「植物の恩恵を必要としている人に届けたい」ビジネス経験ゼロからスタートしたオリジナルのオーガニックスキンケアプロダクトと世界の芳香植物を集めたブランド

ワクセル編集部

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2025.07.24
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AWA Olfactory Co.(アワオルファクトリーコー)は、自然の恵みを最大限に活かすことにこだわった化粧品ブランド。ディレクターのNikiさんは、ご自身が持病に悩まされていたことから体質改善していった経験をブランド活動に生かしています。ブランド立ち上げのきっかけや、商品開発のこだわりについてお話を伺いました。

ものづくりをしていきたいという思いで、ビジネスをスタート

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2018年の春まで3年間ほど、カナダの小さな離島で暮らしました。自給自足をベースに日々の生活を味わい楽しむという時間の中で生きる人々のコミュニティがベースにあり、お金で買うばかりでなく必要なものはリサイクルストアで探したり、廃材から作ったり手元にあるものの使い方を変え、新たな使い道を与えるなど、そういう価値観が根付いていました。日本に戻ってから、私の手を使って、私の命を使って何ができるんだろうと考えて今の活動を始めました。

小さい頃から身体が弱くて、ぜん息やアレルギーがありました。20代半ばまで東京に暮らし、不健康な生活から病院通いが続き、それでも持病が治らないのに疲れてしまったんです。そこで持病を根本的に治したいと思い、自然療法などを取り入れ持病がだいぶ良くなりました。この経験を通じて植物の恩恵などを感じるようになり、自分と同じように必要としている人たちに届けたいと思ったのです。

もともと言われたとおりに何かをするという事に楽しみを見つけられませんでした。もの作りが好きなので、五感で「こうしたらいいかも!」と、かたちにするのが面白いと思う人間性があったんです。つくるのは苦ではないので、そちらを伸ばしてあげるほうが良いだろうなと、漠然と思ってビジネスを始めました。何も知らずに始めてしまったので、あとあと大変な目に遭い、後悔したこともあります。

今はコスメブランドの立ち位置で活動しているのですが、ブランドをやろうと思って始めたわけではなくて、自分で生み出せるものを販売していこうと思っていました。去年までデザイナーの方にパッケージをお願いしたのですが、とてもビジネスに秀でている方で、その方にビジネスの基本形態などの知識を教わって、やっと最近わかるようになったという感じです。

地産地消と原料にこだわり抜いたブランド

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事業内容は、植物の香りとセルフケアのプロダクト、スキンケアの商品開発・販売、アロマ雑貨の販売、ハーブの原料となる植物の輸入などです。その他にも、セルフケアアイテムをつくるワークショップや、個人のカウンセリングを不定期に予約制でやっています。

今は広島市で活動しています。東広島市に農園があって、そこで育てたハーブを原料に使用したり、自生しているヨモギを原料に商品を開発してきました。地産地消を大事にしていて、フェイスクリームのバームにも東広島で採れるニホンミツバツのミツロウを使うなど原料にこだわっています。

看板商品はヨモギを使ったバームです。この原料となるヨモギは私が自分で収穫して洗って乾燥させて、オイルとヨモギを煮詰めてヨモギオイルをつくっています。黄色が深緑になるまで煮詰めているので、ヨモギの成分が濃厚に抽出されているのです。そのあとは工房の方にお願いして化粧品にしてもらっているのですが、とにかく手間と時間がかかった、他にはない丁寧さを組み込んでいる商品だと思います。

アレルギー持ちの方にも評判が良く、アレルギーでどのクリームでも肌にしみてしまうという方でもこのクリームはしみない、花粉で鼻をかみ過ぎて肌が荒れてしまった方がこのクリームを使用すると治りが早い、などのお言葉をいただきました。

ニホンミツバチのミツロウを使っているのは、ニホンミツバチが日本古来の原種のミツバチだからです。セイヨウミツバチのミツロウを使っているところも多いのですが、原料を比べてみてもニホンミツバチの方が香りも深く濃厚なうるおいを実感しているので、それもニホンミツバチを選ぶ理由のひとつです。現在、ニホンミツバチは農薬などによってどんどん減っていると言われていますが、ミツバチは100種類の植物の蜜を吸うのでさまざまな植物、花、果樹、野菜などの受粉を助けてくれます。受粉を助けるということは食べ物の成長を支えている。そういう意味でもニホンミツバチは私たちの生活に大切なので、ニホンミツバチを育てている方のミツロウを使えれば、という思いがあります。

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ブランド名の「AWA」は友人から贈ってもらった言葉で、日本語の最初の音である「A」と最後の音である「WA」でひとつの円、有機的に生まれる自然、命の循環を表しています。自然の環の中で自然の力を味わってもらいたい、という思いからこの名前にしました。

現在、天然精油を使った香水の調合を3年間学んでいるので、そろそろオリジナルの香水を作りたいです。生きていくうえで本当に大切なことを大切にしていく、心ある思いを礎に、でもしっかりとビジネスとして確立していく。道筋をしっかり描き、前に進んでいこうと思います。