レスリング日本一の選手が語る成功の秘訣「人にも自分にも愛を伝え続ける」

安楽 龍馬

安楽 龍馬

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安楽龍馬(あんらくりょうま)さんは早稲田大学スポーツ科学部を卒業後、株式会社nobitelに入社。レスリング選手として各カテゴリーでの日本一の経験を積んでいます。2024年からはグラップリングを始めたり、子供へのレスリング指導など幅広く活躍する安楽さんに、現在の活動や今後の展望について伺いました。

レスリングとの出会いからオリンピックを目指すまで

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私は3歳からレスリングを始めました。父とのマンツーマン練習が日課で、最初はただひたすらやらされていたという感覚がありました。中学生になると友達との遊びを優先するようになり、練習をおろそかにしていました。それでも試合には出場を強いられ、小学校時代に勝っていた選手にも敗れる始末でした。

そんなある日、私にレスリングをやめさせようかと両親が話しているのを耳にしました。自分のせいで親を悲しませたことに怒りを覚え、もう一度真剣に取り組もうと決意したのです。

そこから私は親元を離れ、日本で一番と言われるほど練習時間が長いことで知られる高校に進学しました。授業が終わった後、夜22時まで練習が続くこともありましたが、私は「勝ちたい」という強い思いと、「負けない」というプライドを持ち続けていました。

その後は大学に進学しましたが、1年生の時に4年生の先輩には全く歯が立たず、鼻を折られる経験が何度もありました。しかしその悔しさが、私の原動力になったのです。先輩に勝たなければオリンピックへの道はないという思いを持ち、最終目標であるオリンピックへの出場をかけて日々研磨していました。

毎朝鏡に向かってポジティブな言葉を投げかける

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レスリングを通じて、私はメンタル面を大きく変化させてきました。たとえば、毎朝鏡に向かって「今日も愛してるよ」と自分に語りかけることから1日が始まります。

この習慣を教えてくれたのは、兄のように慕っている山本アーセン選手です。彼は「自分を愛さなければ他人を愛せない」と何度も教えてくれました。その言葉を実践してから物事を明るく捉えられるようになり、心が広く寛容になったことを感じています。

以前は自己否定ばかりで、試合では緊張して「自分は大丈夫、勝てる」と無理に自分を鼓舞していました。そこから「もっとびびっていいんだよ」と言うようにし、この前の大会も緊張している自分を受け入れ、承認するようにしました。

また、レスリングは単独競技と思われがちですが、実は相手がいなければ成立しないコンタクトスポーツです。監督や仲間と共に生活し、行動や言動でチーム全体を鼓舞することが大切です。その姿勢を見て、先輩や後輩がついてきてくれることがあるので、私はそういった部分にも意識的に取り組んでいます。

レスリング人生から学んだ愛を次の世代へ

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今後考えていることや、行動を起こそうとしていることはたくさんあります。まず、中学校時代に所属していたチームのコーチを引き継ぐ予定です。私にとって、人や物事に対して愛を伝えることは非常に大切なことです。

多くの人に応援されてきた選手として、今度は私が愛を伝える番だと感じています。理想のレスリングコーチとは、怒るのではなく、愛情を注ぐ指導者だと考えています。人を大切にする子供たちを世の中に送り出すことが私の目標です。

もうひとつはレスリングを引退し、急に競争心のない世界に元に戻るのではなく、並行してグラップリング競技を始めています。レスリング選手からグラップリング選手という事例がないので、私が先駆者になろうと思ってます。

また、私のアスリート像を形成してくれた恩人とともに、地方創生と地球のSDGsに関連した仕事に参加する予定です。一生かけて恩を返していく価値のある人々がたくさんいるため、これからも多くの人々に愛を伝え続けていきます。