催事買取でリユース業界のイメージを変える

ワクセル編集部

ワクセル編集部

2025.09.02
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株式会社STYLEの代表取締役を務める田村涼太(たむらりょうた)さんは、リユース業界の買取事業において、店舗買取や出張買取、宅配買取など多様な形態がある中で、現在は催事買取を主な事業モデルとして展開しています。田村さんに、事業への思いを伺いました。

急成長の背景と代表就任への覚悟

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催事買取とは、スーパーや商業施設の一角をお借りして、買い物に訪れたお客様に対し直接アプローチし、不要品の売却を促すビジネスモデルです。現在、全国で週あたり約75店舗(※)で開催しており、特に関東と関西を中心に展開していますが、今後は全国への拡大を目指しています。※2025年5月実績

株式会社STYLEは現在5期目の会社であり、私が代表取締役に就任したのは2025年4月です。特に4期目には、前代表のもとでフランチャイズ展開を本格的に始動し、わずか1年間で約4倍の店舗数拡大を達成しました。

代表就任の打診を受けた際、私は前代表から「田村だからこそ、この話をする。もし田村が代表取締役をやらない選択をすれば、自分が代表を続ける」と言われたことに深く考えさせられました。自身の成長の機会となること、そして前代表が本当にやりたいことを実現させるためにも、自分が代表を引き受けるべきだと決断しました。

「やらない後悔よりやる後悔」という思いから、私は代表就任を決意しました。自身がCOOなどの立場で会社全体を見ることで大きく成長した経験から、代表取締役という重い責任もまた、自身の成長につながると信じています。そして、その成長を社員に還元し、共に会社を成長させていきたいという強い覚悟と、ある種の焦りも感じています。

仕事で大切にしている2つの軸

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私が仕事において大切にしていることは2つあります。

1つは成長です。新卒の頃にAIが人の仕事を奪うというニュースを見て以来、「AIに淘汰されたくはない」「AIを使い倒す側になりたい」という強い思いを抱き、自身の人材価値を高めるための成長を常に追求してきました。できないことをできるようになり、できることを増やしていくことが、人生を豊かにすると考えています。

選択肢が増えることは、それだけ人生の可能性を広げることにつながります。そして、その選択肢を増やすために欠かせないのが成長であり、最も大きな成長の場となるのが「仕事」です。

仕事は人生で最も多くの時間を費やすものであるため、それをただお金を稼ぐだけではなく、「楽しい時間」「良い成長機会」にすることが重要だと考えています。社員にも同様に、自分自身の成長を通して選択肢を広げ、充実した人生を送ってほしいと願っています。そのためにまず自分自身、そして自社の社員が成長していくことが大切です。

2つ目は責任感です。私の長所は「責任感」で、任されたことは必ず最後までやり切り、100%やり遂げることで期待に応えようとする姿勢が人一倍強いと自負しています。たとえ自分の能力以上のことであっても、周囲の協力も得ながら「とにかく達成させる」ことを徹底してきました。大切なのは矢印を自分に向け、自責で物事を捉えることです。成果が出なかったとしても、100%やり切ったからこそ「なぜ成果が出なかったのか」という理由が明確になり、次の挑戦に生かすことができます。自分に責任を置き、最後までやり切る姿勢——それこそが私の成功体験の源です。

社員と向き合う姿勢・日本一への挑戦

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代表に就任したばかりの頃、まず取り組んだのは「社員一人ひとりとしっかり向き合うこと」でした。古参メンバーや今後の中核を担うメンバーと1対1で食事に行き、プライベートな話も交えながら率直に語り合う時間を大切にしました。そこから生まれたのは、ただの業務上の報告では見えてこない本音や価値観です。社員の思いや考えに耳を傾けることで、会社をより良くしていくための方向性を共に描くことができました。

「社員と向き合う」姿勢は、STYLEが大切にしてきた文化であり、これからも日本一の催事企業を目指すための基盤になると考えています。

今後の目標として、「催事業界で日本一の企業になる」ことを掲げています。これは単に売上や店舗数を追求するだけでなく、顧客満足度で1位を取ることです。

私たちは、サービス屋号の「ブランドコミュニケーションズ」に込めた想いのとおり、お客様との会話を大切にし、寄り添った接客を心がけています。これは、私たちが創業以来大切にしてきた姿勢であり、特に力を注いでいる取り組みのひとつです。

そして、その価値を言葉だけでなく「結果」で示すために、顧客満足度で1位を目指しています。大切にしている想いを“数値”として証明し、より多くのお客様に安心して選んでいただける存在を目指しています。

リユース・買取業界はこれまで、一部の事業者による強引な買取や誤解を招く宣伝方法などにより、お客様に不安を与え、イメージが良くない部分もありました。

しかし本来リユースは、お客様から大切なお品物をお預かりし、お金をお支払いすることで、ものの循環を促し、エコにも経済的にも貢献できる非常に価値あるサービスだと考えています。

だからこそ、このサービスをもっと多くの方に知っていただき、安心して利用していただきたいという強い思いがあります。

具体的な目標は2つあります。

1つは、業界全体の水準を引き上げることです。サービスの質や信頼性を高めることで、より健全な市場をつくり、お客様が安心して利用できる環境を整えていきたいと考えています。

2つ目は、催事の質の向上です。スーパーなどの会場を提供してくださる企業としっかり連携し、お客様に安心していただけるサービスを提供することを大切にしています。誠実な催事運営を続けることで、スーパーからも「信頼されるパートナー」となり、結果的に集客や地域のお客様への価値提供にもつながると考えています。

これらを実現するためには、実績と認知、そして信用・信頼が不可欠です。まずは催事買取の分野で圧倒的なNo.1の地位を確立し、その実績をもとに、将来的には買取業界全体に良い影響を広げていきたいと考えています。