飲食チェーン管理職からライターに転身「伝え下手な人の代弁者になる」

中森 学

中森 学

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飲食チェーンの管理職からライターに転身した中森さん。「営業活動をしなくても人とのご縁で仕事がつながっていく」と語る中森さんは現在、記事のライティングに加えて資料作成の依頼も多く担当しています。異業種からライターへ転身した理由や、自身が考える仕事との向き合い方、これからのビジョンについて伺いました。

ライターとして独立10年目を迎える

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私は今年、ライターとして独立して10年目を迎えます。独立したきっかけは、友人のひと言でした。前職は飲食業界に10年間お世話になり、自分の中で「区切りを迎えた」という感覚があったときに飲食業界とは違う業界に行こうと、転職活動を始めました。しかし転職活動がうまくいかず、自然とフリーランスとして独立することを考えはじめたんです。

自分には何ができるか分からない状態で、どうしようかと悩んでいるときに、久しぶりに友人と会う機会がありました。そこで仕事の話になったので、前職で従業員の育成や社内報の作成をしていたことを話すと「文章を書く仕事をしたら良いんじゃない?」とヒントをくれました。それにピンときて、そこからライターと名乗るようになりました。

今の仕事の大半は、パワーポイントを使ったプレゼン資料、セミナー資料、営業資料の作成です。今までは、継続案件で記事を執筆する仕事がほとんどだったのですが、昨年、あるお客さまから「パワーポイントの資料作成はできる?」とお声がけがあったんです。

その方は、数十人の前で自分の仕事をプレゼンする機会があり、資料作成に困っていました。伝えたいことはたくさんあるけれど、プレゼンの時間制限があるなかで、うまくまとめられないという状態でした。

その時、私と話すといつも頭の中がスッキリと整理される感覚があったのを思い出してくれたようで、資料作成のご相談をいただきました。今では仕事の6割は資料作成となっています。

独立してからは、いつもこうやって仕事のお声がけをいただいて、次の仕事につながっていくという流れがあります。自分で営業するというのはほとんどありません。人とのご縁が仕事をつないでくれるので、感謝の意味も込めて、皆さんのお役に立とうという一心で仕事をしています。

前職はファストフード店の管理職

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前職はファストフード店で管理職をしていました。主な仕事は、スタッフの人材育成するトレーニングです。1日10人以上のスタッフと1on1をしていました。

私は学生時代、クラスの中でもどちらかといえば、1人でいるような存在でした。“浮いていた”といっても良いかも知れません。クラスメートとつるむというのがどうも苦手でした。みんなが興味ある音楽、漫画、ゲームなどに関して、私は興味がありませんでした。自ら1人でいることを選択する、そんな人間でしたね。

そんな私が、たまたまアルバイトに入ったのがファストフード店でした。初めてのチームワークに戸惑いながらも、自分ができることを一生懸命やっていたら「すごいね」「助かるよ」と声を掛けていただいたんです。「自分でも人の役に立てるんだ」と思い、驚きました。誰かの役に立って喜んでもらえることが嬉しいことなんだと、そこで初めて学びました。

今考えると、前職で苦労したことはあまり思い浮かびません。もちろん、短期的な目線でいえば、お店に移動したときやスタッフがガラリと変わったときは、しっくりいかないときもありました。でも従業員や店舗が困っていることを聞いて、自分ができることを一つひとつ行動していけば、自然とみんなの心を開いてもらえるようになると学びました。

実は、これは独立してからも同じです。今、自分ができることを考えて向き合い行動に移す、それを大切にしています。

チャレンジしよう!でも「ひとりぼっちで頑張らないで」

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私はもともと性格的に、集団の中心にいるような人間ではありません。集団の中でいえば、端っこにいるような控えめなタイプです。でも、私の中には明確な考えや思いがあります。ただうまく伝えることができないだけなんです。

私はライターとして、私と同じような口下手な人たちの代弁者としてサポートしたいと思っています。たとえば、小さな企業でも、良い製品やサービスをつくっている人たちはたくさんいます。知られていないだけなんです。そんな方たちの発信を手伝って、少しでも“口下手な人が損しない社会”になれば嬉しいです。

これから何かチャレンジをしたいと考えている人には、「ひとりぼっちで頑張らないで」という言葉を送りたいです。良い仲間は、自分に強さと勇気を与えてくれます。ぜひ仲間作りを念頭に置いて、一緒にチャレンジしていきましょう。

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