日本の伝統と命の循環を守る『鎮守の杜』の再生に込められた思い

ワクセル編集部

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2024.04.13
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_志賀理和氣神社

樹齢1000年を超える老木から新芽まで、鎮守の杜には命の神秘が宿ります。人災に耐え、減災の役割を果たしてきた聖なる森を次世代に残すため、全国的な取り組みが進められています。命の循環と人々の絆が紡がれる聖地の復活に込められた思いを、宮司の田村寛仁さん、鎮守の杜の守り人である髙橋知明さん、林学博士の西野文貴さんに語っていただきます。

鎮守の杜が果たす多様な役割

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鎮守の杜には、風雨を和らげる防風林としての役割があります。同時に、森は防風や防火、地震や津波の被害を和らげるなど、暮らしを守る働きも担ってきました。東日本大震災の被害を目の当たりにしたことで、私たちは森が持つ防災機能の重要性を再認識しました。津波に襲われた沿岸部でも、鎮守の杜が残る神社の被害は軽微だったのです。

長い年月を経て成長した樹木は、力強い幹と枝葉を持ち、暴風雨や津波から周囲を守ってくれます。東日本大震災の経験から、鎮守の杜のグリーンベルトを沿岸部に整備することで、将来の津波に備える減災効果が期待できると考えるようになりました。

今までになかったアイデアを含めて、次世代に残していくことこそが真の復興だと思います。人々の心を含めて興していく必要があり、私たちはその後方支援ができればという使命感を持っております。

一つひとつの命の循環が生み出す奇跡

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神社をつくることと、森をつくることは、一般的には遠いもののように思われるかもしれません。神社と森はお互いなくてはならない存在です。人々の拠り所となる神社と、多様な生き物が暮らしていくためには、鎮守の杜が必要なのです。

元々、日本は”自然崇拝”のなかで成り立ってきた歴史があるなかで、神社と森が支え合いながら暮らしてきました。森づくりをやっていると、まさに奇跡の連続を目の当たりにします。ひとつの小さな種子が芽を出し、やがて木々が成長し、その中で何回も奇跡を起こして、最終的に大木になります。その集合体が、神々しさを生み出す場所となるのです。

その最初の一歩を人の手で始める今回のプロジェクトは、とても重要なものだと思っています。日本は気候が豊かなので、300年くらい放っておけば勝手に森はできますが、自然が元に戻るのを後押しすることが、人間が自然のために為すべきことなのです。

鎮守の杜プロジェクトを日本全国に拡げていく

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以前にあった鎮守の杜では、本当に色々な生き物に囲まれて過ごしました。小鳥のさえずりや、虫の声など、自然を感じられる場所は、地域にとっても財産になると思っています。

今回のプロジェクトでは、『植樹祭』をひとつの目標としています。そこに参加した人にとって、自分が植えた木々が成長していく姿をみるのはなかなかない機会になると思います。それがきっかけとなって、地域の人が森や神社に親しむ心が芽生えてくるのではないでしょうか。

実は、全国の神社の4割が20年以内に消滅の危機に瀕していると言われています。神社の衰退は、地域のコミュニティと密接に関わっています。神社は古くから地域の人々の心の拠り所であり、そこで営まれるお祭りは伝統文化の結晶でもあります。神社がなくなってしまうと、その地域が築いてきた文化がなくなり、二度と取り戻すことはできません。

一社でも多くの神社を残していくために、多くの人を巻き込みながら「日本全国の伝統文化を守ろう」という大きなうねりにしていく必要があります。志賀理和氣神社から始めるこのプロジェクトが、大事なことを伝承していくために、大きなうねりとなって日本全国に広げていけたらと思っています。

誰もが当事者として関われるプロジェクトですので、全国の色々な神社や鎮守の杜について考えるきっかけになればと考えています。色々な人に関わっていただき、多様性のある森になることを願っています。

この度のクラウドファンディングを通じて自然の奇跡に触れて、過去から学び、今を考えるきっかけになり、未来へつなげていきたいと考えています。皆さまの温かいご支援をお待ちしております。

岩手県紫波町・志賀理和氣神社|御鎮座1220年、フクロウがいた千年の森を再生