宇宙SOH(葬・想)とは②

葛西 智子

葛西 智子

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_葛西さん_夜空

いつかは星になるーーそんな夢を叶えたい。SPACEXの設立者イーロン・マスク氏からも支持を受けて、「宇宙葬」を立ち上げた葛西智子さん。本コラムは、そんな葛西さんによる連載記事です。第2回では、宇宙SOH第一弾はどのような人が参加したのかを綴っていただきました。

宇宙SOH(葬・想)の中の宇宙葬後半です。前回は打ち上げに至るまでのプロセスをお話しさせていただきましたが今回、2022年4月2日打ち上げに成功した第一弾「MAGOKORO」にはどんな方達が実際関わっていたのか・・・

宇宙SOHのスケジュール

打ち上げ日が決まって、打ち上げ6ヶ月前には皆さんからのご遺骨が届いていなくてはならなくて、ご遺骨は勿論のこと、ご遺骨証明書(火葬許可書)のコピー、も弊社に届いていなくてはいけないので、ぎりぎりになってしまった方もいて、ドタバタしていたのを覚えています

ご遺骨は地方の方は弊社の方で用意した巾着袋に納めて、証明書と一緒にレターパックにて返送していただきました

ご遺骨証明書(埋葬許可書)は年月が経つと手元にない方もいて、特に一度お墓に納めてしまうと、墓地の管理者の手元にいってしまうので、再発行してもらうのに時間もかかりますので、宇宙散骨を決めたら事前に準備しておくことをお勧めいたします

これはご遺骨を海外へ持ち込むときに、トラブルを避けるために必要となります
飛行機内、手荷物のバックの中に入れてお連れ致します

◆5ヶ月前
人工衛星(BOX)をアメリカでテスト行うマーベリック社に送付(空輸にて)

◆4ヶ月前
皆様からお預かりした人工衛星の中味をアメリカに届けるため渡米

再度実量を測り、耐熱、耐震等のテストを行います

◆1ヶ月前
人工衛星(BOX)をロケットに搭載するため渡米
実際にSPACEXの格納庫に入り設置作業を確認します
日本人女性でこの中に入ったのは初めての事だそうです
(軍事機密の為中の公開はできません)

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_葛西さん_ロケット内へ

◆打ち上げ前日
実際の発射台前見学ツアーに参加
こちらは、ここまで来たのはアジア人で始めてのようです

◆当日
ケネディ宇宙センター軍事基地内にて打ち上げの瞬間を体感

宇宙SOH第一弾に参加した人たち

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_葛西さん_夜空

今回は4匹の猫ちゃん、1匹のワンちゃん、5人のご遺骨を宇宙散骨させて頂きました

ペットに関しては1匹のワンちゃんを散骨された方は、事前予約だったのですが、間も無く受付終了のタイミングでお亡くなりになり、急遽ご自宅までお伺いし、飼い主の方に骨壷からお箸でご遺骨をお取り頂き、お預かりしました

人のご遺骨に関しては、旅行が大好きだったお母さんに最後に宇宙旅行を楽しんでもらいたいと、50代女性からのお申込み

こちらはご自宅にお邪魔し、形の綺麗なご遺骨を選んで納めさせて頂きました
関東ですと、頭部のご遺骨が一番上にあるので、どうしてもそこが中心になってしまいます

早くしてご病気で逝かれてしまったお子様の20歳の節目に、「天の川へといきたい」というお子様の夢を叶えるべく、宇宙へと散骨されました

ご家族のDNA(髪の毛)も一緒にいるので、宇宙フライトを楽しんでいると思います

亡くなったら宇宙葬にして欲しいとお父様にお願いされたお嬢様のご依頼には、ご存命の奥様のDNAも一緒に収めさせて頂いたので、ご夫婦で宇宙旅行を楽しんでいると思います

尚、秘密保持契約のもと、話せないケースがありますことをご了承ください

そして関わってくれた皆様は夜になると、夜空を眺めるのが日課になっているとのお声も聞いております

お互いに宇宙と地球で意思疎通ができるのも素敵です

故人を毎日想う事こそが、故人の尊厳を大切にする事であり、宇宙葬の本当の目的でもあります

このように皆様それぞれに「想い」があり、一人一人、1匹1匹に地球に存在した証があります
その人生のラストステージこそ、未知であり存在の源(根源)である宇宙葬だと私は思っています

次回は「宇宙想」について書きたいと思います

※SPACENTKの宇宙散骨はロケットの本体に装着したまま地球の軌道を周回するので、SPACEXにずっと監視されますので、宇宙ゴミにはなりません

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