグルテンてなんなのよ!?」
について書かせていただきますね。
「グルテン」は好物に含まれている?
国内外問わず、多くの有名芸能人やアーティストやスポーツ選手が、「グルテンフリー生活(グルテンを摂取しない食生活)をしている」と公言されていたり、ここ最近ではグルテンに関する著書が出版されベストセラーになったりしていますよね。
中でも僕が結構衝撃的だったのが、数年前にAmazonのテレビCM『買い物の数だけ、ストーリーがある。』で、一人の女の子が小麦アレルギーでパンが食べられないので米粉でパンを作り、その女の子の笑顔が溢れる。というCMがありましたよね。
いま僕のコラムを読んでくださっている皆さんも「グルテン…。気になるワードです!」と言う方がいらっしゃるかと思います。
グルテンとはなにか?
ざっくり言うと「小麦、ライ麦、大麦、ライ小麦」と「一部のオーツ麦(オートミールのもと)」に含まれるタンパク質の事です。
「麦類に含まれるタンパク質……と言うことは……ん!?」
気が付かれた方もいらっしゃると思います……
そうです。
「パンやパスタ、スイーツやピザ、ラーメンやうどん、等々」に含まれています。
みんな「大好き!」で美味しい食品ばかりですよね。
(もしかしたら前回書かせて頂いた依存から来るものかもしれませんが……)
さあさあ、
ではでは、前回と同様ちょっとまじめに細かくお話していきますね。
グルテンとは?
グルテン(Gluten)とは、麦類の中でも三大エンプティーカロリー(脂質や糖類に偏ったビタミンやミネラルなどの身体に必要な栄養素が極端に少ない食品や飲料のこと)と言われる「小麦」をはじめ、「ライ麦、大麦、ライ小麦」などの穀物の胚乳から生成される「グルテニン」と「グリアジン」という2つのタンパク質に水分を加わえて混ぜ合わせた時、この2つのタンパク質が結合して出来る網目状のタンパク質のことです。
実は、この「グルテン」、お料理でめちゃくちゃ大きな力を発揮して美味しい!を作ってくれています。
まずは、皆さんも良くご存じの旨味成分である「グルタミン酸」
実は、この「グルテン」から発見されたってご存じでしたか!?
いやぁ~そうなんですよ!スゴイですよねぇ~。
次に、先程もお伝え致しました通り、グルテンは、「グルテニン」と「グリアジン」と言う2つのタンパク質に「水分を加わえて、混ぜ合わせた」時、この2つのタンパク質が結合して出来る「網目状のタンパク質」です。
と、言うことは…。
ここで「そうか!グルテンすごいじゃん!」
と気付かれた方はスゴイです!
ではでは、僭越ながら、実際に23歳当時、パン屋さんで1日16時間パンを作り続ける生活をしていた事のある、ふみおくんが製パンの工程を例に上げて、解説していきますね。
◆製パンの工程
(1) 製パン用に合わせた粉をふるいにかける。 (2) 温度計をチェックして、ぬるま湯の温度を調節しイーストを溶かしておく。 (3) 小麦粉に砂糖や塩どの他の材料を混ぜ合わせミキシングにかける。 (4) 生地がまとまってきたら、イーストを溶かしたぬるま湯を加える。 (5) グルテンが作られて来たら膜ができるようになるので油脂とバターを加える。 (6) 生地がまとまったら打ち粉をふった作業台に生地をおく。 (7) 手前から奥へ生地どうしをこすりつけるようにして伸ばして纏めるを繰り返す。 (8) グルテンがしっかりと形成されると生地が戻ろうとする力が強くなり、 勝手に動くようになるのでそれまで(7)を繰り返したら台に叩き付けならまとめていく。 (9) ホイロに入れて一次発酵させる。 (10) 台に移して「つぶし、たたみ」を行いまとめて二次発酵させる。 (11) 「つぶし」を行い「成形」する。 (12) 焼く。 (13) 完成です。 |
この工程で出てくる重要ポイント…そうです!
「グルテンがしっかり形成されているかどうか」です。
手をかけてコネて叩き付ける程にふくらみを維持する力が持続される上に弾力も加わり、ふっくらとモチモチに仕上がります。
普通に粉に水を加えただけでは、ただのドロドロの液体になるはずですよね。
「パンやパスタ、スイーツやピザ、ラーメンやうどん」に代表される「美味しい!」の特徴でもある、粘り気や弾力「ふっくらぁ~!モッチモチ!」を作り出しているのも、この「グルテン」が深く関わって重要な役割を果たしてくれています。
「あれ?じゃあオーツ麦からできているオートミールは、グルテンないんじゃないの?」
と思われた、そこのあなた!流石です!
そうなんです。
実はオートミールはグルテンフリーです。
ただ……。
オートミールはグルテンフリー「なのですが!」がついてしまいます。なぜなら、加工される時に他の麦類と同様の場所や製造ラインで作られている事が多く、混ざってしまう事があるからです。
いわゆる「2次汚染」してしまうのです。
ですので、セリアックの方やグルテン不対症の方や小麦アレルギーの方は「小麦、ライ麦、大麦、ライ小麦」と「オーツ麦(オートミールのもと)」等の「麦類全て」にも本当に細心の注意で気を付けて頂く事を心からお願い申し上げます。
次回予告:グルテンが身体に及ぼす影響
さてさて、
前回は、「グルテンの依存性」
今回は、「そもそもグルテンとはなにか」について書かせていただきました。
「え~と。」
「グルテンは、依存性が高いから食べないとイライラしちゃう……」
「うん。わかった……」
「グルテンが色んな美味しい!の粘り気や弾力【ふっくらぁ~!モッチモチ!】を作り出している。」
「うん。それも理解できたよ……」
「ん…?あれ…?ちょっとまってよ……」
「だったら美味しいんだし、イライラしない様にたくさん食べればいいんじゃないの!?」
と思われた方もいらっしゃると思います。
次回は、「グルテンが身体に及ぼす影響」について書かせて頂こうと思います。
お礼の言葉
本日も物書き超ド素人の僕の作品を読んでくださり本当に心の底からありがとうございます。
今回はどうでしたでしょうか?楽しんで頂けましたでしょうか?
楽しく読んで頂けた方がいらっしゃいましたら心から光栄で嬉しくて幸でございます。
実は、僕の中で「こういう物書きって結構楽しいんだなぁ~。」
と感じてます。
理由ははっきりしてます。
前回の僕の作品を読んでくださって嬉しいお褒めのお言葉や応援のお言葉をかけてくださった「皆々様」のお陰様でございます。
改めてお優しくお声がけをくださった皆々様へ本当に感謝でいっぱいでございます。
読んでくださっているあなたは、いま、何をしながら読んでくださっていますか?
通勤中ですか?
お休み中ですか?
帰宅中ですか?
ゴロゴロしながらお家でですか?
大切な人に寄り添ってですか?
読み終えた後は何をされますか?
いま僕は早朝5:00(笑)に、
これを読んでくださっているあなたのことを想いながら
「少しでも楽しく読んでくださったらいいなぁ~。」と考えながら書いています。
東京にずっとあこがれていた僕は、15歳当時、勢いだけで単身上京しました。
あれから約24年が経ちます。
振り返れば本当に苦しい時もありました……。
中学時代3年間新聞配達でお金を貯めて、
「とりあえず東京に出てしまえば何とかなるだろう」
と、15歳での一人暮らしを甘く見ていた当時の僕はどうしようもなく……。
地元に帰る事も逃げ出す方法もわからず。助けて……誰か…もういいや……としんどい想いをしていた事も過去にありました。
ですが、ちゃんと振り返るとやっぱり数えきれないほどの沢山の暖かいお優しい人に支えて頂いているんですよね。
だって、今の僕は、大好きな料理を創り続けながら、こうして料理人としてこの世に活かされ生きています。
最愛の妻と子供に愛され。
敬愛する本当に沢山のお客様と仲間との出会い。
本当に沢山の尊敬するステキな人達の企画する渦に巻き込んでいただき続けています。
あなたもきっと沢山の苦しい想いをして乗り越えて。
今のあなたがあるのだと思います。
その苦しい想いを乗り越えてきたあなただからこそ、人に優しくできるんだと思います。
「もういいや…」なんてことは、何もないですよね。
生まれるべくして生まれてきたんですよね。
生まれて来ただけで偉いんですよね。
そんなあなたは優しい責任感が強い人だから、
上手く出来ない時には、そりゃあ自分を責めることもしちゃいますよね……。
でも、それも魅力的なんですよね。
そんな自分も愛おしく思ってあげられると良いですよね。
だって、あなたの大切な人が何かに、くじけたり落ち込んだりしている時に、
きっとあなたは、「大丈夫?私にできる事は何でも言って!」「飲みにでも行こうぜ!」「気にしないで!私は大好きだよ!」って言いますよね。
それでも、その大切な人が、
「今は一人にして……」「どうせ永遠なんてないでしょ……」
って言われたとしても……。
その時あなたは、
「いずれ来るかもしれない別れの時を怖がるより、必ず来るであろう明日のことを幸せに生きれるようにワクワクできる事を一緒に考えようよ」
ってその大切な人へ想いを伝えますよね。
「その言葉を自分自身に言ってあげてください」
だって、
「その想いを伝えたいあなたの大切な人は、あなたに同じこと伝えたい」
と想っていますから……。
もし、話し相手がほしくなったり周りの人に心配かけたくないから相談できない……。
なんて時は僕でよろしければ、僭越ながらお話し相手にしてやってください。
うちのレストランのカウンターで僕の創る御料理をゆっくりお召し上がりになりながらお話しを聞かせてください。
山崎史雄(やまさきふみお)