「税務署は見ている。」の著者“おかん税理士“の~調査官目線を知って経営に活かそう!~vol.1
ワクセルコラボレーターで元国税調査官の“おかん税理士“こと飯田真弓さんに学ぶ、税務の知識。個人で事業を営んでいる方は、税務やお金について知っておくことで、本業に集中できます。今回の連載コラムがみなさんの事業が前進するきっかけになれば幸いです。
ワクセルのコラムをご覧になっている皆さん。
こんにちは。国税勤務26年、元国税調査官“おかん税理士“の飯田真弓です。縁あって、2021年より【ワクセルオンライン】で講師を務めさせていただきました。
2021年4月7日(水)
元国税調査官ベストセラー作家が語る~知っておきたい税務の知識 ~基礎編~
2021年8月31日(火)
知っておきたい税務の知識〜必要経費編〜
2021年11月24日(水)
知っておきたい税務の知識~可処分所得編~
2022年1月28日(金)
知っておきたい税務の知識~確定申告編~
コロナ禍ということで、いずれもwebセミナーという形だったんですが、お話させていただいた後、参加してくださった方から色々な質問をいただきました。
ワクセルに集まって来られるみなさんは、これから、起業しようとしている方や、起業してからまだあまり年数が経っていない方が多いんですよね。
起業されてすぐの頃は、売上を上げるにはどうすればよいのかということにフォーカスするのは当然のことだと思います。でも、それまで、会社勤めをしていた人が、退職し、一旦起業したとなると、その瞬間から税務署と付き合うことを考えなければならないんです。
税務署はどんな仕事をしているのか?
国税調査官をしていた頃、税務調査に行くと、
「あのなぁ。私は税務署は警察より嫌いやねん!なんでか言うたろか。警察は悪いことしたら来るやろ。そやけど、あんたらは、なぁ~んにも悪いことしてへんのに来るやろ。しんどい時はひとつも助けてくれんと、ちょっと儲かったと思ったらすぐに来て…。お前ら鬼じゃ!!」
こんなことをよく言われました。
税務署のことを好きな人なんていない、ということのようです。そうは言っても、フリーランスの方は雇われの身に戻らない限り、ずっと、税務署と付き合っていかなければなりません。
つい先日、
「開業してから、3年間は申告しなくていいって聞いてたんですけど、去年、結構利益が出たんです。ホントに申告しなくていいんでしょうか?」
という、問い合わせがありました。
「えっ、私も開業して3年は申告しなくていいって、思ってたんですけど、そうじゃないんですか…?」
今、そう思ったという人、いませんよね。
「飯田先生、あの本にこんなことが書いてあったんですけど、本当ですか?」
「こんなセミナーでここだけの話って、こんな話を聞いてきたんですけど、ホントにそんなことがあるんでしょうか?」
私のところには、色々な方が相談に来られます。それが本当なのかどうか。確認すべきことは、それを言っている人がどんな背景を持った人なのかということなのかなと思っています。
経営者のみなさんが様々な情報に振り回されている状況をなんとかしたいと思い、いつしか人前で税務調査について話をするようになりました。その内容を一冊の本にまとめて書き上げたのが「税務署は見ている。」でした。
税務署って、どんなことをしてるんだろうと、税務署の仕事について知りたいという方はまずこの本を読んでいただくのがよいと思います。処女作にも関わらず、発売即、増刷。長年にわたりたくさんの方に、読んでいただき、ロング&ベストセラーとなっています。
実は当時、佐村河内氏の”ゴーストライター”新垣隆さんが会見が行われた時期だったんです。それでズブの素人の私にベストセラーと言われる本が書けるわけがないということで
「これって、本当に飯田さんが書いたんですか?本当はゴーストライターがいるんじゃないの?」
と、よく茶化されました。
「税務署は見ている。」は、日本経済新聞出版社から出版しました。私へのゴーストライター疑惑について編集長に相談したところ
「飯田さんの文章は独特で飯田さんにしか書けないって、ことを私が証明してあげますよ!」
と、言ってくれたことを思い出します。
タイトルの「税務署は見ている。」は、私が考えました。ちょっとキャッチー過ぎたのか、暴露本だと勘違いされたのか、税理士会などからは、当初、敬遠されていた感がありました。
でも、その際にかの編集長は
「日経は、出版界のNHKですから、おかしなことを活字にしたりしないので安心してください!」
と言ってくれたんです。私はその言葉に大変勇気づけられました。
本業に集中できる状態をつくる
かつて、税務の専門誌から依頼され、税務調査の都市伝説について連載をしていたことがありました。でも、税務調査の都市伝説については、専門家よりも一般の経営者の方にこそ、知ってもらわなければならないと思うようになってきました。
そんななか、ワクセルコラボレーターとして、一般の方があまり知ることのない、税務署や税務調査について、連載記事を書くという機会を与えていただいたというわけです。
フリーランスであったとしても、起業して経営者となったからには、税務署と付き合っていかなければなりません。税務署はどんな仕事をしているのか。国税調査官はどんな人たちなのか。それを知ることで、税に対する苦手意識を克服し、本来の仕事に集中する時間を増やすことが出来ると思うのです。
是非、ワクセルコラボレーターのみなさんのご意見なども取り入れながら、多くの方のお役に立てる記事を書いていきたいと思っています。
どうぞ、お付き合いくださいませ♪