愛媛と東京の懸け橋に!音楽を通して人と人をつなぐ思いとは

越智 啓太

越智 啓太

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_越智啓太さん_プロフィール

越智啓太さんは愛媛県の東温市出身で、高校を卒業した後に上京し、音楽活動を開始しました。2017年にソロ活動を始め、2019年に愛媛県東温市の観光大使に就任。2019年にユニット『DAN☆DAN』を結成し、同年に1stアルバムをリリースしました。愛媛と東京の懸け橋となることを目標とする越智さんに、デビューまでのきっかけや今後のビジョンについて伺いました。

東京の人は決して冷たくない

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_越智啓太さん_東京で活動

私は愛媛県のなかでも田舎の出身でした。高校生まで愛媛以外の世界を知らず、東京はテレビの向こう側の違う世界だと感じていました。ただ、愛媛にずっといるとなんとなく将来が見えてしまいます。東京に行きたいというワクワク感が募って、上京することを決意しました。音楽がしたくて上京したと言うより、夢を探すために東京に出て後付けで音楽を始めました。

愛媛は良い意味でゆったりしているので、安定できるし心地よく過ごせます。一方、東京は良い意味でギラギラしているので、感覚を変化させていかないと置いていかれます。愛媛で培った田舎特有の優しさと、東京の生活感がマッチできるようになってからは人脈が増えるようになりました。

田舎出身の人は、よく東京の人が冷たいと言います。しかし、自分はそんなことないと思えるエピソードが上京後に起きました。東京で音楽の夢を追いかけながら、生活費を稼ぐためアルバイトをしていたとき、都会での一人暮らしに身体が追いつかず、41.7度の高熱で体調を崩して入院。保護者なしでは入院できないと医師に言われて、愛媛に戻ることも頭をよぎりました。

そんなとき、仕事の合間をぬって来てくれたのがバイト先の店長でした。高熱で意識がもうろうとしているなか、店長は「バイトは気にしなくていいから、早く回復してね」と温かい言葉をかけてくれました。店長の優しさを感じたとき、自分の頑張りで周囲の人がつくられ、良い人に恵まれ、さらに頑張ろうと決意しました。店長がいなかったら人間的にダメになって、地元に帰っていたと思います。

愛媛の観光大使は、市役所への電話から

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_越智啓太さん_ライブハウス

東京で音楽をやろうとなったらすぐにできますが、愛媛ではライブハウスを探すのもひと苦労です。音楽に対する警戒心が勝手にイメージづいてしまい、ライブハウスが怖いと感じる田舎の人は多くいます。それは、身近になくてイメージが先行しているからです。

東京は人が冷たいと言われていますが、自分で足を運んで温かい人がいることを知りました。「愛媛で成功している人がいないから無理だよ」という先入観を払拭するため、自分自身が前例となることを決意。自分が成功例となれば、愛媛で何かやりたい人をつなぐことができると考えました。

田舎の人は東京に憧れ、東京の人は田舎に憧れます。でも、お互いに行く理由がそんなにありません。修学旅行や親戚がいれば会いに行くのと同じように、自分のファンというつながりや、共演者同士の縁があれば集まりやすいはずです。そして何より、縁が広がれば愛媛に貢献もできますし、人の輪が広がるのを見てもっと大きくしていきたいと感じました。

そんな自分がどうやったら地元を盛り上げられるかと考えたとき、純粋に「観光大使になれれば」とひらめきました。しかし、調べてもどうやったらなれるかわからなかったので、思いきって市役所に電話をしました。すると「上につなぎますね」と話が進んで市長と会うことに。市長へ思いを伝えると「ぜひお願いします!」と観光大使に任命されました。

実はたまたま電話したときに出た担当は、幼稚園が一緒だった幼馴染でした。「啓太くんは小さい頃から言ったことはやる人で、よく注目を浴びる人物だった」と上の人に伝えてもらっていたようです。さらに偶然だったのですが、市長と仲良かった人の中に学生時代の部活の監督がいました。監督が「あいつは勢いがあるし、任せても大丈夫」と口添えいただいたおかげで面会までセットされました。

自分は縁に恵まれていると実感し、一人ではなくいろんな人を巻き込んで愛媛をもっと知ってもらいたい。そして、愛媛の力になりたいと活動を続けました。

親友のひと言からソロデビューへ

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_越智啓太さん_音楽ユニット「DAN☆DAN」

元々、音楽活動はグループを組んでいましたが、転々としていました。これで最後にしようと思ったグループが解散した後、ソロでやっていく自信もなかったのでどうしようと考えていたところに、ちょうど親友から電話がきました。

「今度結婚するから、式で歌ってよ!」

「曲を持ってないよ」と言ったら、「作ればええやん!」と。実は、電話をくれた親友は自分がキューピッド役で結婚することになったので、親友のために曲を作りたいと思いました。そこで、曲作りのためにクラウドファンディングのような形式で曲を募集したら、予想以上に応援してもらえました。

グループを解散したもののファンに感謝を伝え切れていない思いもありました。グループでは「売れるために」音楽をやっていたのが、これからは「誰かのために、何のために」をしっかり意識するようになりました。

「大事な人に届けられる歌」をテーマに、ソロでの活動がスタート。「自分の曲は求められていないのでは?」と思っていましたが、はるかに多くの人が応援してくれることを実感しました。

愛媛の観光大使となってからは、東京の愛媛支部をつくり愛媛の人たちでイベントを開催。メンバーを探すためにTikTokを見ていたところ、路上ライブをしている愛媛出身の男の子を見つけました。プロフィールに「上京したばかりで、右も左もわからないけど頑張ります!」と書いてあるのを見てすぐに連絡。話がトントン拍子に進んで、音楽ユニット「DAN☆DAN」を結成しました。

今後は、愛媛と東京の懸け橋となることや、個人としては全国ツアーを開催していきたいと思います。「僕らが会いに行くけんね」をコンセプトに、新しいイベントプロジェクトを立ち上げて、愛媛から全国盛り上げていきます!

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