チャレンジ 挑戦をあきらめない生き方②〜「好きなこと」探しにこだわりすぎないことの大事さ〜

藤堂 修

藤堂 修

2022.12.02
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ 藤堂さん_バックショット

本コラムは、『チャレンジ 挑戦をあきらめない生き方(きずな出版)』の著者・藤堂修さんによる連載です。新しいことにチャレンジするとき、「好きなこと」探しにこだわりすぎないことです。「好きなことをやりなさい」というアドバイスをよく聞きますが、そのまま受け取って良いのでしょうか。好きなことをやっていけば、果たしてそれで理想の人生になるのでしょうか。今回のテーマは、「好きなこと」探しにこだわりすぎないことの大事さです。※以下、同書を一部編集、抜粋

「好きなこと」をやればうまくいくのか?

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ 藤堂さん_飲食店

「好きなことをやりなさい」というアドバイスをよく聞きます。

私も新しいことにチャレンジするとき、「自分の好きなことってなんだろう?」と考えていました。ただ、考えても考えても、「これだ!」というものは、なかなか浮かんできませんでした。いえ、正確に書くと、浮かんできたものはいくつかありました。

でも、

好きなことをやっていけば、果たしてそれで理想の人生になるのか?

という疑問が出てきたのです。

私は3人兄弟の末っ子で、5つ年上の兄と、7つ年上の姉がいます。この5つ年上の兄が「飲食が好きだから、飲食店を将来的にやりたい!」という夢を叶えるために、突然、脱サラして飲食店を始めるといい出しました。

これには家族全員が反対。しかし、そんな反対を押し切って、兄は店をオープンさせます。結果、地域一番店といえるほどに大繁盛するお店になりました。兄は、何をやっても、器用にかたちにしていく人でした。

経営の経験もないなか、すぐに結果を出した兄のことを、私は今でも心から誇らしく思っています。そんな兄は、飲食店を2店舗、3店舗と展開して、すぐにほかの「好きなこと」や「やりたいこと」に取りかかると思っていました。

ただ、13年お店は続けていますが、1店舗目のような成功はなかなか難しく、2店舗目も出したものの、ほかの人に譲っています。

器用な兄でも、「好きなこと」や「やりたいこと」を次々と実現するのは難しいものだと、自分としては、ショックを受けました。そうした記憶から、「好きなことをやっていれば、それで理想の人生が手に入るのか」ということを考えてしまったのです。

好きなことよりも「どうなりたいか?」が大事

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ 藤堂さん_どうなりたいか

そんななか私は、先輩経営者からいただいた言葉で、大きく前提を変えることができました。

「どうなりたいのか? を重視することが大事」

「『好きなこと』をやったら、それは実現できると思うよ。ただ、ほかの『好きなこと』や『やりたいこと』は、あきらめることが多いかもしれない。先に『やるべきこと』をやって力をつけると、すべての『好きなこと』や『やりたいこと』が実現できるよ

この言葉は、当時の私には衝撃的でした。ただ、その方は圧倒的な成果を出している人だったので、その言葉をそのまま受け入れた結果、今ではこの言葉の大事さを実感しています。

どういうことかというと、

「『好きなこと』『やりたいこと』だけ考えて行動して結果にした! ただ、振り返ってみると、本当に望んでいることの一部が実現しただけで、後悔している……」

という結果は悲しいということです(好きなことを1つだけ実現したら、もう満足!という人は少ないのではないでしょうか)

好きなこと・やりたいことは、目の前のことだけ考えた、近視眼的な目標であるケースも少なくありません。好きなこと・やりたいことだけをやった先に、理想の人生があるのかを、よく考えて描いたほうがいいということです。

「好きなことがある人」は、好きなことも実現している理想的な状態のビジョンや目標を描いてみましょう。

長期的なビジョンや目標、「どうなりたいのか?」を大事にすることは、好きなことをやってはいけない、ということではありません。「好きなことがない」と悩んでいる人は、無理に好きなことを見つける必要はありません。

長期的なビジョンや目標、そして「どうなりたいのか?」を大事にしてみてください。「好きなこと」は、動いているうちに必ず増えていきます。

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