女性に届く言葉とは何か

橋本 夏子

橋本 夏子

2022.04.25

皆様、初めまして。女性客をファンにするコンセプト、文章、デザインで女性への情報発信を効果的にコンテンツ化するメディアプロデュースの仕事を行なっております、TOSS Internationalの橋本夏子です。
女性誌を5誌、3つの出版社での編集歴16年、女性向けWEBメディアで4年と、一貫して女性向けにコンテンツを作り続け、女性によりそう企画作りと表現方法を習得し、後輩の育成指導なども多数してまいりました。

現在は、オウンドメディアを作りたい企業様のメディアコンサル、メディアコンセプトの設計や編集部の作り方、具体的な記事作成のノウハウやアドバイスを、個人の方には「売れる個人」になるための強み言語化、言葉によるブランディングコンサル、などを中心に仕事をしております。

私の特徴はなんといっても、女性向けコンテンツを20年メディアで一貫して作ってきましたので、今回は、「女性に届く言葉とは何か」、ということを、お話しをしていきたいと思っております。

女性に届く言葉は、女性の心理によりそうコンセプト、デザイン、表現方法が必要です

SNSやWEBを通じて、自由に発信することができる今、企業独自のオウンドメディア作りやリーダー、社長による発信というものに、注目が集まっています。

従来のWebサイトは“自社のサービスが主語となり、伝えたい情報を並べておく場所”でしたが、メディアは違います。

多数の情報がある中で、読んでもらい、リピートしてもらい、ファンになってもらうには、“読者・読み手側を主軸にしたコンテンツ作り”が必要です。

特に、女性向けに商品を売りたい、情報発信をしたい場合には、文章、デザインなど、表面的なテクニックだけでは足りません。

大事なのは「女性の心理によりそうコンセプト、デザイン、言葉・表現方法」が何より大切になってくるのです。

ただ、こちらは、女性ならではの思考プロセス、感じ方、年代・ステージごとの傾向や課題感など様々な要素が複雑に絡み合うので、簡単には習得できないところがあります。

ですが、今回は、どの世代の女性にも共通する大前提となるティップスがありますので、ワクセルの読者の皆様には特別にご紹介したいと思います。

画像2_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_橋本夏子さん_アイデア

セールスしないでも女性に売れるティップスを3つご紹介します

  1. こちらが伝えたいことを書くだけではダメ。読者・読み手側を主軸にしたコンテンツ作りが必要

私たちは自分たちの商品やサービスを売りたいと思うので、つい、自分たちの商品やサービスの良さなどをPRしがちです。つまり、こちらが書きたいこと、伝えたいことを、いかにしてお客様に理解してもらえるか、ということを優先的に考えてしまいます。

ですが、文章の主役は読み手です。いくらいい記事でも読んでもらわなければ、意味がありません。

先ほどのように、こちらが伝えたい内容ばかりに軸を置いた文章は、主役が書き手で、読み手が従となる関係性になってしまいます。

ですが、文章において大事なのは、その逆です。

読み手がいて初めて、生きるものなの。

なので、文章を書くときは、主役である読み手を意識して書くべきなのです。大事なのは、その文章を読んだときに、読み手である読者が、どう思うか、どう感じるかということなのです。

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  1. モノを買うときの決め手は、男性はスペック、女性はイメージ

男性がモノを買うときに重視しているのはその商品の性能、スペック、客観的に比べられるものです。

ですが、女性は、その商品が自分にとってどんな意味があるか。その商品を使っている自分がイメージでき、その商品のおかげで、どんな自分になれているかを想像できるかどうかが鍵となります。

いくらいい商品、滅多にないサービスだよと言われても、自分にとってその商品やサービスがいいと感じなければ、微動だにしません。

では、どのようにすればいいかと言いますと、こちらが伝えたい商品やサービスのメリットを書くのではなく、そのお客様のベネフィットを書いていくこと、ベネフィットライティングが大切なのです。

ベネフィットという言葉を初めて聞いた人もいるかもしれませんが、ベネフィットライティングとは、読者がその商品やサービスを手に入れたときにどんな自分をイメージしているか、どんな幸せを味わっているかということを重視して書いていくということです。

例えば、新発売のネイルを売りたいとします。

メリットというのは、そのネイルを塗って、爪が綺麗に色がつく。発色がいいということで、誰にでも共通すること。

ですが、ベネフィットというのは、人によって違います。

例えば、働く女性であれば、名刺交換をした時に、爪が綺麗だと、お客様に好印象を持たれて、仕事がしやすくなるというのがベネフィット。

また、明日デートの予定がある女性の場合なら、爪を綺麗に塗っておくと、彼から素敵だねと褒められ幸せを感じる、というのがベネフィットなのです。

画像4_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_橋本夏子さん_照れ

なので、大事なのは、自分が誰に向けて文章を書くかということ。それによって、書くべきベネフィットが異なるというわけです。

ベネフィットを考えるときに大事なのは、徹底的なリサーチ・取材と、相手によりそうということです。読み手である相手はどんな状況なのか、どんな悩みや課題があるか、どんなことに興味があるか、どんな家族構成か、収入などをリサーチする。

そしてよりそうとは、相手の気持ちになってみて、どういう風に伝えたらこの人の役にたつか、どうしたらその人の悩みが解決するかというふうに、よりそうように、イメージしてみることが大切です。

そのイメージが具体的であればあるほど、受け手は「あ、これは自分にぴったり」だと思い、その商品やサービスを使っている自分、それを使ったことで、幸せになっている自分を想像できるので、買うという行動に移ってくれます。

女性は自分のイメージに合うか、使っている自分がどうなっているかが一番大事

女性には、その商品やサービスを得て、自分がどうなっているかというところが最も大事なので、効果的なのは、お客様の声や体験談です。

具体例があると、女性はその商品やサービスを手に入れた自分を、人の体験談に重ねてイメージできます。そのイメージが実感できれば購入となりますし、できなければ、いわゆる、“ぴーんと来なかった”ということで、選択肢から外れてしまうということになります。

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  1. 女性には売り込みではなく、口コミ的な紹介を。

では最後のポイントですが、女性向け商品のライティングだとしても、女性には決して強引に売り込まないというのが鉄則です。

私は広告代理店の営業経験も3年半あるので、お客様の気持ちがわかる編集者として、タイアップ広告を1000記事以上、制作してきました。

広告なので、もちろん商品をPRして、購買を促すというのが目的のコンテンツなのですが、商品のよさや優秀なスペック、機能を伝えることよりも、大切にしてきたのは、「読み手である読者の気持ち、読んだ時、何を感じてもらうか」ということです。

つまり、商品、サービスがいいですよ、だから買ってくださいね、という言い方ではなく、大事なのは、この商品を通して、「あなたの幸せ作りのお手伝い」をさせていただきますというニュアンスを感じとってもらうことなのです。

お客様向けに商品をPRする、売るという意識ではなく、イメージは、少し上、2−3歳上の先輩にいい情報ありますよ、と、伝える感じの文章です。

人は欲しいと思っていた商品だとしても、商品とかサービスの良さをゴリゴリに伝えられたり、買ってとしつこく言われてしまうと、一気に冷めてしまうもの。

女性はもともと、仲間同士で何かをすることが好きで、何かいい情報があれば友達に伝えようと、自分が使っていいものや聞いてよかったものを、口コミ的に発信するものです。

「先輩の悩みに、もしかしたら、この商品がいいかもですよ」というような口コミ的なニュアンスで文章を書く。そうすると、書き手も肩の力が抜けて、お客様のことを考えた自然体な文章になるわけです。

そのマインドで文章を書けば、自ずと相手にも伝わるので、「こんなに私にぴったりなら、買ってみようかな」と、売りこまなくても相手が動いてくれるというふうになります。


以上3点が、「セールスしないでも女性に売れるティップスを3つ」でした。

女性向けに情報を伝える場合は、「女性心理によりそうこと」が何より大切です。

いい写真を撮りたいときはプロのカメラマンに、公式ホームページをつくるときはデザイナーに依頼するのと同様に、伝わる文章、ささるキャッチコピーを書くには、言葉の戦略性やライティング技術が重要です。

女性向けの商材の情報発信、ライティングでお困りの方は、いつでもお気軽にご相談くださいね。