メイクで外見と内面の美しさを追求「素敵な自分に感動してほしい」

出口 理恵

出口 理恵

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_出口理恵さん_プロフィール

ヘアー&メイクアップアーティストとして活動されている出口理恵さん。六本木の美容専門学校を卒業後、ヘアーサロンでの勤務を経て、ヘアー&メイクアップアーティストとして美容の世界で活躍されています。これまでのキャリアでたどってきた歩みと、出口さんの心から輝く美を追求する姿勢についてせまりました。

メイクアップアーティストになるために自ら行動

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_出口理恵さん_メイクアップアーティスト

幼少期、影絵の天気予報に興味を持ったことがきっかけで、絵を描き続けてきました。その後、少女漫画で描かれていたメイクアーティストの仕事に憧れ、メイクアップの道に進むことを決意。顔にメイクをすることで人がより美しく、魅力的に変身するストーリーと、資生堂のセルジュ・ルタンスの広告作品を、自分も描きたいという思いがリンクしたのを鮮明に覚えています。

当時、インターネットが普及していなかったため、メイクアップアーティストになる方法が分かりませんでした。おそらく美容系だろうという想像から、美容学校へ進学しました。先輩のアドバイスを受けて美容室で実践経験を積み、美容師免許を取得。ただ、美容師になりたいわけではなかったので、ヘアメイクに専念できる方法を模索していました。

私がやりたいのは、雑誌や広告・テレビCMの撮影に関わる仕事だったので、コネクションをつくるために奔走しました。雑誌に記載されているフォトグラファーやスタイリストの名前を調べたり、クラブにも足を運びました。

ある時、新しくオープンする美容室にパリコレで活躍するクリエイターが来るという話を耳にしたので、早速面接を受けにいきました。お目当ての人が来店するのは数カ月に一回だったので、来た瞬間にドアの前で待機して話しかけて仲良くなるよう努力しました。

自分の夢や目標について語るうちに、ある日「知り合いが東京の事務所にいる」と紹介してもらい、面接の機会を得ました。23歳の時、本来であれば技術が高くなければ難しいとされるなかで、私は参加することができました。周りは男性ばかりでしたが、「イレギュラー上等!」の精神でやってました。

メイクを受ける人を喜ばせる

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_出口理恵さん_ヘアメイク

そこはサバサバとした雰囲気で、自分にとってはやりやすい職場でした。イレギュラーな経歴を持つ私はその特異性から特別扱いを受けつつも、常に新しい好奇心を追求してました。主に撮影業務に携わったのですが、自身の失敗が原因で解雇を経験しました。その失敗を糧にして、現在はフリーランスとして活動をしています。

フリーランスとなった当初は苦労が絶えない毎日。知人に「仕事を紹介してね!」とお願いすることさえ、遠慮してしまいできませんでした。元々、ヘアメイクになったのも、カットの技術が高かったからではありません。技術を磨くことができるか不安ながらも、努力を続けてきました。

ヘアメイクとして地道に経験を積むうちに、徐々に紹介してくれる方が増え、仕事の依頼が舞い込むようになりました。「CDジャケットの撮影を担当してください」「友人のヘアメイクを手伝ってもらえませんか?」といった声をかけていただき、ある女優さんからは特に気に入っていただき、継続してオファーをいただいています。

仕事において重視しているのは、意外性と感動を提供することです。女優、モデル、俳優たちにはその先にクライアントがいて、どんなキャラクターを演じてほしいかという内容が決まっています。

要望に合うよう雰囲気づくりをすることはもちろんですが、私はメイクを受ける本人にも喜んでほしいと常に考えています。そのために、たとえばちょっとツヤの良いリップを使うなど、細部にまで気を配って工夫を凝らしています。

外見と内面の両方を輝かせる

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_出口理恵さん_メイク指導

現在、私はメイク技術だけでなく心理的な側面にも焦点を当て、一般の方向けにメイク講座をやらせていただいています。この過程でカウンセリングの勉強もして、コーチングの分野にも挑戦しています。

私は、真の美しさは内面から生まれると信じています。表面的な美しさだけを追求しても、雰囲気や人となりはどこか寂しく感じるものがあります。健康的に見える人でも、疲れていると感じることもあります。

一方で、外見が内面に影響することもあります。たとえば、男性がスーツを着ると、デニムやTシャツ姿の時と比較して気持ちが変わることがありますし、スニーカーではなく革靴を選ぶことで背筋が自然と伸びる感覚を覚える方もいるでしょう。規制が多く、制約を感じる現代社会において、外見と内面の両方を理想の自分にしていくことは重要です。

メイクを通して、自分自身に感動してほしいと思います。メイクや心持ちの変化によって、「こんなに素敵な自分がいたんだ!」という感動や喜びを感じてもらえたらうれしいです。

そして、「ありのままの自分でも良い」と気づいてほしいです。本来の自分を思い出して、殻を破って自分らしく生きていくことが理想の姿です。外側を整えていきながら内面も磨き、皆さんに輝いていただくことが私のこれからの目標です。

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