勝利より、ありがとう。

和嶋 俊光

和嶋 俊光

2026.08.05
column_WajimaToshimitsu

20代のすべてを捧げたボクシングを引退後、ストレッチトレーナーに転身し、全国No.1の指名を誇った和嶋俊光(わじま としみつ)さんの連載コラム第4弾です。サボることばかり考えていたアルバイトが、なぜ人生を大きく左右する天職に変わっていったのか。その転機を綴って頂きました。

燃え尽きた僕に、残っていたもの

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_和嶋俊光_燃え尽きた僕

ボクシングを引退した。

夢を追い続けた20代は終わった。

燃え尽きた。

いや、正確に言えば、燃え尽きた「燃えかす」だけが残っていた。

その燃えかすを、なんとなく始めたストレッチの仕事に注いでいた。

正直、この仕事を一生やるなんて思っていなかった。

でも、気づけば僕の人生を変えていた言葉があった。

「ありがとう。」

それは、いつの間にか僕の人生の原動力になっていた。

誰かを喜ばせることが、僕を変えた

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_和嶋俊光_誰かを喜ばせる

最初は本当に適当なアルバイトだった。

ボクシングが本業。

ストレッチは生活費を稼ぐため。

どうやってサボろうか。

どうやって楽をしようか。

そんなことばかり考えている、クソみたいなアルバイトだった。

でも、少しずつ変わっていった。

お客様に喜んでもらえることが嬉しくなった。

それからだった。

練習が楽しくなった。

勉強が楽しくなった。

営業が終わってからも練習した。

休みの日も技術を磨いた。

どうすればもっと喜んでもらえるのか。

どうすればもっと身体を変えられるのか。

そのことばかり考えていた。

ボクシングと同じだった。

夢中になれるものを見つけると、努力は努力じゃなくなる。

僕は「勝つこと」ではなく、

「ありがとう」を追いかけるようになっていた。

全国1位より、嬉しかったこと

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_和嶋俊光_全国1位より

ある日、会社のグループLINEに一本のメッセージが届いた。

「店長!!指名、全国1位ですよ!!」

「……え?」

最初は何かの間違いだと思った。

ランキングは見ていた。

自分が上位にいることも知っていた。

でも、何位なのかなんて気にしたことはなかった。

僕が見ていたのは順位じゃない。

目の前のお客様だった。

もちろん、全国1位になれたことは嬉しかった。

でも、本当に嬉しかったのは順位じゃない。

「人生が変わりました。」

そう言ってくださる方がいた。

涙を流しながら、土下座をして感謝してくださったお客様もいた。

ストレッチで身体を変えたつもりだった。

でも、本当に変わっていたのは、その人の人生だった。

あの時、初めて思った。

「この仕事は、人の身体を変えているんじゃない。

人生に関わる仕事なんだ。」

ボクシングでは勝利を追いかけた。

ストレッチでは「ありがとう」を追いかけた。

そして僕は知った。

順位は誰かが決める。

「ありがとう」は、お客様がくれる。

だから僕は、

順位よりも、「ありがとう」を追いかけ続けた。

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