「お客様の信頼を得ながら売上アップ」高リピート率の人材を育成するマネジメントスクールが開校

ワクセル編集部

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2025.09.14
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東京・西新宿で『背骨の整体SUIREN(スイレン)』を経営するオーナーセラピストの中原美知子(なかはらみちこ)さんが、2025年4月から美容事業のためのマネジメントスクールを開校。人材育成とサロン経営に長年携わってきた中原さんがどんな経緯でスクールを始めるに至ったのか、どんなことが学べるのかを伺いました。

お客様からの“お買い上げ=信頼投票”を積み上げて売上をアップしていくために

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私が運営するマネジメントスクールでは、エステ・痩身・整体・ネイル・まつ毛・パーソナルトレーニングなどto Cで事業をしている方のほかにも、広告関係やコンサル、Web制作など美容健康事業を支えるお仕事の方々も参加され、規模やキャリアに応じて学びのコースが選べるようになっています。

初級では、店舗オープン後にどのように集客すると効果的かをレクチャーし、“すぐに営業力が上がるワーク”やメニューやオペレーションについて“お客様に人気になる要点”を押さえた見直しをその場で扱い、どの事業の方も共通して大切なことを身につけていただける構成なので、すぐに売上アップにつながる6ヶ月です。

多くの店舗や施術者の集客はWeb広告やSNSマーケティングに依存している部分が多いのですが、どれだけツールが素晴らしくても売上が上がらない人が書く文章や広告は出元が同じなのでやはり売り上げが伸びません。もしくは広告の力で初回激安体験には来てくれるけどその後固定客になったり紹介をいただいたりする経営にはなり難いのが実情です。根本的な課題をクリアしなければツールを増やして予算をかけても経費回収に必死・・・そんな方がたくさんいるのが現実です。

「人を綺麗にしたい健康になってほしいと願う人たちにこそちゃんと経営できるようになってほしい」そんな思いから、コンサルは高くて受けられないという方々のためにグループワークで楽しく実力を身につけて売り上げが伸びる場を提供しようとスクールを開校しました。

実際には少し高くてもやっぱり自分のサロンにあったコンサルをしてほしい、というご注文の方が多いのも事実ですが、グループワークだからこそ気づきや発見があり、ワークのお相手からお客様目線でのアドバイスももらえるので、今のところ実際に6ヶ月の間に顧客数が伸びたり事業規模が大きくなった方ばかりです。

私たち美容健康に関わるお仕事にとって最も大切なのは人からいただく信頼です。情報が山ほどある時代で値下げ競争の中で、「あなたのお客様になりたい!」と信頼をいただくマネジメントを覚えていくことで、積み重なっていく売り上げの上がり方に変わっていきます。顧客保有数が伸び、お客様単価が上がる「質と量」の仕事を始めるための「やり方」と「在り方」と「仕組み作り」の3つを知り身につける場にしています。

逆に言うと

1回目に来店した後に、
「もう一度この店に来たい」
「この人に担当してほしい」
「お店もしくはスタッフのファンだからもっと広めたい」

とならないとどんなに広告にお金をかけてもリピートにつながらないんですよ。広告費のために働いているという状況に陥ってしまっているところが非常に多いです。

たとえば具体的な話だと、最近はニュースで目にした方も多いと思いますが、脱毛の会社がたくさん倒産しています。脱毛サロン業界のように値下げ競争になってしまうと、資金力のないところは閉店せざるを得ません。

「世界中どんなところに行ってもその腕さえあれば生計が立てられる」ように、技術が群を抜いて上達していれば確かに生きてはいけるかもしれません。でもその人柄やサービスが満足度の高いもので尚且つ教えたらやれる人を増やせる仕組みでないと事業として規模を大きくするのは難しいでしょう。どんなお仕事でもその第一歩は「人から信頼をいただきながらお客様をつくっていく」ということです。決して「安いから来た」ではなく、「高くても来てみたかった」「来てよかった」と思っていただけるお仕事を身につけることです。

スクールではワークの他に概念的に理解して方向性を掴んでもらうためにCRM(顧客関係性マネジメント)とはどういうものなのかもお伝えしています。

私自身は28年間、完全紹介制サロンという現場で個人実績と組織育成・運営、コンサルなどを実践してきました。自分がやってきたからこそ伝えられることがあるんですよね。スクールの初級は月3万円の費用で6ヶ月間、お客様から信頼を得て店舗の売上を伸ばしていきながら、紹介で新規のお客様が来てくれる流れと、一人でも利益が増えていく仕組みをつくるために、その人自身の『あり方』はどうなのか、仕事の『やり方』はどうなのか、売上がどのように上がっていくのが健全な運営・伸びる経営なのかなどの観点で学んでいただきます。個別コンサルだと費用が高くなってしまうので、集合学習で月に1回2時間学びに来てもらっています。フォローアップとして平日夜に1時間30分のグループ質問会をオンラインで行っています。

売上目標に応じて初級・中級・上級・エグゼクティブコースと4つのコースがあります。初級は開業したてや伸び悩んでいる方々の基礎学習で売上目標70万円~150万くらいの小規模店舗の方向けまたは社員様向けです。150〜500万円を目標にして店販・物販もやりながら1〜2人スタッフを育成したいと思っている方や美容機化粧品卸業などの高額商品取扱の方などは中級がおすすめです。他店舗展開や5名以上のスタッフでお店を回していて500〜1000万円ほどの目標を追いかけているけれど、どうやったら売上が伸びるかが見えないという方向けには人材育成に関する内容や販促、マーケティングの見直しなども含めて上級コース。エグゼクティブコースでは月間売上1,000万円前後をマネジメントする人材を育てたいオーナーや、他店舗展開のサロン経営者などにおすすめです。ただし現状では経営者の方は個別コンサルをご希望されるので、グループワークは開講されていません、残念ながら(笑)。サロンへ訪問して社員様たちへ初級や中級と同じ内容をスクールとは別枠でグループ参加いただき提供するなど、キャリアアップ補助金の対象としてご注文いただくこともあります。現場に入るとスクールよりもより現実的な課題を扱うことになるので成果のためのお時間の他に、社員様個別カウンセリングのご発注をいただくこともあります。国家資格キャリアコンサルタントがこんなところで役に立っていたりもします。

営業ができなかったところから営業&人材育成のプロになるまで

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マネジメントスクールをやってみようと思ったのは、人材育成が好きというのが根本にあります。30年近く美容業に携わっていて、完全に口コミだけで集客している会社で育てられたんです。広告は出さないし、ネットワークビジネスでもありません。とにかく良い商品を日本中から探してきて、美容では良くならないニキビやアトピー、幼少期からの肥満で悩んでいる方たちに体質改善と肌質改善のための商品とプログラム、メンタルトレーニングなどを提供していました。担当者がお客様と伴走するような形でカウンセリングから始め、半年から1年で結果を出すというスタイルで行っていましたね。お客様に寄り添いながらしっかりと結果を出すためにはそれだけのマインドセットが必要です。お客様がネガティブになってしまっているときに担当者が一緒に落ち込んでいては結果になりません。商品販売の際も商品に自信を持って提案しないとお客様には伝わらないんです。この商品であればお客様の結果が出せるという美容の知識と技術がないと高額な商品は販売できません。自分ができていたとしても、同じことを他のスタッフができないと、売上が上がっていかないし、商品を販売しっぱなしになってしまってクレームの原因になることがあります。しっかりとお客様のフォローアップをして、リピート・追加購入だけで90%の売り上げが立つくらいの経営スタイルを、私は美容業界に入ったばかりの18歳から叩き込まれているんです。

もともと私は営業ができなかったんです。人と上手に話せないし、潔癖症で人の体に触れませんでした。美容業に携わって人と関わりたいけど話せないので、営業の勉強をしようと思い、20歳のときに短大卒で第一生命に正社員として入社。新人研修が終了後、富士フイルムという有名な会社の本社を担当させていただきました。1年間、約8,000人の富士フイルムの社員の方々に生命保険をご提案させていただいた結果、年3度の入賞者となったんです、21歳になる年のことでした。生きていくために必死だったのでとにかく仕事を覚えたくて日中は保険業、夜はアルバイト代をもらえない立場だけどスクールに行くよりはサロンで働かせてもらって技術を夜中に教えてもらったり練習に付き合ってもらったりして、始発で帰って9時にはまた出社したりしていました。保険の営業はとにかく電話かけです、話せないので苦痛でした(笑)今はメールやLINEでの営業が当たり前かもしれませんが、当時はお客様に興味を持ってもらうためにはどうしたらいいのか自分で考えて、B5の紙に『美知子の健康新聞』という名前で毎日100枚印刷しました。夜サロンで学んできたことで知って得する日常でできることを毎日手書きで書いたんです。それを持って人と話せない私は、本社社食でお腹いっぱいになったF社社員さんが出てくる通用口で待ち構えて、「おつかれさまです」と一言だけピクリとも笑わずにお手製の新聞を渡していたんですよ。その後にお客様に電話すると「今日も会社にいたね」「新聞読んでいるよ」と言ってもらえるようになって、私から「こういう保険があって提案させていただきたいんですけど」と話すと、「いいよ、おいで」と非常に好意的に応接室を予約してくださって話を聞くために会ってくださるんです。そこから売上が上がっていきましたね。

18歳からいろんなアルバイトを通じて何がしたいか追っていましたが、人の心と身体に関わることがしたいと思って保険業を1年で辞めて美容に振り切ったのは2001年。でも保険業で身につけたその基本は忘れずに今も愚直に実践しています。何が大切なポイントなのか、これはやった人にしかわかりません、その内容をかなり細分化して言語化できないと同じように誰かに教えられないので、リクルーティングとチーム育成が22歳から始まってその後もコミュニケーションは苦労しましたけど、メールやFacebook、LINEなど手段は変わっても「本質」は変わりません。

お客様に愛される売上のつくり方の原理原則があってそれを伝えることで30代は人材育成とチーム結成を本気でやって34歳の誕生月に独立をしました。なんとその時には課題だらけの私でも20名のスタッフを抱えていました。喋れなかった私が、毎日スタッフの売上調整とお客様のカウンセリングに明け暮れ、育った会社の幹部にも入って全国代理店を回りながら各地で店舗新人育成を担当したり、マネージャー調整を依頼されて受けるようになっていました。その後は美容研修、営業研修、メンタルトレーニングのアシスタントトレーナーなどを務め、私自身もシェア店舗から38歳の時にオーナーとして店舗経営をスタート。背骨の整体と謳っていますが正確には日本キネスティックセラピスト協会のマスターセラピスト過程までを4年間を費やして修了する理学療法に基づく脊柱施術で、これも施術者として17年目に入りました。

私自身の課題から、組織をつくっては壊れ・つくっては壊れ・・・を繰り返し、やはり技術も組織も“マインド”が最も大切だと痛感します。夢があっても伴走してくれる人がいないと気持ちが落ち込んでしまうし、どんなに伴走をしていても当の本人の情熱が途絶えてしまったら夢は実現できないと、育成を始めてこの25年間ずっと考えています。

マネジメントスクールを通じて海外と日本の美容人材をつなげたい

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_中原美知子_アフターフォローについて.jpg

人から愛される担当者になるポイントは大きく3つあります。

1つ目は『お客様アフター』です。お客様に満足していただけるアフターフォローを一生懸命やることですね。

2つ目はプチギフトやサプライズ。たとえば、近くに来たからとバースデーメッセージを伝えに行ったり、ちょっとしたプレゼントをお渡ししたりすることです。若い頃はお金があるわけではなかったので、お祝いのメッセージカードを書いて渡したり、入浴剤200個を小分けしてハロウィンのハガキと一緒に送ったりしていましたね。

3つ目は『ご縁』です。お客様になる・ならないは関係なく、素敵だなと思う方とのご縁を大事にすることですね。それはスタッフや仲間も同じ。採用を22歳からずっとやって来て、たくさん雇ってたくさん潰して後悔もあります。スタッフは仕事の道具ではなくその人自身の人生があるんです。お客様と同じように役割が違うだけで相手を尊重して大切にする必要がありますよね。感謝がないと言われていた時には分からなくて、失って初めて大切なことに気がつくんです、だからどんなご縁でも全てのご縁がありがたいんです。

今後美容のマネジメントスクールに関しては、スクールを卒業した方たちが海外に住みながら現地で仕事ができるような橋渡し役をしていきたいと思っています。技術についてはいろいろな専門学校やスクールで習得することができるのですが、マインドに関しては当スクールでないと学べないことがあると思います。今の日本は人を癒したいと思う人たちが稼ぎにくい世の中なんです。しっかりと技術を身につけて、トレーナーになれるくらいの技術がある人だったらマネジメントを覚えていただいて、海外の美容サロンのトレーナーとして海外に住んだまま仕事ができます。マレーシアやベトナム、フィリピンでエステをやりたいという人たちが日本でも働けるような環境づくりもしていきたいですね。日本でも海外でも多いご相談は、男性経営者さんなど資本力はあるけど良い美容人材が見つからないというマッチングの課題です、こう言う方々同士をうまくつないでいけたらいいなと思います。

また、美容業だけでなく、志を実現していくためにたくさんの応援をもらいながら自分の中の情熱の火を灯し続ける大人と未来を担う子どもたちが触れ合う場があったらいいなと思い、『社団法人こどもドリームデザイン』をつくりました。

現在は、国内外の美容に関する仕事と社団法人の仕事の2軸で活動していますが、どちらも可能性の開発や主体性を育む場としてつながっていると思います。