人脈を広げたい!

櫻井 秀勲

櫻井 秀勲

2022.04.14

櫻井秀勲(さくらいひでのり)さんは、元『女性自身』編集長で、女性心理・女性の生き方研究の第一人者。出版社4社の編集長・取締役・顧問や共立女子短期大学講師を経て、現在はウーマンウエーブ代表取締役会長、きずな出版代表取締役社長、KIZUNA CREATIVE取締役も兼任しています。本コラムでは、櫻井さんの長年のご経験を踏まえた「人脈を作ることの大切さ」を語ります。

人脈こそがこれからの時代生き残る鍵

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これからの時代は、いかに大勢の仲間や先輩、後輩を持っているかが、大事になります。同じような年齢や仕事、趣味の友人達だけでは、同じような話題や情報しか、交換できないからです。

それでは社会的に上の立場の人と話すことができません。またそういう人たちに、可愛がられることはムリでしょう。いまは、できるだけ上の人たちと交わる生活や行動をしないと、社会で脱落組に入ってしまいます。

なぜそうなるのかというと、定年まで同じ会社にしがみついている時代ではなくなってきたからです。自分の力で社会の階段を上がっていかなければなりません。

私は出版社に入ったことで、初めから有名作家や芸能人、中でも女性たちのお宅に伺わなくてはならず、苦労を重ねましたが、その経験が90歳のいまでも、生きているのです。

では、どうしたら人脈を広げることができるのか?私の経験では「時間厳守」が一番大事です。二番目には、その人の好きなもの、好きなことをすばやく知ること。また手帖を持っていて、ここは重要というポイントを、目の前で書き込むこと。

特にこのメモは、どんな方でも喜んでくれます。いい加減に聞いているのではないことが、その方にわかるからです。さらに次に伺ったとき「先生の言葉でチャンスが生まれました!」と、作り話でもいいから、メモの効果を報告するのです。

依頼側は「奇数の法則」を活用する

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つまり、一度伺った方とは次につながるように、懐に飛び込んでいくのです。

私が大事にしている「奇数の法則」というメール法があります。例えばこちらから、何かお願いするとします。

①「〇〇の件、ぜひお願いします」
②「了解。やらせていただきます」

これでは偶数で終わってしまいます。このときは、

③「ありがとうございます。ぜひよろしく」

これなら両方とも安心です。あるいは、

③「ありがとうございます。では〇日に伺いたいのですが」
④「ぜひ。午後2時に来てください」
⑤「承知しました。午後2時に伺います」

これで奇数になります。相手も安心でしょう。つまり、依頼する時には、必ずこちらから奇数で終わらせるようにすると、相手は「この人はしっかりしている」と、信頼してくれるようになるのです。

特に女性の場合は、男性より不安定感が多いので、安心させるようにするだけで、親しさが増してくるものです。

私は「女学の神様」といわれていますが、それは女性の不安定感を、よく知っているからなのです。それは高齢女性でも、有名女性でも同じです。

時には次に伺う日を、口だけではなく、名刺の裏に「何月何日〇時」と書いて、渡すこともあります。たったこれだけで、信用度がぐんと増すものです。

あるいは最後に握手して「次回は何月何日に伺います」といえば「この人は信頼できる」と、思ってくれるのです。

なるべく目立つ場所にいること

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「この男は人脈が広げられるか?」を見抜く方法に、若い人に集合写真を持ってこさせることがあります。学生時代の集合写真でも、つい最近の集合写真でもかまいません。

自分に自信を持っている人は、前の方に座っているか、真ん中辺にいるか、目立つところにいるものです。これらの人たちは、話すことが嫌いではありませんし、積極的な人の環を広げられるタイプです。

ところが脇のところや、一番後ろの目立たないところにいるような人は、それこそ有名人のところにいけない、無口なタイプが多いものです。

私は「有名になりたい人、成功したい人は、私の近くにいらっしゃい」というのですが、そんなことを言うまでもなく、素早く私の隣に立ったり座ったりするタイプは、間違いなく、私が「何か依頼できる」男女です。

さらに優秀な人は、2つか3つ、新しい話や珍しい経験談を常に用意しています。これによって、顔と名前を覚えられていくのです。

あるいはドアを先に開けたり、エレベーターのボタンを押すなど、気が利くタイプも目を付けられます。私はこの高齢になっても、人脈を広げつづけていますが、それだけで元気が出てくるものです。

毎日が人脈を広げるチャンスです。その人脈を広げれば広げるほど、あなたのチャンスは広がっていくのです。