
弁護士 稲田 遼太
公益財団法人あすのば理事
稲田遼太(いなだりょうた)さんは弁護士として、経営者や事業者の方へ情熱を注ぎ、夢の実現を伴走されていらっしゃいます。その信念のもとに、新たに挑戦したいことなどについてお話をしていただきました。
弁護士として、中小企業と非営利団体の支援を中心にお仕事をさせていただいています。新規事業を拡大していきたい経営者の方が、法律に関して気になるところがあると事業を前進させる上でエネルギーを十分発揮できなかったりするため、そのフォローをさせていただいたり、月一回お話しする機会を設けて、コーチングなども行っています。一緒に未来を描きながら、二人三脚で孤独になりがちな経営者の方が前を向いて進んでいけるようにすることも、私の仕事だと思っています。
私のお客様としては、代々の会社を守りたい方よりも、会社を起こしてどんどん新しい挑戦をしていきたいチャレンジ精神旺盛な経営者の方が多いです。
弁護士になったきっかけは、シャカリキに働いていた父への反発心でした。もちろん今は尊敬している父ですが、当時中学生だった私は、将来父のように会社員として働くことに違和感がありました。もともと世の中の理不尽なことに怒りを感じるタイプであったことと、大学生のときに海外にスタディツアーに言ったときの自分に何もできない歯がゆさなどを経験したことから、弁護士資格をもって国家権力のもと問題を解決していくことに魅力を感じ、弁護士を目指しました。
弁護士という仕事は時間を売る仕事なので労働時間が長くなったり、人の一生ごとのトラブルに巻き込まれることが多いので、そういった意味で感情労働になることがあるので大変なことはあります。ですが、事業のビジョンに共感して、心からそのビジョンを応援でき、かつそれが複数の事業において可能なので、お客様の挑戦を一緒に伴走できることにとてもやりがいを感じます。
私との相談のときには、お客様に質問を考えていただいて、それにこたえていくことを意識しています。中には、本心を隠す方もいらっしゃいます。故意に隠す場合もあれば、どうせ無理だからと隠している場合、気づかないうちにできないことと思って蓋をしてしまって隠してしまっている場合など、さまざまなケースがあります。もちろん、言われたことだけをやる方が楽ではありますが、私はその人が本当に望んでいる未来にお役に立ちたいと考えているので、お客様がなんでそういうことを考えているかなど、根っこの部分を聞くようにしています。お客様のやりたいこと、ワクワクすることを一緒にどうやって達成できるかを考えて仕事をするようにしています。そうすることで、お客様のお役に立てている実感とともに自分の幸福度も上がっていくように感じます。
今後取り組んでいきたいことは、子どもや若者に関する事業です。自分の子どもに良い社会を残したいという気持ちが強く、子どもや若者に関する事業を営む会社の取締役にさせていただくことや、営利団体等の顧問により多くお声掛けいただくというのが目下の目標です。その道での知名度や価値をわかりやすく表現できるようになっていきたいです。
子どもや若者に関する事業は、少子化の時代であまり選択されないような事業体になってしまっているかもしれませんが、そういう分野が元気になるような活動ができたらと思っています。