損をしない人の考え方②〜「つながり」やすい時代だからこそ、影響を受ける人を決める~
本コラムは『損をしない人の考え方(きずな出版)』の著者・権藤優希さんによる連載です。令和の時代は平成の時代にも増して、SNSを通して様々な方と、時には会ったことがない方でも簡単に「つながり」を作ることができるようになりました。これは便利である反面、危うさも孕んでいます。そんな新たな時代を生きていくために必要なことは何でしょうか?それは、影響を受ける人を決めることです。
誰とでもつながれる現代において、影響を受ける人(以下、メンター)を一人に決めることが、損をしない生き方につながります。その際、今までの人間関係から選ぶのではなく、(自分にとって)理想の結果を持っているかでメンターを設定し、仕事を通じて仲良くなるのが大事です。
自分のメンターとなる人を決めていますか?
誰ともつながれる時代、だからこそメンターを一人に絞る
損をしない人は、影響を受ける人を一人に絞っています。私が、ビジネス未経験から起業してここまでこられたのは、間違いなくメンターを設定したからです。
自分の「行きたい目的地」に行ったことがある人に、道を教えてもらった方が効率はいいはずです。行ったという実績があるのですから。「ここは道が荒いから気を付けて」「ここは急カーブになっているから」「以前ここでいきなり飛び出してきた自転車とぶつかりそうになったんだ」など、経験者の意見には説得力があります。
さらに、ビジネスという運転初心者の私にとって、いきなりフェラーリでいけと言われても操縦できません。誰でも扱える三輪車から提案してもらったので、真似できました。
メンターを設定する際に気を付けることが、必ず一人に絞ることです。SNSの進化により、今は誰とでもつながれる時代になりました。憧れの人にダイレクトメッセージを送ったり、そこで告知されている講演会に参加したり、オンラインサロンに入会して直接お話ししたりすることが簡単にできるようになりました。
もし、あなたが有名な著者とつながりたいなら、まずその方の書籍を50冊買って、
「とてもファンです。今回の新作もあまりにも良い本だったので、友人知人に50冊配りました。そこで、どうしても直接お聞きしたいことがあるのですが、5分だけでも構いません。今度お時間いただけないでしょうか」
と聞くと、断る著者はいないのではないでしょうか。なぜなら、著者は本を売りたいからです。著者にとって、これほど嬉しい報告はないと思います。少し機転を利かせば、どんな有名人であっても会いやすい時代になったのです。
一人の人に学び、考え方のクセを直す
どんな人ともつながれる魅力的な時代になった反面、あなたが一つの道を究めて、成功していくという過程では、このことが障害にもなりかねません。複数の人に学ぶと、人は必ずいいとこ取りをしてしまうからです。自分の課題に向き合わなくなるのです。
私は、メンターである嶋村吉洋さん(ソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」主催)から「成功するかしないかは、考え方のクセで決まる」と教えてもらいました。
同じ出来事が起きても、それをチャンスと捉える人もいれば、ピンチ(できない理由)と捉える人もいます。そのクセを直すことこそ、どんなビジネスに取り組むかより、よっぽど大切なのです。複数の人にまんべんなく学ぶより、一人の人に徹底的に学び、自分のことを熟知してもらう方が、クセにも気づいて指摘してもらいやすくなり、成功しやすくなるのです。
最初から仲が良いかで選ぶのではなく、仕事を通じて仲良くなる
一人の人に絞るとなると、とても慎重になるという人もいるかもしれません。学生までは、時間があるので、仲良くなる中で、その人を信頼していくという順番だったかもしれませんが、その調子で、その人のことをすべて知らないとメンターとして選べないというスピードでは、学ぶチャンスを逃してしまうのです。
これからは、仕事を通じて、仲良くなるという考え方にシフトした方が得策です。同じ目標達成のために集まった仲間が、どんな人で、どんな思いでここにいるかは、働いている合間の食事や飲みの機会で知っていくという流れです。
本当に学ぶに値する人であれば、一緒に仕事をすればするほど、より一層この人と勝ちたいという思いが深まるはずです。まさに私もメンターに対してそうだったように。
シンプルに、理想の結果を持っているかどうかでメンターを設定すると良いでしょう。損する人は、次々に目移りし、自分のクセに向き合わず現実を変えられないのに対して、得する人は、理想の結果を持っているメンターをすぐに設定し、その一人の人からじっくり学び、確実にステップアップしていくのです。
権藤優希(ごんどうゆうき)
株式会社シーマネジメント 代表取締役。『ワクセル』コラボレーター。 飲食店・オーガニックショップ・ビジネストレーニング・講演会事業などを展開。著書は「損をしない人の考え方」(きずな出版)など、他3作。