働く時間を”いきいき”と充実した時間にするために

重光 咲希

重光 咲希

2022.05.09

今回からスタートする臨床心理士の重光咲希さんのコラム。働く時間をいきいきと喜び、満足感を持って過ごすためのヒントをお伝えしていきます。第1回は、周りの人を気にかけること、自分の強みを発揮することについて教えていただきました。

あなたにとって働くとは、どういうことですか?

「幼い頃からの夢を叶えている。」あるいは、「生きるためのお金を稼ぐ、仕方ないこと。」「仕事は辛いもの。」「言われたことだけをすれば良いもの」など、様々な考えの人がいるかと思います。

どのような人でも、人生において「働くことに費やす時間」は多く、その時間をどのように過ごすかによって人生の満足度にも影響があるのではないでしょうか。私は、臨床心理士として、働く時間を“いきいき“と充実した時間とするためのサポートを行なっています。

今回の記事が、あなたが働く時間をいきいきと喜び、満足感を持って過ごすための視点の一つとなれば幸いです。

「働く」とは「はた(傍)」を「らく(楽)」にすること。

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『「働く」という言葉は、「傍(はた=周りの人)」を楽(らく)にする」ことから成り立っている、誰かの役に立つことが「はたらく」である、という見方があります。』

(引用:野口雄志「君たちはどう「はたらく」か?」セルバ出版,2021年8月13ページ)

こちらは諸説あると言われておりますが、私は「働く」をこのように考えることは自分の仕事を誇らしく思うことができる、素敵な考え方だと思っています。

「あなたの仕事、働きは誰かの役に立っている。」

組織の規模や携わるフェーズによって、直接お客様の喜んでいる姿が見える人と見えない人がいるとは思いますが、全て繋がっていて必要な存在なのです。当たり前のことに感じるかもしれませんが、改めて「自分の仕事は誰かの役に立っている」と自分自身で自覚することが大切だと考えます。

その時に、どんな人の役に立っているのかも具体的に想像できると、もっと自分自身も嬉しくなるのではないでしょうか。そのような視点を持つと仕事が“辛いもの”や“仕方なく”という時間でなく、自分にとっても周りにとっても嬉しい時間にできると思います。

とはいえ、仕事をする上では苦しい時や辛い時、自分ではどうしようもできない問題にぶつかることもあるかと思います。

一人で抱え込まずに相談しよう

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そんな、悩みやストレス、不安や課題を抱えたときには、一人で抱え込まずに誰かに相談することを手段の一つとして心に留めておいてください。職場や身近な人で相談できる人がいると心強いですが、いきなり職場の人に相談するのは、ハードルが高かったり誰に相談したら良いかわからないと感じる方もいると思います。

そんな時には、厚生労働省の「働く人の『こころの耳相談』(https://kokoro.mhlw.go.jp/tel-soudan/)」など外部機関に相談することも一つの手段です。一回の相談ですぐに解決!とまではいかなくとも、話すことで考えがまとまったり具体的な解決のための行動が見えてくるかと思います。

また、職場の関係づくりの工夫としては、自分に余裕がある時には、自分から周りの人を気にかけてあげることも大切だと考えています。自分が話を聞いてあげる、または、解決のサポートをするということではなくても、相談できるところを一緒に探したり、気にかけているよという姿勢を見せることも助けになっていると思います。

普段から職場全体で助け合う雰囲気が築けていれば、自然と自分が助けたり助けられたりできる温かい環境をつくることができます。

強みを活かす

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また、働く時間を“いきいき”とする上で欠かせないことは、「自分の強みを活かすこと」です。

しかし、自分の強みは、“当たり前だ”と思いやすく自分ではなかなか気づくことが難しいものです。そのため、自分で自己分析をすることも大切ではありますが、周りの人に聞くことや強み診断ツールを使うなど客観的に自分の強みを知る方法もおすすめです。

強み診断ツールは、いくつもありますが、私が最もおすすめする「強み診断ツール」は、ストレングスファインダーです。

ストレングスファインダーは、強み心理学の父ドン・クリフトンが開発した、自分の強みを診断できるテストです。この診断でわかる自分の強みは、単に長所という意味合いではありません。

その人が意識しなくても自然とできる行動・思考・感情のパターンを表します。そのため、どんな時でも強みが+に働くとは限らず、時には、強みがマイナスに働いてしまうこともあります。

自分の強みを理解することで、強みを状況に応じてコントロールすること(強みをより効果的に使い、弱みを管理すること)ができます。

さいごに

“いきいき”と自分の強みを活かして働くことからメンタル不調の予防までの施策は、個人の努力だけではなく職場全体での変革が必須と考えます。また、適切な施策は職場ごとに違うため、ご興味を持ってくださった際にはぜひお気軽にお問い合わせよりご相談ください。

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