Z世代部下を抱える上司専門家が指南する「Z世代との正しい関わり方」
『Z世代部下を抱える上司専門家』として、コミュニケーションコーチのサービスを提供している江原健悟さん。ご本人もZ世代であることを活かし、「Z世代とどう関わったら良いか?」というジェネレーションギャップから生じるすれ違いを解消するために、さまざまな情報を発信しています。今回のコラムでは、Z世代の特徴やZ世代との関わり方などをお話いただきました。※Z世代とは2023年度に11-26歳になる人達のことです(年齢区分は諸説あり)
『Z世代部下を抱える上司専門家』として独立
僕は大学時代に、福岡ソフトバンクホークスやテレビ西日本で働く機会がありました。そこで私より上の世代と働くなかで、仕事に対する考え方の違いが明らかになりました。
最初は、「なぜ分かってもらえないんだろう」と憤りを感じていました。しかし、30~40代と交流を深めていくなかで、価値観の違いはどちらが悪いというわけではなく、ジェネレーションギャップが原因だと気が付きました。また、30~40代へ「Z世代の関わり方についてアドバイスをすると、「そういうことだったのか」と目から鱗という反応でした。
このすれ違いを解消することは大きな価値になると確信し、『Z世代部下を抱える上司専門家』として独立しました。今では、企業向けにコンサルとして入ったり、弁護士と協業して、Z世代からハラスメントで訴えられないようにする対策セミナーなどを行ったりしています。
Z世代には、無条件で「受容的」になること
Z世代の特徴は大きく2つあります。1つ目は、「女性脳化」です。たとえば、女性が相談するとき、男性は適切なアドバイスをしようとしますが、女性はただ話を聞いて欲しいときもあります。
Z世代もこれと一緒です。仕事について上司に相談するとき、適切なアドバイスよりも、まずは話を聞いて欲しいのです。これは一例ですが、そういった女性的な一面があることはZ世代の特徴のひとつです。
2つ目は、お金を稼ぐということよりも「自分が認められる」という自己重要感を満たすことに価値を感じるという点です。約25年間賃金指数が上がっていない現世だからこそ、Z世代は生まれてからずっと賃上げを経験していない世代です。
さらに、学校教育でSDGsなどについて触れる機会が多かったので、貧困者への支援などに興味を持つ人が多く、「稼ぐ」というよりも「誰かの役に立つ」など、必要とされるということに価値を感じる人が多いことが特徴です。
こうしたお仕事をしていると、「Z世代は褒めれば良いんですよね?」という質問を多くいただきます。確かに褒めることは重要なことです。しかし、褒めることだけをしてしまうと天狗になり、より周りの意見を聞かず、成長する機会を失ってしまいます。
重要なのは、無条件で「受容的」になることです。「あなたの意見はこれで、そんな考えもあるのか」と一度受け入れることが重要です。その後の残り1割ほどで「私はこう思うよ」という意見を伝えることで、Z世代の成長を促すことができます。
Z世代は、頭の回転が早く行動に移す力もある
今後は、僕自身の発信力を高めていくことを目標として活動していきます。理由はZ世代との関わりをコンサルティングするこの事業の認知拡大をするためです。
事業に取り組むなかで、Z世代への関りに関して困っている人は、解決策をネットなどで調べないため、僕がSNSで発信するのも限界があると肌で感じています。僕自身がテレビなどのメディアに出演して、「Z世代の特徴」を発信できれば、さまざまな企業に情報をお届けできると考えています。
Z世代と聞くと、「扱いづらい」「何を考えているか分からない」など苦手意識がある方も多いと思います。しかし、Z世代は頭の回転が早く、行動に移す力があるということも事実です。今後もZ世代と社会で活躍する先輩とのすれ違いを無くして、Z世代の価値を正確に伝える橋渡し的な存在として事業を拡張していきます。
Z世代には、夢を持っている人が少ない印象もありますが、「夢って意外と叶うよね」ということを分かち合いたいです。夢が見つかれば、主体的になって働いて、企業も良くなりますし、稼いだお金を「オタ活」に使うのでもありです。僕と同じZ世代の方には、ぜひ夢を持ってほしいと思います。