損をしない人の考え方③〜効率は「効果性を求める」ことで生まれる〜

権藤 優希

権藤 優希

2022.07.15
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本コラムは『損をしない人の考え方(きずな出版)』の著者・権藤優希さんによる連載です。忙しい現代において、効率を高めることや生産性を上げることがビジネスの話題として上げられることが多くなりました。今回は、権藤さんが自身の体験を交えて「効率」と「効果」についてお話いただきます。

最初から効率を求めない

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_権藤優希さん_地道な努力

「最初から効率を求めずに、効果性を大事に、まずは我武者羅にやる」
「たくさんムダを経験し、失敗する中で、改善が生まれ、二点間の距離が直線になる」
効果を追い求める体験から生まれたものこそ、本当の意味での効率です。

忙しい現代において、最近、書籍やYouTubeでよくみられるのが「効率性」を追求したものです。

「電子決済登録しておくと、時間短縮できて便利だよ」
「先にシャワーをひねってから服を脱ぐと、浴びる時には温かいお湯が出て寒くないよ」
「スマートロックを導入して、いちいち鍵を探したり、みなで共有する手間を省こう」

私も「効率」という言葉は大好きです。効率=ムダを省くとでも言いましょうか。ただ、勘違いしてはいけないのが、最初から効率を求めるのは違うということです。

ユニクロの柳生さんは、1勝9敗がちょうどいいと言います。私は、野球と同じで勝率3割くらいがちょうどいいと思っています。

高校生の時、お小遣いをためて、浜崎あゆみさんのアルバムを買いました。求めていたのは、6曲目のメイン曲を聞くためです。もちろん12曲まで聞くと、他のメジャー曲も入っていてテンションは上がります。

他の曲はというと……初めて聴いても「うーん……」と言った感じです。でも、せっかく小遣い貯めて3,000円で買ったしな、聴き続けようとしているうちに、「あれ?この曲、めっちゃいい歌詞じゃん!!!」となり、その期待もしていなかった一曲が一番好きになってヘビロテしてたりするものです。

このことを、何度も聞いているうちに味が出てくる曲ということで「スルメ曲」と言うらしいです。一見無駄のように思える作業を経験してないと見つからなかった「当たり曲」というわけです。

効果性を追い求める中で、効率は生まれる

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_権藤優希さん_経験を積む

会社でも起業でもスポーツでも、最初に「こうなる」と決めたら、その方向性に向かって全力で走って、ムダなこといっぱい経験しましょう。そこで「これをやったらうまく行かないんだ」と学習でき、それを繰り返していく中で、徐々に二点間の距離が直線(ムダがない)になるのです。

メンターやコーチに依存して、やる前から正解を聞きまくり、最初から直線狙って動いちゃうと、たとえ達成しても本人の力や経験にはなりません。いわゆる、ズルしてしまっているので、それは自力じゃなく、まぐれになります。

まず、やるのです。やってから、聞きましょう。

やる前から、「これはどういう意味があるんですか?」と聞く人は、絶対に成功しません。まずは遠回りしてでもやってみて、その中で「何がムダで、何がムダじゃないか」を知り、自分の体験として蓄積する方が、次の目標を追う時に応用がきくのです。

結果を作っている人が答えを教えてくれるのではなく、あなたの現場が答えを教えてくれるのです。

最初は、効率が悪くても、効果性を追うということです。ここでいう、効果性は再現性とも言えるし、基礎体力にも近いです。

1.何か新しいことを始めるときは、方向性を決めて、まず我武者羅にやる。
2.そして、たくさんムダを経験し、失敗する。
3.その中で、何をやると、二点間が直線になるかを自分の体験から知る。
4.そうしているうちに、基礎体力がついていて、次のステージにいくときも応用がきく。

この応用がきくことが、効率性になるのです。型がないのに、型破りしても意味がないのと一緒です。効率性が生まれたということは、たくさん失敗した証しです。 

まずは、効果性を大事に、どんどん行動することで、どんどん得する人に変わっていくのです。

水野敬也さんの『夢を叶えるゾウ(飛鳥新社)』の中で、ガネーシャの最初の教え「靴を磨く」というアドバイスに対して、主人公が言いました。 

「そんなの成功者みんながやってるわけじゃないでしょ?」
「靴が汚れていても、成功してる人はいるんじゃないの?」
「そんなんじゃなくて、もっと簡単に成功する方法を教えてよ」

それに対して、ガネーシャが言った言葉が以下です。

「そう言ってる間 お前は、2000%成功できない!」